【男性の更年期障害、どう対処する?】男性更年期障害の治療法と自分でできる男性ホルモンを増やす対策
更年期は女性にだけのものというイメージがありますが、実は男性にも更年期があります。男性ホルモンの急激な低下によって起こる男性更年期症状ですが、実は命に関わる可能性のあるケースもあり、決して知らなかったでは済まされません。男性更年期の症状や原因、注意点などをお伝えしたこちらの記事に続き、今回は男性更年期症状への対処法や男性ホルモンをアップする簡単な方法について紹介します。
受診を迷ったらまずチェック表で症状の状態を確認
女性ホルモンの急激な低下によって起こる女性の更年期症状と同様、男性の更年期症状も男性ホルモンの急激な低下がきっかけとなって起こります。その症状は200〜300種類もあるとされ、症状の重さも人によってさまざまです。その症状によって日常生活に支障を来すようになると「更年期障害」と呼ばれ、ぜひとも受診をしていただきたい状態です。
ではいったい、どのような状態が医療機関を受診する目安になるのでしょうか。その目安として使いたいのが、男性の更年期症状を自己チェックする加齢男性症状調査表「AMSスコア( Heinemann`s Aging males’ symptoms (AMS) rating scale)」です。
こちらはドイツ人の医師ハイネマン氏が作成したもので、「総合的に調子が思わしくない」「ひどい発汗」などの女性更年期症状と同様の症状や、「早朝勃起(朝立ち)の回数の減少」「性欲の低下」などの男性特有の症状、「不安感」「憂うつな気分」などの精神症状、が一覧になったチェック表です。当てはまる重症度を選び、点数を合計することで、自分の症状がどの程度なのか知ることができ、また、受診の目安にもなります。
合計得点が50点以上の場合は、男性更年期外来(主に泌尿器科にあります)や泌尿器科を受診しましょう。
男性更年期障害の治療法
受診をした場合、症状をAMSスコアで確認するほかに、男性ホルモンの量などをはかる血液検査が行われ、血液1ml中のテストステロンが300〜320ng以下が基準になります。さらに心身症状が強く現れている場合に、男性更年期障害の状態として、正式には「加齢男性性腺機能低下症候群(late-onset hypogonadism syndrome:LOH症候群)」と呼ばれます。男性更年期障害と診断された場合に行われる治療は、大きくわけて2つあります。
●ART(男性ホルモン補充療法:androgen replacement therapy)
男性ホルモン(テストステロン)を補充する方法です。注射薬のほか、経口薬、皮膚吸収剤(貼り薬)などがあります。
●漢方薬
漢方薬を使って、テストステロンが働きやすい体質環境を改善させていく方法です。
また、運動と食事などの生活習慣の改善はとても重要です。基本的な生活習慣に勝る薬はありません。規則正しい生活、適度な運動、バランスのよい食事、十分な睡眠時間、さらには何か生きがいを見つけて楽しむということが男性更年期障害の対策に大切なポイントです。
AUTHOR
永田京子
株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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