【人間関係リセット症候群】リセットしたくなる心理とリセットされた時の対処法|臨床心理士が解説
人間関係をリセットする前にできることは?
完璧主義になっていない?
『こうすべき』『こうあるべき』というような完璧主義の思考が強くなると、人にだけでなく自分のことも縛りやすくなってしまいます。例えば、これをしたら自分の印象が悪くなってしまうかもしれない、あんなことをしたから嫌われたに違いない、伝えても分かってくれないに決まっているなどです。そういった思いが募っていくと自分の中で抱えきれなくなり、『関係を断ち切ればいい』といった思考に陥りやすくなります。最初はなかなか難しいかもしれませんが、『必ずしも〇〇じゃなくてもいいかもしれない』とか『他の考え方もあるかもしれない』という視点を頭の片隅に置いてみて。
自分の弱いところやネガティブさを表現してみる
完璧主義が強い傾向にある人は、自分の弱さやネガティブな気持ちを外に出すのはいけないこと、あるいは怖いと思っているケースが多いように思います。確かに、誰かにその気持ちを伝えるとなるとハードルが上がってしまうかもしれ無いので、まずは自分だけが見られる形で表現してみてはどうでしょう?例えば、紙に書き出してみる、ケータイのメモ機能やS N Sのアカウントに鍵をかけて誰もフォロワーがいない状態でつぶやくなど。そうして外に出すだけでも、心が軽くなると思います。また、表現しているうちに『人間関係をリセットしたくなる時はこういう感情になっている時が多い』『こういう場面で、あるいはこういうタイプの人と葛藤しやすい』など、新たな気づきが見えてくるかも。
自分の声に耳を傾けて
いつも似たような場面で葛藤を感じたり、あるいはいつも似たような人との関係で悩むのであれば、本心では求めていない関係なのに、自分の内側の声を無視して付き合っているという可能性も。そうしたことから距離を置くために、普段から自分の心の声や体の声を観察していくと良いでしょう。例えば、『言葉は見つからないけど、心の中にモヤがかかっている気がする』『この人に会うと身体のこの部分が緊張している気がする』といったように、自分なりのサインを見つけられると、必要以上に葛藤場面に出会うのを防ぐことができるかも
もし人間関係をリセットされたら?
慕っていた人から突然関係をリセットされるということは誰にでも起きうること。『なぜそんな事をするんだろう、許せない』『私が何かしたのかな』など、様々な思いが頭の中を過ぎると思います。残念ながら、人間関係において絶対的な正解はありません。なぜなら、自分は正しいと思っていても相手はそれを正しいと思っていないかもしれないし、それは逆も然りだからです。自分だったらリセットを選択しないかもしれないけれど、相手にとってはそれしか選択肢がなかったのかもしれません。また、何が真実なのか知りたかったけど分からなかったというようなモヤモヤ・後味の悪さを残してしまうこともあるでしょう。こういった場面を乗り越えていくためには、
□自分の中にある感情や傷つきを誰かに話してみる
□『リセットしたら、それは悲しいし傷つくよね』と自分に声掛けする
□あえて今起きていることに意識をむけ、日常生活をていねいに過ごしてみる
□自分の心が安らぐ場所、人と会う
というように、まずは自分の中で安心・安全を感じられる環境を選び、傷つきを癒してあげることを優先していきましょう。
自分自身に苦しさはない?
人間関係に葛藤や悩みを感じることは誰にでも起きる可能性があり、相性が合わない人や価値観の違いによって対立したりすると、『この人とはもう関わりたくない!』と思ったり、距離を置こうとするということもあると思います。あるいは自分を傷つける人から身を守るために関係を断つということもありえます。なので、人間関係をリセットすることが必ずしも悪いこととは言えません。しかし、リセットを頻繁に行ってしまうことによって、生きづらさを感じているのであれば、一度そのことについて考えてみてはどうでしょうか。この記事を読んでくださった方が、自分なりの落とし所が見つかることを願っています。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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