ヨガティーチャーに必要な安全管理とは?|内山理名さんがRYT500取得に挑戦!Vol.2

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 ヨガティーチャーに必要な安全管理とは?|内山理名さんがRYT500取得に挑戦!Vol.2
Shoko Matsuhashi

指導者にとって、ヨガを安全に正しく教えるための知識は不可欠です。豊富な指導歴に加え、ご自身もヨガで体を痛めた経験を持つ鈴木まゆみ先生に、安全管理の心得を伺いました。

先生は与えすぎず生徒が感じる指導を目指す

内山:けがをしないクラスづくりのために、指導者が事前にやっておくことはありますか。
鈴木:クラスの前に生徒さんの不調や痛みの有無を聞き、体の状態を把握しておく必要がありますね。初めて参加する人は言い出しにくい場合があるので、私は直接声をかけてヒアリングするようにしています。
内山:では、レッスン中はどんなことに注意すればいいですか。アジャストは正しく行えば効果的ですが、一歩間違うとけがにつながるので心配です。
鈴木:大切なのは「やってあげよう」としないことです。ポーズの安全性が確認できたら手を差し伸べなくて大丈夫。アジャ
ストするとき、完成形にはめようとするあまり、やりすぎてしまいけがにつながることも。ポーズを深めて「あげる」のではなく、深まる過程を指導し、よりよい方向へ導くのが真のティーチングです。やってあげたいという先生のエゴを満たすアジャストがけがを引き起こし、その後の生徒さんの人生を左右しかねないことを自覚しましょう。

ヨガ安全指導員講座

内山:UTLの講義で聞いた、「主役はマット上の生徒さんであり、先生はバックアップする存在」という言葉が印象に残っています。やってあげることに優越感を覚えていないか、自分を客観視できる目を持ち続けたいです。生徒側の視点に立つと、アジャストで多少痛くても先生がやってくれることは正しいと思って我慢しがち。先生に対する依存心も危険ですね。
鈴木:先生自身が、ヨガとは何かを理解することが大事ですね。ヨガの本質、つまり自身の内側を感じるレッスンを提供できると、生徒さんの依存心はなくなります。反対に先生がすべてやってくれるという意識になると、ヨガの本質は伝わらないので注意が必要です。
内山:私は感じることが好きでヨガをしているので、レッスン中はしゃべりすぎず生徒さんの感じる時間を大切にします。でも、きちんと伝えたいこともあって、「無理をしないで」という言葉が生徒さんの心になかなか届かないのが悩み。言っているそばから体が力んでいるのがわかるんです(笑)。
鈴木:「呼吸はどうなっていますか」「どこに力が入っていますか」などと質問を投げ、生徒さんに感じる作業をしてもらう
と、力んでいる自分に気づけるかも。あとは、ポーズ中に隣の人と比べて頑張ってしまう人には、今の状態を感じて受け入れ、自分を知ることがレベルの高い練習だと教えてあげて。前屈など、欲が出て無理をしやすいポーズの時は特に注意です。
内山:ポーズの達成感だけでなく、心の充足感を味わえるクラスをつくっていきたいですね。

鈴木まゆみ 内山理名
(Photo by Shoko Matsuhashi)

鈴木:もしけがをしてしまったら、勇気をもって先生に申告を。直接言いづらければスタジオにメールで伝えてもいいと思います。また、先生のアジャストがつらいときには、「痛いです」と声を挙げて。反対に先生は、日頃から生徒さんが言い出しやすいオープンな雰囲気づくりを心がけましょう。また、終わってから足を引きずっていないかなどクラス終了後も生徒さんをしっかり観察してください。
内山:実際にけがを経験した鈴木先生のアドバイスは心に響きます。ヨガを伝える目的を再確認して、感じることを大切に安全なクラスをつくっていきたいと思います!

教えてくれたのは…鈴木まゆみ先生

UTLのRYT200ティーチャートレーニングプログラム担当講師。ニューヨークOM yogaヴィンヤサ、リストラティブ サーティファイドティーチャー。参加者の気持ちに寄り添う指導に定評がある。

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Photos by Shoko Matsuhashi
Hair&make-up by Marie Sakano(Allure)
Text by Ai Kitabayashi
yoga Journal日本版Vol.57掲載

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