【更年期に重なる介護】「親の状況が急に変わった」その時に大事なこととは?
更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
父の大怪我、母の変化
更年期の時期に介護が重なる方は結構おられます。自分の親の場合や、パートナーの親の場合、どちらもあるでしょう。
うちの場合は自分自身の親の介護をしています。ありがたいことに、介護サービスを利用しながらあまり負担がないように運営できていましたが、2週間ほど前、突然父が階段から落ちて状況が変わりました。
頭がい骨骨折となり、一時期は死を覚悟しましたが、打ち所がよかったのか、出血も少量で収まりました。しかし、これまで自力である程度なんでもできていた父が、突然自分でトイレにいけない状態になりました。
病院にいる間に受け入れ態勢を準備しなくてはならず、ベッドの準備やヘルパーさんの介護体制の変更、2階中心で生活していた父の生活拠点を1階にするために家具の移動などを、遠方にいる兄2人にも来てもらうなどしてやっていきました。
自力でできることが少なくなっているわけですから、かなり大変です。そんな時に母の短期記憶がものすごく落ちてきて、とても怒りっぽくなってきました。以前からこういった症状は認知症の始まり、とも聞いていたので、物忘れ外来に連れていくための説得など一気に色々なことが降りかかってきました。
私の方は運よく兄が協力してくれたり、ここまで悪くなる前の段階でケアマネさんとつながって随時相談ができていたので、今回の事故の際もすぐに対応してもらえたから良かったのですが、人によっては親が突然事故に遭って寝たきりになる、といったこともあるかと思います。
ただでさえ自分の体のケアをしていくだけでも大変な時期です。パニックを起こす方もおられるでしょう。そういった場合は、すぐに地域包括支援センターにつながり、できるだけ早い対応を求めながら相談しつつ対応されることがおススメです。
解決策は必ずある
更年期の方のご相談に乗る際、いつもお伝えしているのは「解決策は必ずある」ということです。そして、できるだけ冷静になって、情報を拾っていきましょう。更年期の相談は更年期に詳しい婦人科に、親の介護のことは地域包括支援センターに、それぞれまずはつながっていく…それを知っているだけでも随分とちがいますから、是非合言葉としてください。
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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