【ヨガにおける「体幹の強さ」を考えよう】揺るぎない軸、呼吸の安定、体と精神・心の強さを作る練習法
ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!揺るぎない体幹、呼吸の安定は、体と精神・心の強さにつながる。練習を通じて、体幹を観察しよう。
ヨガで「体幹」といったら、人によって連想するものはさまざまだ。見事に割れた腹筋を無意識に思い浮かべる人もいれば、きつい腹筋運動のことを考える人もいる。そのようなきつい腹筋運動によって集中力や冷静さ、あるいは人としての品性さえも養うことができると考えている人が大勢いることだろう。
ヨガのクラスでも「体幹」という言葉はよく使われているが、意図されている意味が説明されないことが多い。
体幹を構成するもの
体幹は身体的に言えば、肩、胸部、背面、腹部、腰、臀部を構成する筋肉、腱、骨、関節からできている。ポーズをつくるときやポーズからポーズへと力強く移るときに体幹がある程度安定しているためには、体の部分によって静止させるべきところと動かすべきところがある。体幹を強化する運動には、それを安定させる目的もある。
呼吸は体幹を構成するもうひとつの要素である。ヨガをしている間、穏やかなウジャイ呼吸(吸う息と吐く息をなめらかに均等に繰り返す呼吸)を続けていると、絹のようになめらかで途切れない糸が一本生まれて、心を動作に結びつけるようになる。常に一貫してこの呼吸ができるように訓練することによって、集中力、忍耐力、冷静さが養われていく。ヨガのポーズにとどまらず人生にも影響を及ぼす資質が養われていくのだ。
私たちはこのような体幹の要素すべてとつながっているとき、つまり体と精神と心の強さとつながっているとき、これまでとは異なる安定感を覚え始める。ヨガをしていていつもより繊細な部分に意識が向いているときがあるか、興味をもって観察しよう。そこには揺るぎない完璧な状態も見つかるかもしれない。
体幹の強さを探るシークエンス
今回紹介するポーズでは(ポーズからポーズへの移行も含めて)、揺るぎない体幹から生まれる安定性と力が必要になる。練習するときは胴体のどの部分が働いて体の安定を助けているか観察しよう。また、ゆるめることができる部分にも注目しよう。このシークエンスのなかで、気づきと好奇心の姿勢となめらかなウジャイ呼吸を結びつけよう。この練習を通じて自分の可能性に挑み、体幹のさまざまな側面を探ってほしい。
1. 支えのあるヴィーラーサナ(英雄のポーズ)
両膝を合わせてひざまずき、両足の間隔を腰幅より少し広くする。ブロック(1個または2個)の上に腰を下ろす。必要であればすねの下にブランケットを敷く。背骨を伸ばして目を閉じる。ゆったり楽に息を吸って、体幹を前後にも左右にも上下にも十分広げたら、息を吐ききる。この呼吸を10~20回繰り返す。
2. ウールドゥヴァハスターサナのバリエーション(手を上にあげるポーズ)
足を腰幅に開いてターダーサナ(山のポーズ)で立つ。息を吸いながら両腕を肩幅で真上に上げて伸ばし、手のひらを前に向ける。下位肋骨(前面)を引っ込める。両足を地面にしっかり下ろして臀筋を働かせる。目線をゆるめて、このまま7~10回呼吸したら、息を吐きながら両腕を体側に下ろす。
3. ウトゥカターサナ(チェアーポーズ)
山のポーズで立って7~10回呼吸する。息を吐きながら膝を曲げて腰を後方に引いて、ウトゥカターサナに入る。両腕を上げて耳の横に揃える。体幹の安定に意識を向けよう。
4. 片脚の山のポーズ
チェアーポーズから体重を左脚にかけていき、両腕を体側に下げて、右膝を曲げ、右足のつま先を上に向ける。左脚を伸ばして床をしっかり踏み、頭頂部を引き上げて片脚の山のポーズに入る。息を吸って、右脚をゆっくり下ろし、両膝を曲げてチェアーポーズに戻る。息を吐いて、反対側も同様に行う。左右で1回として、交互に5~8回繰り返したら、休む。
5. ヴィーラバッドラーサナⅢのバリエーション(戦士のポーズⅢ)
右膝を曲げた片脚の山のポーズに戻る。体を前傾させて、右脚を後方に伸ばす。右つま先を下に向けたまま、右脚を腰の高さに上げて、戦士のポーズⅢに入る。胸部全体を広げ、下位肋骨(前面)に両手の指先を当てて、その部分を引っ込める。背骨を伸ばし、ここで5回呼吸する。
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