【肌荒れタイプ別】アーユルヴェーダ的、美肌をつくる食事|化粧品ではなく食事で肌を整える方法とは?
肌が荒れていると鏡を見るたびに憂鬱な気分になったり、自信を持って人の顔を見れなかったりしますよね。アーユルヴェーダでは、美肌に導くハーブパックなどの外側のケアもありますが、何より重要なのは体内に栄養が行き届いていることだと考えます。アーユルヴェーダ著者のアカリ・リッピーが肌トラブル別のケアについてお話しします。
アーユルヴェーダにおける「肌」とは?
アーユルヴェーダとはインド・スリランカ発祥のハーブのお薬やオイル、日常の食生活によって心身の不調を治す伝統医療です。アーユルヴェーダは病気を治す医学ではありますが、その範囲には健康促進法やアンチエイジング、美容法も含まれます。
アーユルヴェーダにおいて、美肌の鍵になるのが「ラサ」と呼ばれる血液のことです。ラサとは現代医学的に言うと血漿成分のようなもので、食べ物が消化・吸収されてできた栄養素が豊富に含まれた液体のことを指します。
このラサが全身の細胞に栄養を届け、美しい肌が作られるのですが、栄養不足でラサが少なかったり、脂っこい食事を食べてラサがドロドロになると、肌トラブルが出てきます。ということは、肌がどういう状態であるかというのには、「何を食べるか」と「体内で消化吸収が適切にできているか」の2つが非常に重要であるということです。
「肌」とドーシャ
また、肌トラブルに関して言うとドーシャの影響も考える必要があります。アーユルヴェーダでは3つのドーシャと呼ばれるエネルギーが心身の働きを司っていると考えます。簡単に言うと、体の呼吸や循環などの働きや、心の怒り、悲しみなどの働きは、このドーシャによって動かされているということです。
ドーシャには、ワータ・ピッタ・カパの3つがあります。ワータは、風に例えられる動性のエネルギーで、体内では筋肉を動かしたり、血液を動かしたり、というように現れますが、乾燥性の性質を持つので、肌では乾燥肌として現れます。ピッタは、火に例えられる熱と光のエネルギーで、体内では体温や消化の働きとして現れますが、炎症を引き起こす性質を持つので、肌ではニキビや赤み、湿疹として現れます。
カパは、水に例えられる結合のエネルギーで、体内では骨や筋肉などの体の組織を作る働きとして現れます。肌、そして前述した「ラサ」もカパをメインに作られているため、カパのエネルギーが強い人は強い肌、なめらかな肌を持っています。
肌トラブル別、食べるべきもの
では、ここまでアーユルヴェーダにおける肌の考え方をざっくりとご説明したのですが、続いて、肌トラブル別のケアについて書いていきたいと思います。
肌の乾燥
肌の乾燥はドーシャでいうとワータ(風のエネルギー)の悪化と考えられます。もともとの体質でワータエネルギーが高い人は、乾燥肌になりやすいですし、ワータ体質の人でなくても、生活習慣や食事によってワータが悪化すると肌が乾燥してきます。そこで肌の乾燥にはワータを鎮静する食べ物が良いです。
ワータを鎮静する食べ物は、脂質が含まれる肉・チーズ・魚などの動物性の食品です。また、甘みのある野菜として人参やトマトなどもワータの鎮静に良いです。
現代的には、肌の乾燥はビタミンAの不足と結びつけて考えられるのですが、ビタミンAが豊富な食べ物は卵、肉、チーズ、魚、かぼちゃ、人参、ほうれん草などですから、ワータを鎮静する食べ物と重なるものも多いですね。
湿疹
湿疹は色々な原因があり、一概に1つのドーシャの悪化とは言えません。ワータとピッタの悪化が関係していたり、カパが関係していたり、と原因と湿疹の出方によってどのドーシャが悪化しているかは異なります。現代医学的には、ビタミンB2が不足すると、口角などに赤みや湿疹が発生したり、まぶたの炎症を起こすことがあると言われ、また、ビタミンB3の不足でも、赤みや痒みのある湿疹を引き起こすことがあります。
赤みや痒みのある湿疹はアーユルヴェーダでは、ピッタエネルギーの悪化に結び付けられます。ピッタを鎮静する食べ物は、牛乳、きのこ、ギーなどですが、これらはビタミンB2もB3も豊富ですからぜひ食べたい食材です。
しわ
加齢とともにしわができるのは自然な老化現象ですが、年齢に比べしわができやすい場合はワータドーシャの悪化として考えられます。
しわの原因は摩擦や表情ジワ、紫外線など様々ですが、しわの原因となるフリーラジカルと戦う脂溶性ビタミンであるビタミンEが不足するとしわができやすくなります。ビタミンEはナッツやブロッコリーに多く含まれています。
アーユルヴェーダ的には、ワータの鎮静は前述した動物性食品や甘みのある野菜も良いですが、さらに付け加えるなら「油」の摂取が大切です。食事で取り入れるならギー、外から取り入れるならごま油のオイルマッサージと、油分が不足しないように気をつけましょう。
もちろん、これらの食材を食べれば良いというわけではなく、何事もバランスです。タンパク質・ビタミン・脂質・糖質偏りがないように食べましょう。
AUTHOR
アカリ・リッピ―
アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。
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