【人生100年時代の生き方】病気リスクを過度に恐れる人に伝えたい、新見正則医師流・健康への考え方

 【人生100年時代の生き方】病気リスクを過度に恐れる人に伝えたい、新見正則医師流・健康への考え方
Adobe Stock

皆さんはご自身のどのような状態を「健康」と捉えていますか? 人によってイメージが違い、「日々不安なく過ごすこと」「怪我や病気をせずに過ごすこと」など、その実態は実に曖昧なもの。それゆえ、世間にはさまざまな健康情報や方法が溢れています。情報に煽られて「健康」を過度に怖がる人もなかにはいるでしょう。今回は、オックスフォード式健康法を提唱する新見正則先生に健康法の選び方をうかがいました。

広告

人は所詮死ぬから「楽しく生きられりゃいい」、それが健康

健康とは、「健康でいること」=「長生きすること」とすると、死ぬまで結果はわかりません。私は、健康に正しい答えはなく「楽しく生きられりゃいい」くらいでよいと考えています。

最近は、メディアやSNSが健康のリスクを大げさに表現し、視聴者の不安を煽ることもあります。真に受けた視聴者の中にはリスクを恐れるあまり「これは健康に良い・悪い」と分類して、「日々健康に良いと言われていることをする=健康」と考えてしまう方もいます。しかし、健康を害するリスクは日々の行いだけでは排除しきれません。たとえば交通事故で年間およそ3,000人が亡くなっています。交通事故関連の怪我や後遺症を含めるともっと多くの人がある日突然「健康ではなくなった」ということになりますが、健康のリスクを怖がりすぎる人は、一方で交通事故によるリスクは特に考えていないように思います。

元気に超したことはないけれど、人は所詮死にますから。健康に関して無理に怖がる必要はありません。「好きだからやるんだ」という強い意志があれば、健康に良くないことでも本人にとっては良いのではないでしょうか。たとえば、タバコを吸うとか、冬山に登るとか、それが原因で死んだとしても「いや、好きで楽しく生きたからいいんだ」と。逆に、強い意志がないのにしかたなく健康に悪いことをしていますという人が周りにいれば、後悔や不幸につながりますから止めてあげてください。

自分が「楽しく生きる方法」ということにすると、健康の見方が変わると思います。「テレビで芸能人が健康に良いと言っていたから」と言って、痛みがあったりお金がかかったりする方法を無理して続けるのは本当に健康に良いと言えるのでしょうか。健康法はどんな情報も鵜呑みにせず、メディアリテラシーを持って「自分が納得して気持ちよく続けられる方法」を行うことが大切です。どんな方法にも人によって合う・合わないがあるので、ご自身に合った方法で気持ちよく続けられるのであればやってみる価値はあると思います。その健康法で「楽しく生きられりゃいい」んです。

参考:内閣府.第1編陸上交通.第1部道路交通.第1章道路交通事故の動向.第2節令和3年中の道路交通事故の状況.(2022年11月4日閲覧)

教えてくれたのは…新見正則先生
オックスフォード大学医学博士。外科医x免疫学者x漢方医としてレアな医師として活躍中。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。院長を務める新見正則医院では、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアを基本処方にして漢方薬を加えて、各種のがん疾患や難病・難症に対応。著書『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』(新興医学出版社)はAmazonでベストセラーに。

広告

取材・文/松村翠

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



RELATED関連記事