人の悪口、否定的な会話…どうすれば止められる?精神科医に学ぶ、会話をポジティブに転換する方法

 人の悪口、否定的な会話…どうすれば止められる?精神科医に学ぶ、会話をポジティブに転換する方法
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ネガティブな発言ばかりが飛び交う会話では、会話のゴールも後ろ向きになりがち。どうすれば会話を前向きな結論へ導くことができるのでしょうか? 精神科医師・益田裕介 著『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』(フォレスト出版)から、ネガティブをポジティブに変換して前向きな結論へ導く方法を教えていただきました。

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ネガティブな言葉を使うデメリットは「盛り上がらない」「後ろ向き」

「あいつは不器用で応用がきかない」「落ち着きがない」など、会話の中でネガティブな発言があるとします。その言葉を「そうだよな」と肯定してスルーしてしまうと会話が前に進まず、盛り上がりにくくなります。人の悪口で盛り上がる会話もありますが、よく見ると少しも話は前へ進んでいません。また、ネガティブな発言の結論は後ろ向きなことがほとんどです。

ネガティブに考えるか、ポジティブに考えるかは、その出来事がどっちなのかではなく、解釈する側にゆだねられています。前述の「応用がきかない」「落ち着きがない」は、捉え方次第で「基本に忠実」「活動的」と解釈することができるでしょう。

たとえば、精神科の診察では患者さんからネガティブな発言が出ることもあります。この発言を精神科医がポジティブに言い直すことで、楽観的に考えられるように促します。

患者さんから、仕事の失敗について「すべて自分が悪いんです」という発言があったとします。それを「あなたが悪いのではなく、上司の指示が良くなかったのですよ。誰でも失敗します」や、「病気がよくなれば、うまくいきますよ」という風に言い換えます。

ネガティブ発言には、素直にポジティブになれないがための発言もあります。たとえば「今回はたまたまうまくいっただけで、次は失敗するかも」といった発言です。それに対して「頑張りが実を結んだのですよ」と言うことで、「次も頑張ろう」という前向きな結論を生み出すことができます。このように、ポジティブに言い換えることで、会話を前向きな結論に導いていきます。

ポジティブは日頃の意識から変えていこう!

楽観的、ポジティブに考えたほうが、心身の健康や周囲との関係が穏やかになります。急にネガティブをポジティブに言い換えることはできませんから、日頃の思考や発言を意識してみると、いざというときに使うことができます。

考え方は意識次第で変わるので、日頃からポジティブな言葉で言い換えられるようにするとよいでしょう。ためしに、今ご自身が悩んでいることについて、ネガティブな言葉が浮かんだらポジティブに言い直してみてください。前向きな結果へ、一歩近づくことができるはずです。

精神科医
『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』益田裕介・著(フォレスト出版)

『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』著者/益田裕介医師(早稲田メンタルクリニック院長 精神保健指定医、精神科専門医・指導医)
岡山県出身、防衛医大卒。2019年12月よりyoutubeチャンネル「精神科医が心の病気を解説するCh」を配信開始。日々、精神疾患や治療法、カウンセリング技法などの解説を行なっている。チャンネル登録者数は32万人を超え、1日の再生回数は平均20万回以上(2022年7月時点)。また、患者さん同士がオンライン上で会話をしたり、相談ができるオンライン自助会を2022年3月24日より主催・運営するほか、精神科領域のユーチューバーを集めた勉強会なども運営している。

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構成・文/松村翠

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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