【自己批判から抜け出す方法】「あるがままの自分」を愛することはなぜ難しいのか?

 【自己批判から抜け出す方法】「あるがままの自分」を愛することはなぜ難しいのか?

自己批判を繰り返したことがあるなら、ここに抜け出す方法がある。

広告

私は自分のことをあまり好きではないことがわかった。−しかも口先だけで言っているわけではない。私は最近、「セルフ・コンパッション(あるがままの自分を愛すること)・テスト」を受けて、長い間そうだろうと思っていたことを確信したのだ。テキサス大学オースティン校の准教授で、セルフ・コンパッションの専門家であるクリスティン・ネフ博士が作成したオンライン診断で、様々な記述に1~5のスケールで評価するものである。

ステートメント11:「私は自分の性格の嫌いな面に対して不寛容でせっかちだ」。イエス。

ステートメント16: 「自分の嫌いな面を見ると、自分を卑下してしまう」。またしてもイエス。

ステートメント24: 「何かつらいことが起こると、その出来事を大げさに考える傾向がある」。 イエスを1万回。

全体として、私のスコアは2.47だった。テスト結果が1から2.5の間のスコアの場合、セルフ・コンパッションが低めであることを示す。(私はほぼ中程度であった。)これには驚きはない。私は時々、鏡の前に立って自分のあら探しをしているし、ヨガクラスでワシのポーズで転倒した自分を批判するし、もっと生産的に仕事ができない自分に罪悪感を感じている。謝る必要のないことでも、友達に謝るメールを送ってしまう。そして、毎日こんなことを繰り返している。実際、多くの人が同じようなサイクルに陥っている。では、どこに出口はあるのだろうか?

自己肯定感は自己批判に対する答えではない

自分にもっと優しくなれば、自己肯定感が向上するわけではない。「自己肯定感の問題点は、肯定的な判断をしばしば条件的に行っていることです。つまり、私たちは、自分が特別で平均より上であれば、自分を肯定的に判断します。平均的な人間であれば、自分を肯定的に判断しません」とネフ博士は言う。

つまり、成功しているときにだけ価値を感じているようであれば、実際にはセルフ・コンパッションを実践していないということを意味する。仕事で大きな昇進をしたときや、友人と楽しい会話をしたときに、自分に褒めるのは簡単である。しかし、仕事で失敗したり、口論になったりしたときには、そうはいかない。

セルフ・コンパッションはこの考えとは異なる。自己肯定感もセルフ・コンパッションも、無条件に実践するものだとネフ博士は言う。セルフ・コンパッションとは、良いときも悪いときも、そして醜いときにも、自分自身に優しくすることである。自己肯定感という概念から切り離すために、ネフ博士は、親友と同じように自分自身と話すことを考えるよう勧めている。ちょっとした失敗をした友人に対して「君はひどい人間だ」とは言わないいだろう。では、なぜ自分のことは違う扱いをすることが許されるのだろうか?

セルフ・コンパッションの課題

セルフ・コンパッションを学ぼうとするのは気がひけるかもしれないが、不可能ということではない、とネフ博士は言う。「全く新しい技術を学ぶわけではありません。親友にするのと同じように、自分自身にも対応する方法を学べば、それは本能的なものになるのです」と彼女は言う。

ありのままの自分を愛することの違和感は、私たちの“戦うか逃げるか反応”に起因していると彼女は言う。ミスをしたとき、私たちは不安が高まったときと同様の生理的反応をする。自分をおとしめたり、言葉で責めたりして、誤った規律やコントロールの感覚を保つことで、自分自身と戦うのである。あるいは、こわばってしまい、自己を恥じたり、孤立したりしてしまうのである。

臨床心理士の資格を持つアディア・グッデン博士によると、私たちはしばしば、より良くなるためには自分に厳しく、非常に慎ましくなる必要があると信じているそう。

「優しさをもって説明責任を果たすということがどういうことなのか、十分なロールモデルが身近にいないのだと思います。確かに私たちの多くの社会が明らかに懲罰的な傾向にあります」と彼女は述べる。グッデン博士は、「キャンセルカルチャー(特定の物事を否定する風潮)であれ、刑事司法制度であれ、私たちは間違いに対して非常に激しく反応する傾向があります」と述べている。厳しい批評を尊ぶ社会では、親切な説明責任を果たす余地はあまりないのである。

広告

By ELLEN O'BRIEN
Translated by Hanae Yamaguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



RELATED関連記事