ヨガする人に意外と多い肩のケガ|強く動かしやすい肩を作る3つのポーズ
ヨガする人はもちろん、水泳やロッククライミング、ゴルフなどを行う人に意外と多いのが、肩のケガ。ヨガポーズで肩関節まわりの筋肉を強化し、動かしやすい肩を作ろう。
腱板は4つの筋肉の総称であり、上腕骨を肩の関節窩に安定させ、肩の回旋を可能にする役目を果たしている。これらの筋肉周辺の腱は炎症を起こしやすく、外傷や反復運動によって断裂することもある。特に、肩甲骨を支える筋肉と腱板を固定する筋肉が弱い場合は、ケガが起こりやすい。
腱板には4つの筋肉とそれぞれの腱が含まれるため、症状は多岐にわたる。肩上部に痛みを感じることが多いが、肩甲骨や脇の下も含めて、肩関節まわりのほとんどどこにでも痛みが生じる可能性がある。
予防・緩和のポーズとしておすすめの動きとは
肩関節まわりの筋肉を強化し、腱板の可動域を回復することで、より強く、動かしやすい肩になる。ケガをしにくくなり、その回復も促進する。
1.牛の顔のポーズ バリエーション
腕の内旋と外旋によって、腱板全体をストレッチする(肩が硬い場合は、温かいシャワーを浴びながら行うか、手が届かなければストラップやタオルを用いてもいい)。
HOW TO
座位か立位の姿勢から、左腕を左に伸ばし、床と平行にする。まず親指を床に向けてから後ろの壁に向け、手のひらを天井方向へ返して、左腕を内旋させる。この動作によって、左肩が少し上がって前に傾き、上背部が丸くなる。息を吐ききったら、左腕を背中に回し、前腕を腰のくぼみに沿わせる。ウエストと前腕が平行になるようにして、左の肘を上体の左脇につける。肩を後ろに回し下ろしたら、背中に当てている前腕を、背骨と平行になるように上に向かってずらしていく。手の甲が肩甲骨の間に当たるように。
次に、息を吸いながら右腕を前に伸ばし、床と平行にする。手のひらを上に向けて、息を吸い、腕を天井に向かってまっすぐ伸ばす。肘を曲げ、左手に向かって下げていく。最後に可能なら両手を組む。難しければ、右手にタオルやストラップを持って行う。1分ホールドし反対側も行う。
2.板のポーズ バリエーション
肩甲骨を安定させる筋肉を鍛え、腱板を支える土台を強くする。
HOW TO
四つんばいになる。息を吐きながら、肘を曲げずに胸郭を床のほうに下ろし、肩甲骨を寄せ合う。息を吸いながら、床を押して胸郭を床から離し、背骨を曲げずに肩甲骨の間を広げる。動きを理解したら、板のポーズに入り、同じ動作を行う。胸郭のまわりで肩甲骨が互いに近づいたり離れたりする様子を思い浮かべてみよう。10 回繰り返したら、動きを止めて数回呼吸し、再び繰り返す。筋肉が鍛えられてきたら、15 回から20回まで回数を増やしてみよう。
3.横向きの板のポーズ バリエーション
腱板の4つの筋肉を強化し、ひとまとまりで動くようにする。
HOW TO
前腕を床について板のポーズをとる。肩の真下に肘の位置を合わせて、足を揃える。体を左にねじって、右足の外側を床につけ、右の前腕の向きを45 度に傾ける。右の上腕骨をしっかりと関節窩に引き込み、右手の人差し指の付け根で床を押す。胸郭の両脇を引き上げて長く保ち、左腕を上に伸ばす。30 〜60 秒ホールドしたら、反対側も行う。
監修・モデル
ティファニー・クルクシャンク
YogaMedicineの創設者で、スポーツ医学と整形外科の専門家。ヨガ指導歴は20年、また12年以上にわたり、さまざまな患者にも会ってきた。伝統的なヨガを西洋の解剖医学、生理学と融合し、より治療的なヨガを広めるため、世界中でティーチャートレーニングを行ってい る。
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