血管をやわらかくするストレッチとは?血管の専門家に聞いた、運動が苦手でも続けやすいストレッチ

 血管をやわらかくするストレッチとは?血管の専門家に聞いた、運動が苦手でも続けやすいストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より

ストレッチといっても、その目的に応じて方法や箇所が異なります。この記事では、日本人の健康の維持・増進を研究する家光素行先生の著書『からだがやわらかくなると血管が強くなる』から、血管をやわらかくすることを目的とした、かつ、誰でも続けやすいストレッチをご紹介します。

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血管をやわらかくするには「前もも」と「ふくらはぎ」がポイント

家光素行先生によると、血管をやわらかくするために行うストレッチのメインは「前もも」と「ふくらはぎ」。なぜなら、この2箇所には太くて大きな血管が通っており、大きな筋肉があるからなのだそうです。

・筋肉をポンプと見立てて、血液の循環を促す
・血管自体をのばす

血管をやわらかくするストレッチでは、上記のアプローチを行っていきますが、これらが効率的に行えるのが「前もも」と「ふくらはぎ」なのです。

なぜ「前もも」と「ふくらはぎ」がストレッチのポイントなのか

血管をやわらかくするために着目したい「前もも」と「ふくらはぎ」のストレッチ。なぜこの2箇所をメインにストレッチすると良いのでしょうか。それぞれの特徴をみてみましょう。

前ももの特徴

・人体の中でおおきな筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」がある
・脚の付け根からひざの上にかけて太い血管「大腿動脈(だいたいどうみゃく)」が通っている

ふくらはぎの特徴

・つま先立ちをしたときに力が入る、大きな筋肉のある部位
・筋肉のポンプ作用がとてもよく作用し、第2の心臓ともいわれている
・「後脛骨動脈(こうけいこつどうみゃく)」という太い血管が走っている

体中を巡った血液は、最終的に心臓に戻らなければいけません。しかし、重力の影響があるためどうしても下肢に溜まりやすいのだそう。下肢に溜まった血液を心臓に送るのに必要なのが、ふくらはぎです。「ふくらはぎを刺激することで、効率よく血流が上がるのです」と家光先生は教えてくれました。

前もものばしのストレッチで「大腿動脈」と「大腿四頭筋」にアプローチ!

1.片足だけイスの端にのせて座る
背もたれが体の横にくるように、お尻の右半分と右脚で座ります。背もたれを掴み、体勢を安定させます。

ストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より
 

2.左脚を後ろに引いて、前ももをのばす
イスにのせていない左脚を後ろにのばし、ひざをまっすぐにします。まっすぐ上半身を起こしておくことで、前ももと脚の付け根ののびを感じることができます。15〜30秒間のばしたら、同様に反対側の脚のストレッチも行います。

ストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より
 

ふくらはぎのばしのストレッチで「後脛骨動脈」を刺激!

1.浅くイスに腰掛け、背すじをのばす
背もたれを背にし、座面の半分ほどの位置に座ります。足裏は床につけ、背すじをのばして、足の指先は前へ向けます。両手はももの上に添えておきましょう。

ストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より
 

2.片脚を軽く後ろへ引く
かかとが浮かない位置まで、左脚を後ろへ引きましょう。このとき背すじはのばしたままです。

ストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より
 

3.ひざに両手をあてて、前に押し込む
後ろに引いた左脚のひざに両手を重ねて添えましょう。

ストレッチ
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』より
 

上図のように上半身はやや前に傾け、添えた手でひざを前方に押し込みます。このときかかとが浮いてしまうとふくらはぎはのびないので、注意。15〜30秒キープしたら、反対の右足も同様にストレッチします。

1日1分からでOK!自分のペースで毎日気軽にストレッチ

ご紹介したストレッチは、「前もも」も「ふくらはぎ」も下半身が中心となっています。なぜなら、下肢に溜まりやすい血液の循環を促すため、また人体の筋肉の70%が下半身に集中しているからです。

「筋肉が多いところをターゲットにしたほうが、効率的に血流を促せ、全身の血流アップにつながります。すなわち、効率的にNO※などの血管拡張物質を増やせるのです」(家光先生)

※NO:nitric oxide、一酸化窒素。血管内膜の内皮細胞から分泌され、平滑筋を緩ませる働きがある

運動習慣がない、ひざなどの関節に痛みがある……そんな方でも、自分のペースで毎日続けやすいストレッチです。1日1分からでいいので、ぜひ始めてみてください。

血管
『からだがやわらかくなると血管が強くなる』家光素行・著(アスコム)

教えてくれたのは…家光素行先生
立命館大学スポーツ健康科学部教授。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所客員研究員。
1996年、川崎医療福祉大学医療技術学部卒業。2003年、筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。筑波大学先端学際領域研究センター客員研究員、国立健康・栄養研究所身体活動研究部客員研究員などを経て、14年より現職。

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構成/アンドウミク

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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