「更年期の不調、どこで相談すれば?」精神科医が開発した話題のアプリ|栗尾モカの更年期大学#12

 「更年期の不調、どこで相談すれば?」精神科医が開発した話題のアプリ|栗尾モカの更年期大学#12
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栗尾モカ
栗尾モカ
2023-04-06
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保健医療の診察は、医師にとっては厚遇ではないという現実がある

ーープロのカウンセラーの方にオンラインでアクセスすることができるのは、画期的ですね。考案された森田先生は精神科の先生ですが、診療のスケジュールはタイトですか?

森田先生:保険医療の仕組みについて、患者さんは把握されていない場合がほとんどだと思います。実際のところ、ひとりの患者さんを診たときに生じる保険点数は、精神科の場合は内科の半分程度です。つまり、精神科の経営を考えた場合、内科の倍の人数を診療しなくてはいけません。大学病院時代の外来では、患者さんの診察希望に極力答えた結果、5時間待ちの外来になってしまう場合もありました。仮に毎週深夜まで外来をしたとしたら、病院側から「そんな時間まで暖房を入れられない」と言われてしまうはずです。とあるSNSで、更年期の症状が重くて話をゆっくりきいて欲しいのに、しっかり時間をとってくれるドクターに会えず、いろいろドクターショッピングをして、ようやく1時間話をきいてくれる婦人科医に会えたという投稿をみて、複数の医師が「それが普通の診療だと思われては保険診療が成り立たない」と嘆いていました。経営を厳しくする医師は次の人事で飛ばされてしまうかもしれません。医師も患者さんも時間の調整が難しいのが現実です。

精神科には軽い症状のときこそ相談に来られるようにするのが今後の課題

森田先生:私自身、漢方でいうと未病のような状態の患者さんのケアがとても大事だと思っているのです。このグレーゾーンの人たちをきちんとケアできれば、彼らは社会で勉強や仕事を継続したり、子育てしたりと活躍できるでしょう。こういう方々の診療にもっと力を注ぐべきだというのが私の考えです。だから、産業医や学生相談室の仕事が向いていたのでしょう。でも、忙しい人ほどなかなか相談にたどり着けない。これは社会問題ですね。重めの精神疾患の予防の研究をしているときに気づいたのです。精神科病院に入院する患者さんが、もし後遺症も少なく働けるレベルまで改善することができれば、GDP(国内総生産)は1%以上上昇するはずです。ミレニアム以降の薬剤の開発は目覚ましく、患者さんの再就職支援に民間も参入しやすくなり障がい者雇用の就職チャンスは増えています。

弁護士は、法律の専門家。カウンセラーの役割を望むのはNG

森田先生:更年期世代の方は、離婚について悩んでいる方も多くいらっしゃいます。当事者の方が弁護士に相談に行った場合、心理カウンセラーの役割を求めてしまって「話をきいてくれない」という不満の声がきこえてきたりします。弁護士さんは法律の専門家であって、カウンセリングの専門家ではないことを説明するのですが、実は離婚案件は精神科医と弁護士が話を長く聞くことが多いのです。その誤解を埋めるために新人弁護士に向けた本を弁護士の友人と書きました。

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『弁護士アラタの事件録 精神科医のアドバイスとともにおさえる 離婚相談&受任の心得』田畑 淳、森田 桂子・著(第一法規)

 


ーー弁護士と精神科医の先生がタッグを組まれるとは意外です。

森田先生:メンタルヘルスの不調のケーススタディを物語形式にしているので、この本を読めば弁護士に相談する時間が短くてすむし、離婚した後に女性が貧乏にならないよう対策を立てることができます。たとえば、DV夫から逃げて、シェルターで生活を再建するのは凄く大変なので、離婚する前にいろいろやっておくべきことがあるのです。

「ゆっくり話をきいてくれる」「距離を気にせず地方でも安心」を実現

ーー森田先生は、いろいろな問題に対峙し、その解決策について熟慮されていらっしゃるのですね。先生の開発されたアプリには、患者さんのニーズが生かされていますね。

森田先生:大きな病院にいらっしゃる患者さんは、症状が重い方も軽い方もいますが、忙しい中でリソースが限られていると、緊急対応をしなくてはならない重い患者さんを先に診ますので、沢山お話をしたい軽い症状の方をお待たせしてしまうことになってしまいます。中には、まだ話したいのにもう来なくていいですよと言われてしまう残念なケースもあります。

たとえば、遠方で大災害があったときには精神科の医師達がバスで駆けつけたことがありました。災害時は現地の医師も心理師も被災者になってしまいます。しかし「NAGON」のアプリなら、場所が離れていても適正価格でカウンセリングという支援を行うことが可能です。ひとりでも多くの悩みを抱えている人々のお役に立てることを願っております。

更年期大学今回の学び

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イラスト・栗尾モカ

更年期症状がある患者さんにお会いするたびによく聞くのは「相談する人がいない」「相談したいが、どこに行けばいいのかわからない」といった声でした。今回森田先生にお会いして、更年期症状が辛い時には精神科を訪ねても良いこと、自宅からアクセスできる「NAGON」があること、必ずしも高額を払わなくてもカウンセリングを受けることが出来ることを知りました。今回の情報が多くの皆さんに届きますように。

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栗尾モカ

栗尾モカ

記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。



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