LINEやチャット、メールでのコミュニケーションがうまくいかない人に知っておいて欲しいこと
LINEで気持ちのすれ違いを起こしやすいと悩んでいませんか?LINEやSNSのメッセージ等はとても便利なツールです。しかし、文章だけのテキストメッセージの欠点は、「気持ち」が誤って伝わる場合が多いことです。テキストメッセージのやり取りに悩む人は、今回の記事を参考にしてください。
テキストメッセージは気持ちが誤って伝わりやすい
テキストメッセージの欠点は、「気持ち」が誤って伝わる場合が多いことです。誤解がすぐに解ければいいのですが、このような些細なきっかけで人間関係がこじれてしまうこともあります。ひと昔前までは、対面の人間関係が生活の中心でした。しかし、今はオンラインだけの関係もあれば、オンラインからスタートして対面の人間関係に発展する場合があります。
私たちは、面と向かって話している時、ほとんど言葉を使わずに、気持ちのコミュニケーションをおこないます。例えば、表情や声のトーン、身振りや雰囲気などを通して気持ちの共有をします。時には表面的な言葉と、表情や仕草がずれていることもあります。友人が落ち込んでいる時に、「全然、大丈夫だよ」と言葉では言いながらも、節目がちで肩を落とし、悲しげで元気のない声で作り笑いを浮かべていたらどうでしょうか?おそらく、あなたは心配をするでしょう。
このように、私たちは言葉だけではなく、身体全体を使って互いの気持ちを伝え合います。コミュニケーションのほとんどは、無意識のうちにやっているので、テキストになると気持ちのやり取りが難しいことに気づいていない場合が多いです。友人からテキストで「全然、大丈夫」というメッセージが届いたら、本当に大丈夫なんだと思ってしまうかもしれません。
情報が不十分だとネガティブな解釈をしやすい
私たちの脳は、相手の気持ちなど十分な情報が得られない場合、自分なりに解釈をしてしまいます。分からない状態は不安です。そして、ぐるぐると考え続けることはとても苦しいことです。そのため、「こうに違いない」と結論を出してスッキリしようとするのです。メッセージの文章からも、書かれていないことまで想像して、相手の気持ちを解釈をしてしまいます。そして、回数を重ねれば重ねるほど、憶測に過ぎなかったものが真実のように思えてきます。例えば、恋人から「仕事が忙しいから今週末は会えない」と言われたとします。1回目は「大変だなあ」と思っていたものが、2〜3週続くとどうでしょうか。「本当はもう会いたくないのでは?」「嫌われてしまったかな」などとぐるぐる考え始め、「仕事が忙しいから今週末は会えない」という文章に、相手の「イライラ」「嫌悪」など書かれていない感情がまるで書かれているかのように感じてきます。
テキストメッセージをする際に注意すること
それでは、気持ちのすれ違いを起こさないために、LINEなどのテキストメッセージをする際に注意することを紹介します。
1. テキストでは気持ちを誤解しやすいということを忘れない
テキストメッセージは送り手の気持ちを理解するための情報が少ないことがほとんどです。そのため、脳は足りない情報を勝手に想像しやすいのです。そして、私たちは不安な時ほど、ネガティブな想像をしやすくなります。まずは、テキストで気持ちを誤解しやすいことを忘れないようにしましょう。
2. 重要な内容ほど気持ちを落ち着かせてから送る
自分が相手の気持ちを誤解しやすいということは、相手もあなたの気持ちを誤解しやすいということです。そのため、あなたがメッセージを送る際は、対面の会話以上に気を遣う必要があります。特に、重要なやり取りの際は、一度深呼吸をするなど、気持ちを落ち着かせてから送信しましょう。書かれていないことを相手が想像する可能性を忘れずに、足りない言葉を補うようにしましょう。
3.事前に伝えておく
もし自分のテキストメッセージに特徴があるのなら、相手に誤解をさせないために事前に伝えておきましょう。例えば、「顔文字をあまり打たない方なんだ」「文章だとそっけない感じがするかも」」などです。筆者もパソコンやスマートウォッチでLINEを確認することがあるため、顔文字が打てなかったり、既読後の返信にタイムラグがあります。必要に応じて事前に伝えておきましょう。
4. 書かれていないことは想像しない
最後に、相手のメッセージに書かれていないことをあれこれ想像するのはやめましょう。想像すればするほど、想像がどんどん膨らみ、ネガティブな気持ちが強くなります。気持ちのすれ違いから苦しくなってしまう時は、「相手に聞いてみる」「対面やビデオ通話をする」など、テキストメッセージとは別の行動を意識してとりましょう。
あなたがいくら気を付けていても、相手がネガティブな解釈を繰り返す場合もあるかもしれません。あなたの意図を伝えても理解してくれない場合や、あなたの気持ちを全く配慮してくれない場合などは、相手と距離を取る必要もあるかもしれませんね。コミュニケーションは双方向のやり取りのため、お互いに配慮し合うことが必要です。あなたは自分ができる工夫をし、そこから先は相手の範囲になります。もしどうしてもうまくいかない時は、一人で悩まずに第三者に相談して客観的な意見をもらいましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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