意外と知らない…「処女膜」って何?処女膜の役割や仕組みなど、気になる疑問を産婦人科医が解説

 意外と知らない…「処女膜」って何?処女膜の役割や仕組みなど、気になる疑問を産婦人科医が解説
AdobeStock

今まで聞きづらかったアソコの疑問に、TikTok13万フォロワーの産婦人科医が回答!今までなかった「女性器」の本『産婦人科医が教える みんなのアソコ』(辰巳出版)より、抜粋してお届けします。

広告

誰にでも「はじめて」はある 処女膜についてもっと知ろう!

「女性にとってはじめてのセックス=痛みをともなうもの」というイメージは、広く共有されています。女性の腟には「処女膜」があり、それは男性器が挿入されることで破られて出血と強い痛みがある、というものです。

膜という言葉から、腟の入り口にフィルターのようのものが張られていると想像されがちですが、実際には粘膜のひだが複雑に重なりあったものです。経血やおりものは、そのあいだを流れていきます。

処女膜のある、なしで女性の価値は変わらない

ひだの形状や強さは人それぞれで、スポーツなどをするうちにすり減ってなくなる人もいますし、逆にセックスを何度か経験してなお残る人もいます。初体験で血が出ない=処女でない、とはかぎらないのです。これほど不確かなものなのに、古今東西、処女膜への興味が尽きないのは、処女、つまりセックス経験がない女性が〝価値あるもの〞とされてきたからでしょう。女性も男性も、セックスの経験がある/ない、または多い/少ないでその人の価値が変わることはありません。

痛いのは誰だってイヤそれでもしたくなる相手とは

実際には、初体験の痛みの程度は個人差があり、「あまり痛くなかった」「なんともなかった」という人もいて、それはしてみなければわからないもの。しかし「痛そう」とためらうのも、自然な心の動きです。それでも、「痛かったけど、してよかった」と思えることはあります。そこには、相手との関係性や態度が大きく関わってきます。相手が自分の身体をていねいに扱ってくれていると実感できた場合と、そうでない場合とで、痛みの感じ方が同じであるはずがないのです。最初のセックスは痛くても、くり返すうちに処女膜がすり減り、痛みもなくなることが多いです。でもはじめてのとき痛いと伝えたのに相手からの気遣いが感じられなければ、「もう一度トライしよう」と思えなくて当然です。

する、しない、中断するぜんぶ自分で決めていい

セックスをするのか、しないのか。するとしたら、どんなセックスを誰とするのか?これを決めるのは自分です。セックスは相手がいる行為ですから、相手がしたいかどうかも確認します。これを性的同意といいます。

大事なのは、「しない」を選んでもいいということ。「つき合っているなら当然セックスするもの」ということはありません。交際していても結婚していても、するか、しないかはそのときどきで自分が決めます。「しないと相手が不機嫌になるから」のように考えているとしたら、それは適切な関係とはいえないでしょう。そしてキスはOK、裸で抱き合うのもOK、でも挿入はしたくないというのもアリです。最初に同意したから、最後までしなければいけないということもありません。

挿入のタイミングは女性主導で見極めよう

セックスの手順に絶対の正解はなく、ふたりともが心地よければそれでいいのですが、「前戯」と呼ばれるステップを経て挿入行為に至るのが適切だとされています。前戯とはお互いに性的興奮を高め、全身、そして性器にふれ合うことをいいます。やがて気持ちが盛り上がり、性器が充血し、体液が分泌されて〝濡れる〞といわれる状態になります。そうでないうちは、挿入によって痛みが出やすいでしょう。自分の身体の状態は、自分で判断するもの。相手にはその見極めがむずかしいです。「いまなら大丈夫」というときに、自分からGOサインを出しましょう。挿入時に痛みが出たなら、そのときはいったん中断してもらっていいのです。再開のタイミングも、女性が判断して相手に伝えましょう。

画像
セックスにおいて最優先すべきは「自分がどうしたいか」/AdobeStock
画像
『産婦人科医が教える みんなのアソコ』(辰巳出版)

著者/髙橋怜奈
女医+所属。産婦人科専門医、医学博士。東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科助教。ベリーダンサー、元プロボクサー。メディア出演をはじめ、Twitter(@renathksh)、TikTokなどSNSでの医療情報の発信や、「産婦人科医YouTuber高橋怜奈」としてYouTube活動も積極的に行っている。『小学生だから知ってほしいSEX・避妊・ジェンダー・性暴力』『おとなも子どもも知っておきたい新常識 生理のはなし』(ともに主婦と生活社)監修。

広告

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

画像
画像