【意外と知らない食品添加物】アイスなどに含まれている着色料って?知られていない役割や種類とは

 【意外と知らない食品添加物】アイスなどに含まれている着色料って?知られていない役割や種類とは
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アイスなどの色鮮やかな食品には着色料という食品添加物が使用されていることがあります。着色料は食品に色味をつけるものであるとはなんとなく分かっていても、実際はどんな役割がありどんな種類があるかご存じではない方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回は着色料の役割や種類について解説していきます。

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着色料とは?使用される目的について

着色料
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着色料は、食品を製造・加工する際に色をつけるために使用されるものです。

食品の色はさまざまな種類があり、食欲を増進させるといった効果があります。食品の色で判断して商品を選ぶ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、多くの食品は自然のままであると変色しやすく、長時間にわたり色を維持することが難しいといわれています。そこで、着色料を使用することで色味を調節して、食品の色をそのまま維持できるようにしているのです。

ただし、生鮮食品は着色料を使用すると鮮度の判断に影響が出る恐れがあるため、使用が禁止されています。

天然着色料と合成着色料の違い

着色料は大きく分けると「天然着色料」と「合成着色料」があります。

天然着色料は植物などの自然なものから抽出して得られる着色料であり、合成着色料は化学的に合成されてできた着色料です。合成着色料は食品に使いやすい特徴がありますが、日本では自然な色素を好む傾向があるため使用が減少傾向にあるといわれています。

どんな着色料があるの?着色料の種類を紹介

実際に使用されている着色料はどんなものがあるかが気になる方もいらっしゃるかもしれません。着色料の名前を知っておくと商品を選ぶ際に役立つかもしれませんね。

今回は天然着色料をメインにご紹介していきます。

ウコン
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ウコン色素(別名:クルクミン、ターメリック色素)

ショウガ科ウコンの根茎より抽出して得られる着色料です。主成分はクルクミンという鮮やかな黄色の色素で、カレー粉の色はこの色素によるものといわれています。スナック菓子や栗の甘露煮などの食品に使用されています。

カラメル色素

砂糖などの糖類やデンプンを加水分解したもの、糖蜜などを加熱して得られる色素です。製法の違いにより4種類(カラメルI、カラメルII、カラメルIII、カラメルIV)に分けられ、4種類いずれも同じような褐色をしています。また、カラメルには着色するだけではなく風味付けの作用もあり、風味付けとしてしょう油やソースなどに使用されることもあります。カラメル色素は清涼飲料水やお菓子、佃煮などの食品に使用されています。

クチナシ色素

カネ科クシナシの果実から得られる色素です。製法の違いにより3種類に分けられ、「クチナシ黄色素」「クチナシ青色素」「クチナシ赤色素」があります。クチナシ色素はアイスなどのお菓子や麺類などに使用されています。

カロテノイド

カロテノイドは動物や植物など幅広く存在する色素です。水に溶けにくく油に溶ける性質を持っています。また、酸化されやすく不安定であり、黄色、赤色、紫色を発色します。カロテノイドの中には、β-カロテンのように動物や人の体内でビタミンAに変わるものもあります。カロテノイドはアイスなどのお菓子やかまぼこなどに使用されています。

着色料の使用って確認できる?着色料の表示について解説

着色料
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食品添加物は一部の条件を除いて全ての食品に表示されることとなっています。着色料が使用されている場合は商品ラベルの原材料名の中に「用途名(物質名)」と記載されています。

例えば、カラメル色素が使用されている場合、原材料名のなかには「着色料(カラメル)」と表記されています。ただし、物質名に「色」という文字が含まれている場合は、用途名が省略されて「カラメル色素」を表記していることがあります。

気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

また、商品に使用されている食品添加物について詳しく知りたい場合は、原材料名と同じ枠内に記載されている製造者や販売者などに問い合わせすることをおすすめします。

天然色素
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着色料は人工的な色というイメージもありますが、動植物から得られる色素もあります。食品の色は食欲などに影響するため、着色料は気づかないうちに私たちの商品選択などに役立っているのかもしれません。

もし、着色料の使用が気になる人は商品のラベルを確認して商品を選ぶと良いでしょう。

【参考文献】

1:東京都福祉保健局 食品衛生の窓 「用途別 主な食品添加物 着色料

2:消費者庁「食品添加物表示に関するマメ知識

3:東京都福祉保健局 食品衛生の窓 「加工食品(添加物)

(全て2022年8月7日閲覧)

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AUTHOR

一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。



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