「会話力が高い」ことと「ただのおしゃべり」は違う?精神科医が教える、コミュニケーション力の高め方
「ネガティブな会話の後はイヤな気持ちになる」「自分の言いたいことが言えなかった」と、つい人の話に引きずられて会話のあとにモヤモヤした経験はありませんか? 今回は益田裕介先生の著書『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』(フォレスト出版)を参考に、精神科医が実際に行っている話し方・考え方を教えてもらいましょう。
「他人だから」と割り切る意識も大切
精神科医がたくさんの患者さんの話を聞いても落ち込まずにいられるのは、家族や友人とは違う「他人だから」という意識を持っているからだそう。どのような現実やトラブルにも「そういうこともある」と思うことが大切です。
精神科医は1日7~8時間、週5日、患者さんの話を聞いています。そのため、患者さんの話に引きずられて毎日落ち込んでいると仕事になりません。決して無責任ではなく、医学や治療にはさまざまな限界があります。「今の医学ができることを最大限やる」という治療者の常識を持ち、割り切って患者さんと接しているそうです。会話力には相手の話に引きずられない割り切った意識も大切なのですね。
会話力が高い=コミュニケーション力が高いと評価
相手の話に引きずられないために、会話力を磨きましょう。日常の中で「会話力の高い人」に出会ったことはありませんか? 悩みにあった商品を勧めてくれる営業マン、仕事の悩みを聞いてアドバイスをくれる友人など、会話力が高い人は「コミュニケーション力が高い」と評価されます。さらに、人間は社会的動物ですのでコミュニケーション力が高い方が優秀と見なされます。
「会話力が高い」ことと「ただのおしゃべり」は違います。ただ喋っているだけでは「何のための会話?」「何が言いたいの?」となってしまいがち。会話力を元に相手とコミュニケーションをとるには技術が必要です。
会話の成功のカギは「準備」にある
精神科医が患者さんとお話しをするときにも会話の技術を使い、患者さんと会う際には前もって「準備」を行うそうです。日常の会話シーンでも「うまく会話を成立させたい」「相手に好印象を与えたい」のであれば、しっかり準備してから臨むとよい結果が得られるでしょう。
必要な準備は、まず「目的(ゴール)を明らかにする」ことです。できる限り具体的に設定することがポイントです。精神科医の例で言うと、過食嘔吐の患者さんには「病気を治す」目的ではなく、「適正体重に戻す」と設定したほうが「何をすべきか」が見えてくるでしょう。目的を持って話しをすることで、人の話に引きずられない聞き方・話し方が身につくはずです。最初はうまくいかないかもしれませんが、何度もくり返し実践してみるとよいでしょう。
『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』著者/益田裕介医師(早稲田メンタルクリニック院長。精神保健指定医、精神科専門医・指導医)
岡山県出身、防衛医大卒。2019年12月よりyoutubeチャンネル「精神科医が心の病気を解説するCh」を配信開始。日々、精神疾患や治療法、カウンセリング技法などの解説を行なっている。チャンネル登録者数は32万人を超え、1日の再生回数は平均20万回以上(2022年7月時点)。また、患者さん同士がオンライン上で会話をしたり、相談ができるオンライン自助会を2022年3月24日より主催・運営するほか、精神科領域のユーチューバーを集めた勉強会なども運営している。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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