「変化する女性だから、しなやかな心を育てたい」渋木さやかさんが語る、ミドルエイジの心地よい生き方
明るく気さくなキャラクターが魅力的なヨガ講師 / ヨガライフアドバイザーの渋木さやかさん。自身が手掛ける「balanced.Box」では、業界初の女性エンパワーメントサービスを展開。仕事や子育て、パートナーとの関係について、等身大の姿でお話しいただきました。前編・後編の2本立てインタビュー。 インタビュー前半では、ヨガは「心の筋トレ」と語る彼女に、ヨガ講師になったきっかけや、ヨガの哲学から見出した暮らしのヒント、また「balanced.Box」で今後実現させたいことを語っていただきました。
ヨガのすっきり感はどこから?
ーーーヨガを始めてからどのような変化を感じましたか?
渋木さん:ヨガを始めたのは17年前。それ以前は一切運動をやってこなかったので、身体を動かす心地よさや爽快感はすごく感じました。そこから学んでいくうち、このすっきり感は運動だけではなく「心を整える」という哲学的な部分にも由来するとわかってきて。ヨガ哲学を学ぶことで一つひとつの動きに深みが出てきたんです。
さまざまな運動が流行っては消えてを繰り返す中、ヨガは哲学的な部分がしっかり存在するからこそ、今の時代にも淘汰されずに残っているのだと感じます。
あとは、自分との付き合い方が上手になったと感じます。感情が揺れ動いたときの対処や、自分軸がずれた時に戻ってくる時間が短くなりました。昔は落ち込んでなかなか元に戻れなくて、周りに助けてもらったり時間が経つのを待ったりしてたのですが、今は自分の力で戻る方法がわかるようになってきました。
ーーーそれは、ヨガのどの部分に影響を受けたのですか?
身体を動かすこととヨガの哲学の両方です。ヨガによって目の前の問題が解決されるわけではないので、課題に立ち向かう強さを持つのではなく、一旦受け止めて流すというのを大事にしています。やっぱり身体と心は密接に繋がっているので、終わった後は思考がすっきりします。
ヨガで「心の筋トレ」。揺れても戻ってこれる状態を保つために
私が常日頃大事にしているのは、ブレない軸をつくるんじゃなくて軸が揺れても戻ってこれること。人って単純なことで揺れ動くモノだと思っているので。天気が悪い日は気分が落ち込むとかね。なので、揺れても戻ってこれる状態をつくるためにヨガで心の筋トレをしているイメージです。
ーーーなるほど、心の筋トレ。
ヨガのアサーナは動く瞑想と言われているのですが、体調や心が揺らいでしまった時に自分の力で戻ってこれるように優しく促してくれるような存在ですね。
ーーーブレないようにするのではなく、戻ってくるためのものなのですね。。
なんというか、軸がブレるのは当然なんですよね。ブレないようにすることに無理があるから、特に女性は。毎月の生理に始まり、結婚したら苗字が変わるかもしれない、子どもを産めば仕事と子育てを両立する生活が始まる。また、ご家庭によって様々だとは思いますが、パートナーが転勤になったら女性がついていくパターンもこれまでは多かったわけで。そうやって常に変化していくのが女性だと思うんですよ。そういう身体や環境の変化に晒される中でも、やっぱり自分っていうものは持っていたい。だから強い軸を持つのではなく、竹のようにしなやかな軸が、揺れて戻ってくるのを繰り返すイメージでいます。そういうのをヨガはサポートできるんじゃないかと思っています。
ヨガ哲学から、子育てのヒントに気づくことも
あとはヨガ哲学を勉強していると「スワミジ(※1)がこんなことをおっしゃってたな」「ヴェーダンタ(※2)にこんな考え方があったな」というのが日常生活の中でリンクする部分もありますね。
※1 アシュラムにいるヨガの先生、修行する僧侶の総称。
※2 紀元前1000年頃から紀元前500年頃にまとめられた、インド哲学の書物『ヴェーダ』の最終章。
ーーー頭の中に、ヨガの名言集があるみたいですね。
そうそう!子育てをしていると他人と比較して落ち込んじゃう時もあるけど、「一番の先祖供養は本人が生まれてきてよかったと思うこと」という考え方を思い出してみる。周りと同じようにスポーツや勉強ができなかろうが、彼自身が人生を謳歌してくれた方が親にとっては嬉しいことですから。ヨガには精神的に助けられている部分が大きいです。
女性はライフステージによって常に悩みを持ち続けてるものだから、Instagramなどで発信する時も、哲学を伝えるよりは今の時代のライフスタイルに沿った、ヒントになる内容を届けたいと思っています。
AUTHOR
竹田歩未
ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub
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