ストレスや不安から脳をリラックスさせるためのポーズ10選
では、どうやってバランスを取り戻したらいいのだろう。研究ではマインドフルネスと呼吸法を意識してゆっくり行えば、交感神経の活性を弱めて神経系のバランスを取れることが示されている。『Yoga Therapy for Stress and Anxiety(ストレスと不安のためのヨガセラピー)』の共著者で、カナダを拠点に心理療法士と、ヨガおよび瞑想のインストラクターを行っているエリン・バイロンは「深呼吸をすれば体の緊張が緩むのがわかりますよ」と語っている。呼吸に意識を向けながらゆっくり呼吸することによって、交感神経の反対の働きをする副交感神経が働き出す。「呼吸の速度が落ちると、副交感神経が心拍数を低下させて、神経系に緊張を緩ませる信号を送ります。これによって「休息と消化」の反応が引き起こされるのです」とバイロンは説明している。回復目的の穏やかなポーズや瞑想、一部の呼吸法のほか、シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)やヨガニードラ(別名、「ヨガ式の睡眠」)で休むことなど、ヨガの幾つかの手法を使えば、ゆったり呼吸して今という時にとどまることができるようになる。
MYTで教えているローソンは、ヨガのさまざまな手法を組み合わせて、ウォルデン行動療法病院の生徒たちを落ち着かようとしている。ローソンはまず、心を集中させる練習をさせて、自分の呼吸がせわしないことに気づかせる。次に、緊張を和らげるポーズにゆっくり移行し、大地をしっかり踏んでいることを感じてもらう。最後にはどのレッスンでも休息を目的としたポーズを行う。
「レッスンが終わる頃には、皆さんたいてい穏やかになっています。シャヴァーサナになってようやく落ち着ける人もいます。皆さんが満足のいく休息を得られる時もあって、そんな時は私もうれしいです。生徒の皆さんは私たちの想像をはるかに超えたレベルで休息と安らぎを必要としているのです。」
気持ちを落ち着かせるために、ストレス要因から少し離れて、このマインドフルヨガセラピーのシークエンスを試してみよう。
マインドフルヨガセラピーのシークエンス
マインドフルヨガセラピーはPTSDに苦しむ帰還兵のために考案されたものだが、そのひとつの形態は私たちがストレスと不安に対処する術を習得するうえでも役に立つ。不安やストレスは人によって違った形で現れるため、このシークエンスが万能ではないことは覚えておこう。心の平安を得るためのひとつの方法だということだ。副交感神経に働きかけるさまざまなポーズを練習してみよう。その際には、くつろいだ表情で、息を吸う長さと吐く長さを同じにして、柔らかく安定したウジャイ呼吸(海のような音を立てながら鼻から吸って鼻から吐く呼吸)を繰り返そう。「呼吸とポーズはどちらも、今という時間にとどまるためにも、過去や未来のことを考えた時に生じる大きな痛みと不安に向き合うためにも有用です」と、MYTの創始者、スザンヌ・マナフォートは語る。1週間に何回でも繰り返し練習すれば、ストレスに対する反応が変わってくるのがわかるだろう。
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