意外と多い栄養不足からの白髪や抜け毛…日々の食事からはじめる美髪のつくりかた
前回は美しい髪を作るためにできること、日常生活編をお伝えしましたが、栄養不足も髪の状態を左右する大きな原因のひとつ。髪を作ったり、髪の色素を作る栄養素が不足すれば、潤いが不足したスカスカの髪になってしまいます。逆に髪に艶があるだけで清潔感やいきいきとした印象につながります。美しい髪や頭皮のためにできること、白髪対策のための栄養など、今回は食と栄養編です。
夏場は消化力が低下する時期。暑さから食欲が落ち、ついつい冷たい麺など炭水化物中心の食事になりがちではないでしょうか? お腹がいっぱいになっていると気づきにくいですが、必要な栄養が不足して、髪や肌の潤い不足につながっていることもあります。
髪を美しくする栄養素
タンパク質
髪の毛は『ケラチン』と呼ばれる18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質で構成されています。たんぱく質が不足すれば髪の毛のハリやコシが失われ、髪の毛が細くなったり、抜けやすい状態になってしまいます。
卵、牛肉、アジ、サンマなどの青魚は体内で合成できない必須アミノ酸のバランスや量がよい『アミノ酸スコア』が高い食品です。
植物性のたんぱく質よりも動物性のたんぱく質の方が、アミノ酸スコアが高いものが多いですが、動物性脂肪の取りすぎは、血液をドロドロさせることに繋がるので食べ過ぎには注意したいところです。
豆などの植物性たんぱく質は、含まれるたんぱく質量が少ない傾向にあります。菜食主義の方はタンパク質が不足しやすいので、特に気を付けて行く必要があります。但し植物性たんぱく質は一緒にビタミンやミネラルなどを取れるという良い点もありますので、動物性、植物性両方取り入れられる方については、バランスよくとるのがおすすめです。
ミネラル
ミネラルは、歯や骨を作るなど身体を作る成分となったり、消化・吸収などの代謝活動をスムーズにするなど身体の機能の調整や、維持をするなど様々な働きをしています。髪の毛を健やかに保ったり、髪の色素を黒い色素に変化させるを作る上でもミネラルは重要な栄養素です。不足すると肌荒れの原因となったり、イライラが抑えられないなど精神的に不安定になることも。心の調整にも欠かせない栄養素です。
生命活動に欠かせない必須ミネラルは16種類もあり、食べ物から接種しないと作りだせません。主なものはカルシウムやナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、リンなどですが、緑黄色野菜、ナッツ類、海藻類、肉、卵、貝類などバランスよく食べることで食事から補うことができます。様々な色の食材を取り入れるのも多様な栄養を摂取する指針になりますので、食卓の彩りを考えて食材を選ぶのも◎
気を付けたい食べ方、選び方
加工食品の摂りすぎ
食品は加工することで栄養素が減少していきます。精製、加工する段階で、ビタミン、ミネラルなどが損なわれるばかりでなく、更にその加工品に添加物が入っているとそれを分解代謝するためにただでさえ、不足しているミネラルやビタミンが大量に消費されてしまいます。シンプルな調理法で構わないので、できるだけ加工品に頼らず、出来立てのものを食べるということも栄養不足にならないための知恵です(加工品を使わず、手作りでお料理してくれるところならばもちろん外食でもOK)
とはいえ、加工品を食生活からすべて取り除くのは、なかなか大変なことです。あまり神経質になりすぎず、加工品を取り入れるときは、なるべく加工の工程が少ないものえらんだり、できるだけ添加物が入っていないものを選んだりするようにしてみましょう。
サプリメントは用量を守り、種類も厳選して
不足しがちな栄養素は、用量をきちんと守ればサプリメントで補うこともできます。ただし、サプリメントの用量を守ったとしても、あれもこれもと様々な種類を取ることで、摂取する際に何錠も飲むことになり、サプリメントを分解するために肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。内臓に負担をかけることは、髪の健康ばかりでなく全身に影響があるので、なんでも摂りすぎはNG。取り入れる場合は自分の身体に何が必要か、食事で気を付けても不足してしまう栄養はなにかを厳選して選ぶ必要があります。
わたしは、毎日食事メモを簡単につけており、1週間単位で不足してしまったかなという食材(栄養)を把握して、翌週の食事で積極的にとるようにしていますが、足りない栄養はサプリに頼ることも。例えば月経の時期には女性の健康に欠かせない栄養である鉄をサプリで補っています。忙しくてなかなか食事から栄養を取り切れないなという時期は、マルチミネラルなどで補うこともあります。たくさんの栄養素が1粒に入っているものなどは、何錠も何種類もと摂りすぎないで済むので強い味方です。また、サプリ選びについては、身体に負担が少ない植物性のカプセルのものなどを選んで取り入れています。
白髪のための食生活
前回のコラムでもお話しましたが、アーユルヴェーダでは白髪が知性の証とされていて、すべてがネガティブなものではありません。ですが、もし栄養不足から白髪になっているとしたら、食べ物で補って美しい黒髪を作っていくこともできます。冒頭でタンパク質不足に気を付けましょうとお話しましたが、アミノ酸のうちの1つ『チロシン』は髪を黒くするメラニン色素の原料になりますので、白髪対策としても不足しないようにしたい栄養です。
白髪対策のための栄養
アミノ酸のひとつである『チロシン』を多く含む食材
チーズなどの乳製品
魚介類(カツオ、ニシン、サバ)
豆類
アボカド
バナナ
アーモンド
メラノサイトを活性化する『ヨード』『アントシアニン』を多く含む食材
ヨード:昆布、海苔、ひじき、わかめ
アントシアニン:ベリー系のフルーツ(いちご、ブルーベリー、ビルベリー)、黒豆、ぶどう、紫キャベツ、なす、紫たまねぎ
もちろん、バランスのよい食事や適度な運動と休息は基本として、美しい髪のために+αで上に挙げた食材や選び方などをよかったら参考にしてみてくださいね。一緒に美しい髪を目指して、栄養にも気を付けて行きましょう。
AUTHOR
仁平美香
WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く