Twitterで不快な言葉と出会ったら?嫌な気分を引きずらないためにできること|臨床心理士が解説
Twitterは誰でも気軽に発信できる便利なSNSです。 しかし、誰でも発信できるからこそ、ツイートの内容は玉石混淆。他人をバカにしたツイートや不快感を煽るようなツイートと出会ってしまうこともあります。そんなツイートを見てしまうと、なんだか嫌な気分になってしまいますね。 そこで今回は、Twitterでネガティブな気持ちになったときにできる対応をご紹介します。
まずは気持ちを落ち着けよう
まずは嫌な気分への応急処置。不快なツイートで傷ついた心をケアしましょう。
バタフライハグ
両腕をクロスさせて自分を優しく抱きしめます。指で肩や鎖骨のあたりをトントンと優しくタッチします。心が落ち着くまで1~2分程度続けてみましょう。
筋弛緩法
両手に力を込めてぎゅっと握ります。10秒経ったら力を抜いて、ゆっくり手を広げます。腕・肩・顔・足なども同じように力を入れる→力を抜く…という作業を繰り返すとリラックス効果があります。
Twitterから離れよう
応急処置で穏やかさが戻ってきても、まだ心は弱っています。
心が弱っていると、いつも以上に情報をネガティブに受け取りやすいもの。また、いつもなら言わないような攻撃的な言葉が出てしまい、炎上してしまうこともあります。しんどい心とTwitterの相性は良くないのです。
元気になるまでのあいだ、Twitterから離れてみましょう。海外の研究では、TwitterをはじめとするSNSを1週間休むだけで、うつや不安が改善されたというデータもあります。*1
「暇ができると、どうしても見てしまう…」という場合には、アプリを消したり、ログアウトしたりして、簡単に見られないようにすると距離を取りやすくなります。
不快なツイートは受け取り拒否!
仏教の開祖であるブッダは、人から投げかけられる悪口を「食べ物」にたとえました。
もし、家族や親戚の家に招待されて食べ物を出されても、食べなければ残った食べ物はその家に残るだけ。同じように人から言われた悪口も受け流して無視すれば、その人のもとに戻るだけである、と。
Twitterの不快なコメントも、わざわざ受け取る必要はありません。受け取り拒否して、ツイートした人のところへ帰ってもらいましょう。ここでは不快なツイートを受け取らないためにできる3つの方法をご紹介します。
ミュート機能を活用する
特定の人のツイートや特定のキーワードが負担になるなら、ミュート機能を活用して出会う機会を最小限にしておきましょう。「避けられるなら避ける!」がストレス軽減の鉄則です。
車窓からの景色をイメージ
電車から見える景色はどんどんと後ろへ流れていきますよね。不快なツイートを見かけたら、同じように後ろへと流れていく様子をイメージしてみましょう。
「空をただよう雲」「小川を流れる葉っぱ」などのイメージも使えます。
紙に書いて捨てる
不快なツイートでモヤモヤした気持ちは、紙に全部書き出してみましょう。
書き出したら破いて捨ててもいいですし、燃やしてしまっても大丈夫。自分のなかに留めないことが大切です。
Twitterの外にも楽しみを
Twitter以外に楽しみがないと、不快なツイートに対して「自分の大切な場所を傷つけた」と感じ、許せなくなってしまいます。Twitterの外にも楽しみを見つけておきましょう。
「何が楽しいかわからない」「やってみたいことがない」という人は、いつもと違うことから始めてみるのがおすすめ。
たとえば、
・いつもと違う道を選ぶ
・入ったことのないお店に行く
・食べたことのないお菓子を買う
などです。自分にとってハードルの低いことからチャレンジしてみてください。
Twitter内の閉ざされた世界だけでなく、もっと広い世界があることを再確認できれば、Twitterへの依存度を下げやすくなるでしょう。
おわりに
本来のTwitterは住んでいる場所・年代・性別を問わず、いろいろな人と出会える楽しいSNSです。ネガティブなツイートとは距離を取り、上手に活用していきましょう。
参考資料:
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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