【大根おろし】すり下ろし方で味が変わるって本当?大根おろしの「辛味を抑える方法」を栄養士が解説
ステーキ、天ぷら、焼き魚。付け合わせによく大根おろしがついていますが、味だけでなく、きちんと意味があることをご存知でしょうか?また大根のおろし方によって辛味が調整できることを知っていますか?今回は大根おろしについて詳しくみていきましょう。
そもそも大根おろしはなぜ辛い?
同じ大根で料理をしても、煮物の大根は辛くないのに、大根おろしは辛いと感じたことはありませんか?これはイソチオシアネートという辛味成分が原因。わさびやからしの辛味成分と同じです。確かに鼻にツンとくる辛味が似ていますよね。
イソチオシアネートはグルコシノレートという物質にミロシナーゼという酵素が働くことで作られます。普段はこの二つは異なる細胞に存在する為、イソチオシアネートは作られません。しかし大根をすり下ろすと細胞が壊される為、イソチオシアネートが発生するのです。だから煮物の大根は辛くないのに、大根おろしは辛いのですね。
イソチオシアネートのツンとくる辛味を苦手とする方もいるかもしれませんが、胃液の分泌を促し消化を助けてくれる働きが。天ぷらやステーキ、脂ののった魚など、油っこいものと一緒に食べることは、理に適っているのです。残暑の影響で食欲がない時や胃腸の調子が悪い時にもおすすめですよ。
辛味を抑える方法とは?
ただいくら身体にいいと言っても、辛味が苦手な方や味覚が繊細な子供は食べられないこともありますよね。どのようにすればいいのでしょうか。
①葉の方を使う
土に埋まっていた根の部分の方が辛味が強いと言われています。辛味が苦手な方は葉に近い部分を使うと辛味が出にくいですよ。
②目の粗いおろし器を使う
細胞を破壊するほどイソチオシアネートが発生しやすくなる為、目の細かいおろし器で力を込めておろすと辛味が出やすくなります。辛味が苦手な場合は、鬼おろしのような目の粗いおろし器を使って、円を描くように優しくおろすと辛味を抑えやすくなります。
③時間をおく
イソチオシアネートは揮発性がある為、時間をおくと辛味がやわらぎます。ただあまり時間をおき過ぎると、水分が出てしまうのでご注意ください。
④電子レンジで加熱する
イソチオシアネートは熱に弱いので、加熱することで辛味がやわらぎます。加熱しすぎると風味が飛んでしまうので、弱いワット数で少しづつ様子を見ながら加熱するようにしましょう。
<参考元>
「新・野菜の便利帳 健康編」名取貴光監修
JAグループ 秋・冬の旬野菜ダイコン
JA会津よつば 大根(大根の煮物など)
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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