ヨガ指導者の心構え|内山理名さんが学ぶ!よいティーチャーになるためにVol.5

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 ヨガ指導者の心構え|内山理名さんが学ぶ!よいティーチャーになるためにVol.5
Shoko Matsuhashi

ヨガの価値をしっかり伝えられるティーチャーを目指し、さまざまな課題に挑戦する内山さん。今回は、指導者として求められる心構えをクランティ先生に学びます。

プロフェッショナルとして自分の役割の確認を

内山:指導経験を重ねるにつれて、少しずつ伝えたいヨガの形が定まってきました。
クランティ:指導者として大切なことは、経験をたくさん積んで、自分の体で学んだものを伝えていくこと。自分で体感したものは説得力がありますからね。
内山:それは女優業と似ていますね。女優も体を通して実感したものしか表現できませんから。
クランティ:どちらも自立していなければいけないことも似ていますね。しっかり地に足をつけていなければ、きちんと表現したり、アウトプットしたりすることはできないでしょう。
内山:そのためにもアーサナだけじゃなくて、哲学の学びもとても大切なんですね。
クランティ:そう。ポーズができることと心が整うことは、別の話ですから。
内山:わかります! だからヨガの指導者は一生、自己鍛錬が必要。フィジカルだけじゃなくて、エモーショナルな鍛錬も。

クランティ:ひとつ覚えておきたいことは、ヨガの指導者は医師や心理学者ではないということ。生徒さんから個人的な悩みを持ちかけられても必ずしも解決策を与える必要はないんです。
内山:どういうことですか?
クランティ:ヨガ講師はサポートする存在であり、解決策を与える存在ではないということ。彼ら自身がどうやって自分を癒し、成長していくか、手助けをするポジションなのだということを忘れてはいけないんです。
内山:私もクラスが終わった後に、個人的な悩みを相談されることがあります。
クランティ:そういうときは自分の立ち位置を明確にして、生徒さんとの距離を保つこと。医療の専門家ではないから、適切な答えを与えられるわけではないし、同情を見せるだけでは解決になりませんからね。
内山:生徒さんとの距離感についても、学ばなければいけませんね。
クランティ:そういう距離感も次第に身に付くと思いますよ。
内山:私より年配の方やヨガ歴が長い方もクラスにいらっしゃるんですが、そういうときは緊張してしまい、堂々と振る舞えないのも気になっています。
クランティ:そんなときこそ、グラウンディングすることが大事。どんな人が相手でも、リードできる強さを身に付けたいですね。
内山:相手の言葉をきちんと聞く。でも距離感も明確にする。そのバランスが大事なんですね。
クランティ:UTLで開催している「SAFE YOGA STUDY」では、解剖学や哲学などの知識のほか、こういった講師としての心構えについても再確認するんですよ。
内山:身につくまで再確認することは大切ですよね。
クランティ:指導するうえで欠せないことがチェックリストとして渡されるので、自身で確認できるようになっているんです。キャリアを問わず多くの卒業生が集まります。
内山:ヨガ講師のための学びの場なのですね。とても勉強になりました!

チェックリスト

教えてくれたのは…クランティ先生

アシュタンガヨガの総本山、インド・マイソールのKPJAYIで公式指導者最高資格を取得。日本のアシュタンガヨガを牽引する指導者の一人。

SAFE YOGA STUDY(SYS)とは?

SYS

UTL卒業生を対象に、「 安全な指導を行いたいヨガ講師の学びの場」として2015 年8月に発足。ヨガと医療行為を区別する定義を明確にし、ヨガ講師の役割を確認。さまざまな見地から知識と技術を養う学びの場です。

シークエンス

シークエンスの組み立てにおける、基本的な理念を学習する。テーマに沿ったアーサナの流れや、生徒のレベルに応じた難度の設定などをHIKARU先生が指導する。

解剖学

実践に即したクラス形式で中村尚人先生が担当。筋肉や骨格の働きと構造を確認し、ヨガの練習中に起こりやすい傷害について学び、クラスでの怪我を予防する。

アジャスト・アシスト

基本的な解剖学や生理学、動きのメカニズムに関する知識を学習。生徒の限界や能力に応じた、適切なアジャスト・アシストの方法を確認する。クランティ先生が担当。

講師として

HIKARU先生がクラスを担当。ヨガ講師として求められる心構えや姿勢をトータルで学ぶ。また、ヨガの意味や目的、効果、歴史なども改めて確認する。

哲学

向井田みお先生が指導。『ヨーガスートラ』の基礎知識を学び、インド哲学についての一般的な理解を深めるとともに、瞑想についての基礎知識も身に付ける。

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Photos by Shoko Matsuhashi
Hair&make-up by Marie Sakano(Allure)
Text by Hiroko Suzuki
yoga Journal日本版Vol.54掲載

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