【最新の研究結果が示唆】運動後は温浴と冷浴、どっちが良い?理由と健康効果の引き出し方
筋肉を労わりましょう。
蒸し暑いヨガの後に冷たいプールに飛び込んだり、冬の厳しい運動の後に熱いお風呂に浸かったりするのは、何より気持ちの良いものです。カリフォルニア在住のランナーで理学療法士のアンドレア・ヘンリーさんによると、冷たい風呂と熱い風呂は、使い方とタイミングによっては、炎症を抑え、回復を促し、運動能力を向上させることができるそうです。
しかし、運動後の筋肉の回復にはどちらが良いのでしょうか?それぞれメリットがあることが判明しました。ヘンリーさんやその他専門家によるヒント、そして理想的な使用方法、水温、入浴時間などに関する推奨事項を参考にし、それぞれのタイプのお風呂を最大限に活用しましょう。
温浴と冷浴の違いは何?
運動後のお風呂は、温浴と冷浴のどちらも体の痛みに効果的です。それぞれをどのような時に使うか(または交互に使うか)、また、お風呂のお湯に何を加えたら本当に体に良いのかを見てみましょう。
冷浴
足底の痛みや足首のねんざなど、長引くケガで炎症を抱えていませんか。ヘンリーさんのおすすめは、10〜15度の間で、1回に15分まで冷水につかることです。温度が低いと、炎症部分の血流が遅くなり、「腫れを抑え、痛みを麻痺させる」と彼女は説明します。
また、冷温浸漬療法を定期的に行っているランナーは、単に休んでいるランナーよりも遅発性筋肉痛(DOMS)が少ないと報告されています。また、2015年に科学雑誌のジャーナル・オブ・フィジオロジーに掲載された研究によると、冷浴は重い重量挙げのセッションからの回復を助け、長期的な筋肉量と強度の増強に効果があるとのことです。
しかし、氷水に浸かることを想像しただけで歯がゆくなるのなら、朗報です。ヘンリーさんによると、痛みのある足や足首を冷水に沈めると、痛みが最小限に抑えられ、歩き方が変化し、さらなるケガを引き起こす可能性のある小さな痛みを鎮めるのにちょうど効果的なのだそうです。
「トレイルでつまずいて足首をねんざしたなど、負傷が急性の場合は、入浴を避け、腫れを抑えるのに効果的な冷湿布をしましょう」とアラバマ州ハンツビルにある整形外科センターの理学療法士、エリザベス・スミス博士は述べています。最近では電気湿布などの選択肢もありますが、昔ながらのシンプルな冷湿布で構いません。
温浴
ヘンリーさんもスミス博士も、連日の筋肉の凝りを癒すには、温かいお風呂に入るのが一番だと述べています。理想的な温度は36〜40度ですが、ヘンリーさん曰く「自分の心地良さに合わせた温度で」入れば良いそうです。
暖房の効いた部屋でヨガレッスンを受けると、前屈やランジが深くできるように、熱いお湯に浸かると全身の血流がよくなり、腱や関節、筋肉が温まり、「可動域や動きがよくなる」とヘンリーさんは説明します。
また、アトランタ地域で活動する心理学者アリソン・クリストファー博士によると、「毎晩入浴すると、体温がわずかに上昇することで脳内のセロトニンが放出され、うつ病の症状を改善する」と言います。また、夜に熱い風呂に入ることで、メラトニンが分泌され、「体内時計を調整できる」と彼女は説明しています。つまり、緊張した筋肉をほぐし、よく眠ることで、疲労回復を助け、ハードな運動からの回復を容易にするのです。
お風呂は運動後の楽しみだけではありません。ウォームアップで体を鍛えるのと同じように、運動前の入浴は凝った関節をほぐし、痛んだ筋肉に血液を送り込みます。
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ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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