【2/22は頭痛の日】多くの人が知らない?片頭痛は病院で治療し予防する時代へ!医師の見解を紹介
片頭痛患者を対象とした調査結果によると、片頭痛を抱える人の7割以上が「病院を受診したことがない、痛みを我慢している」と回答。片頭痛治療が新たなフェーズ「片頭痛は病院で治療し、予防ができる時代」へとシフトしている昨今、多くの人がまだ知らない治療法について医師の見解を紹介します。
片頭痛の患者は国内に約840万人、年間の経済損失は2兆円にも及ぶ
「ズキンズキン、ドクンドクン」と脈を打つような痛みが、繰り返し起こる「片頭痛」。国内における患者数は約840万人(*1)に上ると推定されています。中でも30〜40代女性の発症率が高く、その数は男性の約4倍(*1)と言われています。
片頭痛の症状を持つ患者の95%が、「仕事や家事がはかどらない」、「寝込んでしまう」など、日常生活への何かしらの支障を感じており(*1)、頭痛による生産性の低下は、年間で2兆円もの経済損失を国内にもたらしているという調査結果も報告されています(*2)。
医療機関を受診している片頭痛患者は全体のわずか3割
片頭痛は神経疾患のひとつで、医師による適切な診断と対処によってコントロールが可能な「病気」です。しかし、片頭痛患者を対象とした調査結果によると、定期的に医療機関を受診している片頭痛患者は、全体のわずか約3割に留まることが判明(*2)。
多くの片頭痛患者は、痛みを我慢したり、市販の鎮痛剤で一時的に痛みを緩和させたりして対処するケースが多いようです。「病院を受診するほどの病気ではないと思っていた」「そもそも治療法があることを知らなかった」などの回答も散見され、「片頭痛は病院で治せる病気」だという事実を知らない患者が多数いることが分かります。
片頭痛は病院で治療し予防する時代へ
2021年、片頭痛の発作を予防する新薬が相次いで発売されました。4月に発売された日本イーライリリー・第一三共の「エムガルティ」に続き、8月にはアムジェンの「アイモビーグ」、大塚製薬の「アジョビ」といった薬が登場。こうした片頭痛の新薬が国内で発売されるのは、およそ20年ぶりです。
この状況について、獨協医科大学副学長で頭痛の名医、日本頭痛学会代表理事の平田幸一氏は、「新しい薬は、これまでの薬とは作用するメカニズムが違い、科学的にも画期的。まさに片頭痛治療のパラダイムシフトが起きているまっただ中」とコメント(*3)。
頭痛専門医の数は増加傾向、一方地方は専門医不足
日本頭痛学会は、頭痛診療に関する研修を経て一定の能力が保証されている医師に「頭痛専門医」の資格を付与しており、2022年12月時点で900名以上の医師が頭痛専門医としての認定を受けています。
一方で頭痛専門医の数は毎年増加傾向にありますが、多くは東京・大阪などの大都市に集中しており、地方では、頭痛診療がなかなか普及しない現状があります。
片頭痛治療は新たなフェーズ「片頭痛は病院で治療し、予防ができる時代」へとシフトしています。片頭痛の自覚がある人は、かかりつけの病院を見つけることが大切。我慢せずに医師に相談して予防に努めることで、快適な日々を手に入れましょう。
【引用元】
*1. Sakai F, Igarashi H. cephalalgia 1997:17:15-22
*2. Shimizu et al: J Headache Pain, 2021
*3. 東洋経済オンライン(https://toyokeizai.net/articles/-/464037)
*4. 一般社団法人日本頭痛学会(https://www.jhsnet.net/ichiran.html)
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ヨガジャーナルオンライン編集部
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