「嫌なことを言われても我慢してしまう」無理をして対人関係を続けている人に臨床心理士が伝えたいこと

 「嫌なことを言われても我慢してしまう」無理をして対人関係を続けている人に臨床心理士が伝えたいこと
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石上友梨
石上友梨
2022-06-14
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曖昧な伝え方をやめる

嫌なことや不快に感じることははっきりと断りましょう。例えば、お茶のお誘いが来て、「また愚痴を聞かされるのだろうな」と憂鬱な気持ちになりながらも、「タイミング合えば行きたいな⋯」など曖昧な断り方をしていませんか? 曖昧なままでは断りきれず、何かの流れでお茶をすることになってしまうかもしれません。自分の心の健康を守るためには、曖昧な表現ではなく、はっきりと伝えることも必要です。自分の心を大切にして、「忙しいからやめておきます」と相手の要求を断ったり、対等性を求めるために「今回は私の愚痴を聞いてね」とお願いをしてみましょう。相手と会うことに気が進まないのは、相手との関係を見直すサインです。それを見ないふりしていると、あなたの心はどんどんすり減ってしまうでしょう。

心配な相手には専門家を紹介する

もし自分が話を聞かないことで、「相手がどうなるのか不安」「相手を見捨てることになるのでは」と心配でしたら、専門家に相談することを進めてください。専門家に相談すれば、あなたの負担は軽くなり、相手も今までとは違ったアドバイスが得られるかもしれません。あなたはできる範囲のことをやり、あとは専門家に任せましょう。

相手と距離を取る

相手と距離を取る際は、物理的な距離を取ってもいいし、心の距離を取ってもいいでしょう。物理的な距離とは、会う回数や接触する回数のことです。例えば、LINEやメールを律儀に返しすぎていませんか?もし、返すたびに不快な気持ちや傷つきがあるのなら、頑張って返信をせずに「ほどほど」を意識しましょう。もちろん仕事やあなたの生活に支障があるのなら検討が必要ですが、そうではないなら、会うことや連絡を取ることを止めたり、回数を減らしたりしてもいいでしょう。このように物理的な距離を取ることで、心が守れることが多いです。もし物理的な距離を取れないのなら、「この人は私にとって何も関係ない」「この人にどう思われても私のことを大切にしてくれる人は他にいる」と自分の心を守るような考え方をしたり、相手と接している時に目に見えないバリアーで自分を守っているようなイメージをしたりと、心の距離を取りましょう。

今回の記事を参考に、誰かのためにではなく、自分のために時間や労力を使いましょう。誰かのために時間や労力を使うのは、まずは自分を大切にしたその先にあるものだと思います。そして、その時間や労力はあなたに不快な思いをさせたり、傷つけたりする人ではなく、あなたのことを大切にしてくれる人に使いましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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