【更年期に重なる問題】「介護も育児も女性が…」古い価値観に押しつぶされそうな女性に伝えたいこと
更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
以前の記事でもお話ししましたが、母が入院しました。その間父が一人だったのですが、その父が熱中症になり、ケアをしていたら今度は次女の幼稚園がコロナのクラスターで閉園になりました。
更年期は自分自身体の変調を迎える時期であると同時に、人によって介護と育児のダブルケアの問題が重なります。仕事をしている人はなおさら大変になるでしょう。
ここで「娘さんが親のケアするのが当然」とか「やっぱり家族にケアしてもらうのが一番よね」「子育ては母親がするべき」といった古い価値観に押しつぶされそうになる更年期の方からのご相談を良くいただきます。
「悩みはないのですか?」という質問について
そういった方のお悩みを聞いている時、自分の日頃の状況を知っている人が「高本さん大変そうですが悩みはないのですか?」と聞かれることがあります。
それに対する私は「悩みはないわけではないけれど、課題だと思っています。だから悩みに対しては何を対処するかの行動を考えるので、立ち止まってグルグル悩むという意味では悩んでいないかもしれません」とお答えしてます。
私にも感情はありますから、悲しいことがあれば泣きますし、嫌なことがあったら不機嫌にもなります。不安を感じることもあります。しかし、そういった感情の中で「その状況を受け入れるか、変えるために行動するか」の二択で判断し、行動するようにしています。
更年期世代の女性へ…自分が幸せでいるために貪欲でいて欲しい
さて、先ほどのダブルケアの話になると、「自分でやる」「人にやってもらう」「何もしない」の3つの選択になるでしょう。そうなると家族なので「何もしない」というわけにはいかないので、「自分でやる」か「人にやってもらう」の二択になるわけです。
人によって「自分でやるか」「人にやってもらう」の線引きは金銭的・時間的・価値観の観点から様々だと思います。しかしそれが「自分にとって最適に線引きできているか」ということは一度振り返ってもらいたいのです。
例えばきちんと情報をとれば、介護に関しては行政サービスが使えます。お金を出せば別のサービスも使えます。大事なことは、「どんな選択肢があるか」の情報を入手し、そのうえで親と自分にとって一番良い選択肢を選べばよいのです。
全てを背負って押しつぶされそうになっているのであれば、また金銭的余裕があれば外部サービスを使っていけばよいと思います。
一番問題なのはそういった選択肢を選べるはずなのに「やっぱり娘である私がやるべきなのではないか」というバイアスで、本当は納得していないのに自分ですべて背負い込む状況です。そういった方が体調を崩されていくのを多数見ています。
今日も私が仕事をしている横で、早く帰ってきた小6の長女が次女の子守をしてくれています。夜ごはんのカレーも娘二人で作ってくれるそうです。
私が両親のことをしている時は夫が子供のことをしてくれます。
家族はチームなのですから、上手に周りの助けを求めながらこの難局を乗り越えてください。外部の力も借りましょう。そういった経験もあなたの宝物になっていきますよ。
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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