心理カウンセリングって何?効果はあるの?心の専門家・臨床心理士がその疑問にお答えします
コロナ禍による外出制限や先行きの見えない状況でのストレスにより、心のケアのひとつである心理カウンセリングに対しての理解や興味が以前に増して深まっているように感じます。しかしその一方で、『カウンセリングに行く=ひどい状態なの?』とか『どんな悩みなら行ってもいいの?』といった戸惑いの声も。心理カウンセリングとはどんなものなのか、どんな時にいくと良いのかなど、心理カウンセリングの実情を臨床心理士である筆者が解説します。
そもそも心理カウンセリングって?
心理カウンセリングと聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?海外ドラマなどにはよく登場するワードなので、すぐにイメージがわく人もいれば、逆にイメージがわきづらい人もいるかもしれませんね。心理カウンセリングとは、心理学的な専門知識を持つ心理カウンセラーと困りごとを抱えている相談者が主に対話を通して、困りごとを解決する方法やその道筋について一緒に考えていくプロセスのことです。ここでポイントとなるのは『一緒に考えていく』というところ。心理カウンセラーが相談者に一方的にアドバイスするのではなく、受容的に相談者の話を聴き、それに対して質問をする、心理カウンセラーが感じたことを伝えるなどの工程を通して、相談者が
・気持ちの整理をする
・自己理解を深める
・自分自身で新しい気づきを得る
・これまでとは違う新しい行動をとってみようとする
といったことができるようにサポートをするのが、心理カウンセリングの目的なのです。
心理カウンセリングを受けるメリット
問題との向き合い方が変わる
心の不調が起きた時、状況によっては休養を取ったり、薬での治療が有効であり必要な時もあります。しかし、心の不調の背景には人間関係や自分自身の性格、思考・行動パターンが影響していることも多く、そういったケースの場合、休養や薬の治療だけでは根本的な解決や再発予防が難しいことも。心理カウンセリングを通して自分自身をふり返ることで、問題との向き合い方やこれからの行動に新たな視点が生まれやすくなります。
自信を取り戻す
例えば誰かに悩みを相談した時、自分の想いや考えを否定されてしまったり、必要としていないアドバイスをされたりしたことはありませんか?相談される側も『嫌な思いをする前になんとかしなきゃ』とか『相談されたなら答えを与えなきゃ』という心理が働いて良かれと思って行っている場合がほとんどなのですが、相談する側としては『ただ聞いて欲しかった』とか『自分の中では答えがあるのに・・・』と思ったりしますよね。心理カウンセラーは、相談に対してジャッジなく肯定的に聴くという訓練を受けているため、心理カウンセリングを受けたことがある人からは『自分の気持ちをありのままに受け止めてもらえた』という感想を多く聞きます。自分の気持ちを受け止めてもらえるだけでも心が軽くなったり、少し自分に自信を持てたりしますよね。
自分の強みや長所の発見
心理カウンセラーは客観的な立場で相談者のことを見て、そういった視点から気づいたことを伝えます。それによって自分では短所やコンプレックスだと思っていたことが、実は長所や強みだったなど、今までとは違う自分への見方が生まれるかも。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く