「話が長い友人に困っている…」そんな時はどうする?|臨床心理士が答える【心のQ&A】

 「話が長い友人に困っている…」そんな時はどうする?|臨床心理士が答える【心のQ&A】
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南 舞
南 舞
2020-12-16

臨床心理士でありヨガ講師である筆者が皆さんの悩みにお答えするシリーズ。カウンセリングやクラス、SNSなどの中で皆さんから頂いた質問について、心理学の知識やカウンセリングの手法、ヨガのマインドに基づきながらお話ししていきます。

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相談「話が長い友人に困ってしまう…」

Q:友人や周囲の人から悩みを相談されることが多いのですが、一方的に話し続けられたり、長時間に渡ることも多く、気づけば自分の時間が減っているなんてことも。相手からは『私の話ばかりしてしまってごめんね』と謝られたりするので、無下にもできず・・・。正直疲れてしまいます。こんな時ってどうしたら良いのでしょうか。

友達に時間を"盗ませない"ためにできる3つのこと

A:友人を始め、周りの人たちから相談を受けることが多いとのこと、きっと質問者さんは思わず話したくなってしまうような雰囲気や『話を聞いてくれる』という印象を持たれやすいのでしょうね。しかし、それが長時間になり、かつ質問者さんの時間までも減ってしまっているという状況が今後も続いていくと、質問者さんに大きな負担がかかってしまうのではないかと思い、心配しています。

ここでヨガ哲学の中からの話をひとつ。ヨガの八支則、第一段階のヤマ(してはいけないこと)の中に【アスティヤ(不盗:盗まない)】という教えがあります。これは物質的なものはもちろん、時間や機会も当てはまります。これを質問者さんの状態に当てはめると、お友達は質問者さんの時間を盗んでいるということになっています。こうして聞くとちょっとびっくりしてしまうかもしれませんね。お友達に時間を盗ませないためにも、今のこの状態は何とかしたいもの。

そこで私がオススメする方法のひとつが「この後予定があるから○分までは話せるんだけど、大丈夫かな?」など、最初にリミットを提示すること。一見冷たいように感じるかもしれませんが、こうした時間の枠組みを作ることは、カウンセリングの中でも大事されているプロセスです。話を聞くにも体力・気力が必要なので、ある程度ゴールがないと、聞き手側が疲れてしまいますから。そして、一方的に話し続ける人には「不安を自分では抱えきれない」といった心理的な背景が隠れていたりするので、話し終わった後には「今度ゆっくり話聞くからね」と添えてあげると、安心感を持ってもらえるかもしれません。とはいえ「リミットを提示するのはちょっと…」と抵抗感を覚える方もきっといると思います。そんな時にオススメするもう一つの方法は「積極的に話を聴く」こと。具体的には、相槌をうつ(うん、ああ、なるほど、そうなんだね など)に加え、一度区切って話をまとめてあげる(「たくさん話してくれたけど、〇〇ってことなのかな?」)などです。これらもカウンセリングの中で使われる手法のひとつ。ただ相手の話を聞き続けるのではなく、聞き手も積極的に反応してあげると、話の流れが変わってくることがありますよ。今日のポイントは「話をまとめる」「時間の設定をする」「積極的に聴く」こと。できることからやってみてくださいね。

ライター/南 舞

臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

Instagram: @maiminami831

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