人付き合い、話し合い…嫌なことを回避してしまう人に知って欲しい対処法|臨床心理士が解説

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人付き合い、話し合い…嫌なことを回避してしまう人に知って欲しい対処法|臨床心理士が解説

石上友梨
石上友梨
2022-11-05

みなさんは、回避してしまう癖はありますか?嫌なことがあると回避してしまうのは普通のことです。例えば、犬にかまれた経験から、犬に触れないようにすること。親から厳しく叱られた経験から嘘をつくのをやめることなど、過去の経験に基づいて危険を回避するために必要な行動の一つです。しかし、回避することで問題がよりややこしくなったり、別の困り事が増えたりと、対処行動のはずだった回避で自分の首を絞めてしまうことがあります。今回はそんな回避を認知行動療法で対処する方法をご紹介します。

回避が問題になるのはどんな時?

回避は対処行動の一つです。危険を避けるために治安が悪い場所を歩かない、自分を傷つけるような人との関わりを避けるなど、自分のためになる回避行動は良いですが、回避が別の困り事を生み出してしまう場合があります。例えば、人と話すなど社交場面が苦手な人が、人付き合いを避け、その孤独感からアルコール依存になってしまう。人前で何かをするなど注目される場面が苦手な人が、会議を欠席してしまい評価が下がる、会社に行けなくなることなどです。このような外せない場面は何とか出来ても、対人関係の中で小さな回避をしてしまう場合もあります。例えば、彼氏や友人と喧嘩をした際に、話し合いを避けることです。なんとなく仲直りしても問題は解決していないため、モヤモヤや不満感が残ります。相手も、あなたが何を考えているか分からないなど、不信感を感じるかもしれません。このような小さなすれ違いをうやむやにし、その積み重ねで関係が悪くなってしまう場合があるでしょう。

回避する代わりに認知行動療法で対処しよう

あなたがついつい回避をして、問題がややこしくなったり、新たな困り事を生み出していることに気づいたら、「考え」「行動」にアプローチする認知行動療法で対処をしてみましょう。

1)回避してしまう場面でどのような辛さがあるのか整理する

あなたが「人と会うのを避ける」などの場面でどのような辛さがあり、その結果として回避行動につながるのか整理しましょう。

例えば、ドキドキ、息苦しさ、腹痛や頭痛などの身体の感覚。「否定される」「もっと怒られる」「別れようと言われる」「失敗する」「おかしいと思われる」「嫌われる」などの考え。不安、緊張、不快、イライラなどの感情。

私たちはストレス場面で、最悪の事態を想像したり、ネガティブな事実ばかりに注目したり、視野が狭くなってしまいます。まずは客観的にどのような辛さがあるのか整理します。

2)辛い感覚や感情をやわらげるためにリラクゼーションをする

どのようなリラクゼーション方法でもいいです。例えば、ゆっくりと長く息を吐く呼吸法、マインドフルネス瞑想、ヨガやストレッチ。気持ちが落ち着くもの、リラックスできるものを選びましょう。

3)考えにアプローチする

先ほど整理した結果、いつもよりネガティブな考えや視野が狭い考えになっていることに気づきましたか?もしそうなら、考え方にアプローチしましょう。例えば、悲劇的な未来を想像しているなら、それが実際に起こる確率を考えてみましょう。心配が過去に現実となったことはどれくらいあるのでしょうか?ここで無理やりポジティブに考える必要はありません。ポイントは、現実的な考えをすることです。また、「同じ状況で友人が困っていたら何てアドバイスするか?」など視点を切り替えて考えてみてもいいでしょう。

4)別の行動を試す

最後に回避するのではなく、回避しない行動を取ります。例えば、喧嘩した際に避けずに話し合いをしてみる。自分の気持ちを抑えずに、少しずつ自分の気持ちや考えを言ってみる。完璧主義で完璧にできない行動を避けてしまうのなら、わざと失敗や手抜きをしてみるなど、避けている場面を練習のつもりで実行します。話し合いなど、対人関係の中で練習をする際は、相手選びは重要です。あなたのことを理解し、受け入れる気持ちがある人と練習してみましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。

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