「友人関係に悩む思春期の娘。親ができることは?」友達付き合いに悩む子供にしてあげたい3つのこと
臨床心理士でありヨガ講師である筆者が皆さんの悩みにお答えするシリーズ。カウンセリングやクラス、SNSなどの中で皆さんから頂いた質問について、心理学の知識やカウンセリングの手法、ヨガのマインドに基づきながらお話ししていきます。
友達の輪の中に入れないと訴える娘、何もできない親の自分・・・
「思春期の娘がいます。学校で同性の友達の輪の中になじめず、居場所がなくてつらそうです。『みんなと同じことに興味が持てない自分はおかしいのかな?』『みんなの話の輪の中に入るのが違和感』と話す時もあります。なんとかしてあげたいと思い、励ましたり、アドバイスしたりするのですが、あまり効果はなく…どうしたら良いでしょうか」
臨床心理士からのアドバイス
学校は家と同じくらいの長い時間を過ごす場所なので、そこで苦痛な時間を過ごすのはとてもしんどいことですよね。また、親御さんの立場としては、娘さんのつらそうな様子を見ることや、なんとかしてあげたいと色々やってもうまくいかないことで、とてもやるせない気持ちになっているのではないかとお察しします。
思春期の女の子同士の付き合いってとても難しいですよね。思春期の女の子たちの友達付き合いについて、発達心理学の視点からお話しすると、キーワードは【チャムグループ】。チャムグループとは、自分と同じもの・共通のもので、あるいは秘密を共有することで繋がる関係性のことです。よく思春期の女の子たちがお揃いのものを持ちたがる、同じテレビやアイドルの話題で盛り上がりたがる、廊下や教室の隅でコソコソ話をしたがるなどの行動は、このチャムグループの性質によるもの。チャムグループの厄介なところは、【みんなと同じである】ということが大切で、異質なものは認めない、集団を維持するためには誰かを仲間外れにすることもいとわないというところにあります。その背景には、この頃の子どもたちは自分を理解して自分を表現するという術が未熟であり、【他人と同じか違うか】を基準に人間関係を築いていくということがあるからです。とはいえ、異質だと仲間外れにされるのは、お子さんにとってはとてもつらいことですよね。なんとか自信を取り戻してもらえるような声かけや対応をしていきたいものです。では、親御さんができる具体的な声かけや行動についてお話ししていきましょう。
友人関係に悩む子へに、ついついやりがちな言動や行動
声かけや行動の正解を知る前に、ついついやりがちな行動や言動について考えることも大切なことです。思春期のお子さんを持つ親御さんとのカウンセリングの中でよく聞かれる、『それ、変えた方が良いかも』という対応についてお話しします。
『友達なんていなくてもなんとかなるよ』という声かけ
高校生くらいになっていくと、【ピアグループ】といって、お互いの趣味や価値観に興味を抱くように、同じであることよりも、自分と異なるところも少しずつ受け入れられるような関係づくりをしていくようになっていきます。そういった過程を歩んできた大人たちがよくやりがちなのは、『友達なんて、いなくたってなんとかなるよ』という言葉がけ。自分の価値を【友人がいるかどうか】で測っている思春期の子どもたちからすると、一緒に過ごす友人がいないというのは、自分への評価や自尊心を下げることにつながる死活問題なのです。
無理やり友達を作らせようとする
お子さんに友達がいないとなると、なんとか友人関係を築かせてあげようと親御さんの方が必死になってしまう、感情的になって本人の意思を理解せずに先回りして行動してというケースも少なくありません。親御さんの方が『友達がいないのはかわいそう』という価値観に囚われてしまうことによって、それがかえってお子さんへのプレッシャーになり、『友達がいない自分はダメなんだ』という意識を強めてしまうことに。
友達付き合いに悩むお子さんにしてあげたい、3つのこと
その1:話を聞いてあげること
親御さんたちにお願いしたいのは、まずは本人の話を聞いてあげることです。良い悪いなどのジャッジを入れることなく、『それはつらかったね』『私があなたの立場だったらとても悲しいな』など共感してあげることです。その上で、『どうしたら良いかな』『お母さんにできることは何かあるかな?』など、一緒に考えていきたいという姿勢を伝えていくと良いでしょう。
その2:待ち・見守りの姿勢でいる
お子さんの言動や行動に口を出したくなる、変わりに行動してあげたくなることもあると思いますが、そうした衝動はグッと堪えて、本人が動いていくのを待ち、見守っていきましょう。親御さんが先回りすることでより事態が悪化してしまったり、本人との信頼関係が崩れてしまうことになりかねません。あくまでお子さんの問題であり、自分ごとになってしまわないうように、線引きをしていきましょう。
その3:学校以外の経験を増やす
学校での友人関係に固執しないよう、学校外での経験を深めたり、コミュニティを作ってあげる手助けをしてあげると良いと思います。学校以外のことと繋がりができると、それが安心感につながり、自分に対する自信を取り戻すきっかけになるかもしれませんね。
友人関係の悩みは、マイナスになるばかりではない
友人関係で悩むのはマイナスな印象を持たれがちですが、プラスに働くことも。それは、【自分への本質的な理解が深まる】機会に恵まれること。例えば、進学先や職場を決める時になんとなくではなく、じっくり吟味して選ぶ、自分の苦手なものや人、向き・不向きを理解することで、人間関係などもひっくるめて、自分に合った社会生活を選択することができれば、生きやすさが増していきますよね。そのためには、他者との関係で葛藤するという機会はなくてはならないものなのです。そのことを親御さんが理解しておくと、これまでとは違った声かけや提案ができると思います。お子さんへの声かけや対応にマニュアルはなく、悩む機会も多いと思いますが、【子を信じて見守る】これは親御さんにしかできない役割です。質問者さんとお子さんにとって、納得できる道が広がっていくことを願っています。
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