冷凍焼けした肉をおいしく復活させる「塩水解凍」とは?やり方と正しい保存方法を管理栄養士が解説

 冷凍焼けした肉をおいしく復活させる「塩水解凍」とは?やり方と正しい保存方法を管理栄養士が解説
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広田千尋
広田千尋
2023-08-22

肉を冷凍保存していたときに起こる「冷凍焼け」。そのまま食べても問題ありませんが、パサパサしたり臭みが気になったり……。冷凍焼けした肉は、ひと手間加えるとおいしく食べられるため、ぜひコツを知っておきましょう。また冷凍焼けを起こさない保存方法についても、管理栄養士が解説します。

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冷凍焼けした肉を復活させるには「塩水解凍」がおすすめ!

冷凍焼けを起こした肉は、塩水を使って解凍するのがおすすめです。冷凍焼けによって肉がパサパサになっていますが、塩水の浸透圧により肉が水分を吸うため、ジューシーになります。
それでは具体的な方法を解説します。

【冷凍焼けした肉をおいしく解凍する方法】
1. 3%の塩水(水100mlに対し塩小さじ1/2の割合)をポリ袋に入れる
 ※塩水は肉と同量を準備する
2.冷凍焼けした肉を1のポリ袋に入れて空気を抜き、口を閉じる
3.冷蔵庫に入れ1晩置く

解凍したあとは水気をふきとり、いつも通り調理するだけでOKです。冷凍焼けした肉は臭みが気になることがあるため、濃いめの味付けにしたり、しょうがやにんにくなどの香りのある食材と組み合わせたりすると気になりにくくなります。
冷凍焼けした肉があるときは、ぜひお試しください。

そもそも冷凍焼けの原因は?

冷凍焼けが起こる原因
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そもそも冷凍焼けとは、肉や魚などの冷凍保存した食品が赤黒く変色して乾燥した状態を指します。冷凍焼けは、食品に含まれる水分が蒸発してしまい、乾燥・酸化してしまうことが原因です。
例えば肉をパックのまま冷凍したり、ラップできちんと包んでいなかったりすると、空気に触れてしまうため冷凍焼けが起こりやすくなります。また冷凍庫内は乾燥しているため、長く冷凍保存するのも原因となります。
冷凍焼けは乾燥や酸化によるものなので食べても問題ありませんが、味が落ちてしまっているため、なるべく早めに食べ切るようにしましょう。

冷凍焼けを起こさない正しい冷凍保存方法

冷凍焼けを起こさない保存方法
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冷凍焼けを起こさないようにするために、冷凍保存の仕方を工夫してみましょう。

【冷凍焼けを起こさない冷凍保存方法】
・平らにして素早く凍らせる
・空気が入らないようにぴったりとラップで包む
・ラップで包んだあとにポリ袋やシッパー付き保存袋に入れる
・冷凍庫の奥の方に入れて温度変化の影響を少なくする
・3週間から1カ月を目安に早めに使い切る

冷凍焼けを起こさないためには、平らにして急速冷凍させて食品内に水分を閉じ込めることや、乾燥させないことがポイントです。また家庭の冷凍庫は開閉により温度が上昇しやすいため、奥の方に入れてなるべく温度変化が起こらないようにします。また長期保存も冷凍焼けの原因となるため、冷凍保存した日付をメモしておき、早めに使い切るようにしましょう。


冷凍焼けはちょっとした工夫で防げますが、もし起きてしまった場合でも塩水を使うとおいしく食べられるようになります。ぜひコツを知っておき、肉をおいしくムダなく食べ切れるようにしましょう。

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広田千尋

広田千尋

管理栄養士。病院や保健センターなどで幅広い年代の栄養サポートに携わった後、フリーランスとして活動を開始。現在はコラム執筆を中心に、レシピや献立の提案なども行っている。



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