朝におすすめ「温めて巡らせる」薬膳3選|管理栄養士の健康痩せごはん【4ヶ月チャレンジ】
アスリート専属管理栄養士として活動する石松佑梨さんが提案する、ダイエット朝ご飯。今回は血流改善をテーマにした食トレです。
温めて巡らせる"血行促進ダイエット"
血液は全身に酸素や栄養を送り届け、不要となった二酸化炭素や老廃物を回収しています。貧血になると細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、十分にエネルギーを作れなくなってしまうのです。エネルギーとなれずに余った栄養は体脂肪として蓄積されます。また、老廃物を排出できないことも代謝を下げる原因となるでしょう。
日本人女性の多くはかくれ貧血です。たとえば、出勤時に階段を少し登っただけで息切れしたり、お風呂で髪の毛がたくさん抜けたり、夕方過ぎるとドライアイがひどくなったり、ベッドに入ると不安になって眠れなかったり…と、これが当たり前になっている人も多くいます。長年付き合ってきたかくれ貧血とおさらばできれば、心も体も健やかで、かつ燃費のいい体質になれるのです。
"貧血予防+温巡"
この時期「貧血」とともに対策したいのが「冷え」です。
冷えを引き起こす原因はさまざまです。そもそも寒い日に体が冷えるような服装をしているのであれば、真っ先に見直しましょう。このほか、女性ホルモンや自律神経の乱れ、ストレス、運動不足などは血行不良をもたらし、冷えを悪化させます。血液によって送り届けられた酸素や栄養を使って、細胞ではエネルギーや熱が作り出されています。血行不良は冷えを招きますし、冷えはさらに血行を悪化させるという悪循環を生じてしまうのです。
ここでは温めて、さらに巡らせる「温巡」についてご紹介します。
朝におすすめ「温巡」薬膳3選
薬膳では食材の性質に、体を冷やす「寒涼性」、体を温める「温熱性」、体を冷やすことも温めることもしない「平性」があります。普段から冷えやすい体質の人は、食事に平性や温熱性の食材を取り入れるほか、寒涼性の食材には温熱性の食材を組み合わせてみるなどの工夫をしてみましょう。
①納豆ごはん+ネギ
納豆(温性):血行を促し、冷えを改善します。納豆の酵素ナットウキナーゼは血栓を溶かし、血液サラサラに! また、豊富なマグネシウムは血管をしなやかに保つ働きがあります。
ネギ(温性):発汗作用があり、体を温めて血液の巡りをよくします。臭い成分アリシンには動脈硬化を予防する働きがあります。
米(平性):胃腸の機能を高め、栄養吸収しやすい体制を整えることで貧血の改善をサポートします。
②くるみパン+南瓜サラダ
くるみ(温性):豊富に含まれるα-リノレン酸は、体内で動脈硬化や血行促進効果のあるEPA(イコサペンタエン酸)に変換されます。α-リノレン酸、EPAともに積極的に摂りたい必須脂肪酸です。非常に酸化しやすい脂肪酸ですが、ビタミンEがそれらの酸化を防いでくれます。
南瓜(温性):胃腸の機能を高め、栄養吸収しやすい体制を整えることで貧血を改善します。また、抗酸化作用のあるビタミンACEがコレステロールの酸化を防ぐことで動脈硬化予防に働きます。
アーモンド(平性):南瓜サラダのトッピングにおすすめしたいのがアーモンドです。α-トコフェロール(最も活性の強いビタミンE)が多く含まれ、強い抗酸化作用が気血の巡りをよくしてくれます。
③チキンスープ+生姜
手羽先(温性):豚肉、牛肉は平性ですが、鶏肉には体を温める働きがあります。胃腸を温めて機能を高めることで、血液の材料である栄養(鉄やたんぱく質)がしっかり吸収できるようになります。また、鶏肉でも骨部位には鉄分が多く含まれているので、骨エキスごといただけるスープ料理はおすすめです。
生姜(温性):加熱した生姜は体を芯から温め、慢性的な冷え性も改善します。
ネギ(温性):発汗作用があり、体を温めて血液の巡りをよくします。
いかがでしたか?
血流は4ヶ月〜半年ぐらいで改善できるものです。冬がんばったら、春には違うわたしが待っていると思うとワクワクしませんか。何かを始めたいと思っている方は、ぜひこの冬一緒にチャレンジしましょう。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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