医師監修【お腹の違和感…あなたの腸は大丈夫?】 腸が炎症を起こしている時の食べ方&ケア方法

 医師監修【お腹の違和感…あなたの腸は大丈夫?】 腸が炎症を起こしている時の食べ方&ケア方法
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半田葉子
半田葉子
2022-03-02

最近、「お腹の調子が悪い」「お腹が痛くて夜眠れない」「常にお腹が張っている」「お腹を押すと痛い」「常に残便感がある」など、お腹の不調を良く耳にします。深夜の腹痛に耐え切れず救急車を呼ぼうとした、救急車を呼んだ、という声も。 あなたのお腹は大丈夫ですか。腸が炎症を起こすと腹痛ばかりでなく、皮膚疾患や気分障害にも繋がります。身体に良い食べ物が腸にやさしい食べ物とは限りません。今回は腸にやさしい食べ物やケア方法をマクロビオティック歴15年でバウエル腸セラピストでもある、vegan菓子 [素果子 | sugashi ] 店主の半田葉子さんがご紹介します。

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2022年1月下旬の「感染性胃腸炎」のデータでは、東京都をはじめとする各都道府県でここ数年の間で一番高い数値が見受けられました。

東京都感染症情報センター 
定点医療機関当たり患者報告数(2022年2月13日(第6週)までのグラフ)より

感染性胃腸炎というと、ノロウイルスをはじめとする細菌やウイルスなどの病原体による胃腸炎が多くありますが、最近は原因不明の腹部の違和感を感じる方を良く耳にします。
「最近お腹の調子が良くない」と感じている方、思い当たる節はありませんか。

腹痛
illust AC

【目次】
1.腸炎の病名と症状

2.腸炎の原因

3.「身体に良いもの=胃腸に優しいもの」ではない?
腸に負担がかかる食べ物
4.腸のケア方法

まとめ

1.腸炎の病名と症状

ひとことで腸炎と言っても、病名や症状はさまざま。腸に関する病名だけでも数多く存在しています。

◆腸に関係する病名
感染症腸炎(ウイルス性腸炎・細菌性腸炎)
潰瘍性大腸炎
腸結核
直腸炎
クローン病
虚血性腸炎
過敏性腸症候群(IBS)
大腸憩室
大腸ポリープ
大腸がん など

◆症状
便秘・下痢・吐気・嘔吐・膨満感・鈍い痛み・腹部の痛み・血便・発熱など

原因がはっきりしているものは特異的炎症性腸疾患と診断され、原因を取り除く治療が行われる一方、大腸や小腸などの消化管の粘膜に原因不明の慢性的な炎症をひきおこす疾患は非特異的炎症性腸疾患と診断され、潰瘍性大腸炎やクローン病などの疾患の原因不明であり、根本的に治す治療が未だにないとされています。

2.腸炎の原因

腸炎とは、腸が炎症を起こしている状態です。
細菌やウイルスをはじめ、自己免疫、ストレスや睡眠不足などが引き起こす暴飲暴食などが原因で、腸が炎症を起こし、痛みとして症状が表れます。

例えば口内炎ができた場合、何もしなくてもズキズキ痛んだり、食べ物などがあたると激痛が走ったり、醤油やレモンがしみたりします。それと同じように炎症を起こしている腸は、何もしなくても痛みが生じたり、刺激物を摂ると炎症部分を痛め、症状が悪化する恐れがあります。

細菌やウイルスが原因の急性腸炎の場合は、体内に入った異物を出そうと下痢や嘔吐として症状が表れます。この場合は体内水分が減ってしまうため、経口補水液などによる経口で水分補給、あるいは点滴などを行い、自然治癒を待ちます。

病院は発熱や腹痛に対する解熱鎮痛剤や、細菌性腸炎に対する抗菌薬を使用する場合もありますが、下痢止めは細菌やウイルスの排出の妨げになるため、最低限の使用とする場合も多くあります。感染力の強いウイルスの場合は、吐物や便にウイルスが含まれている恐れがあります。普段から免疫力を高めることが大切になります。

また、ウイルスや個人差により、下痢にはならず、お腹の張りや膨満感、腹痛のみの症状の場合もあり、腸管がむくみ、嘔吐や腹痛、発熱の症状を起こす場合もあります。

細菌やウイルスの感染以外が原因の非感染性腸炎の場合は、暴飲暴食・消化不良による食事性の腸炎や、卵やそばといった食物を摂取したときのアレルギー性腸炎、キノコや貝類による中毒性の腸炎、動脈硬化や便秘などの大腸の血管のつまりが原因の虚血性腸炎が起こるとされています。この場合は原因を取り除く必要があります。 

3.「身体に良いもの=胃腸に優しいもの」ではない?腸に負担がかかる食べ物

もしも腸炎になってしまった場合、胃腸のケアがとても大切になってきます。まずは胃腸を休ませるために、食事を数回控えましょう。そして回復食として、うどんやお粥などの消化の良い、やさしい味付けの食事で胃腸を労わってあげましょう。

「胃腸に良いもの=胃腸にやさしい」ではない場合があります。胃腸に良いものも、胃腸が弱っている人にとっては負担になることもしばしば。

食事
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例えば、きのこや根菜類などの食物繊維は整腸作用があるため、一般的に腸には良いとされています。しかし、食物繊維は消化に時間がかかるため、胃腸が弱っている人には負担になります。

レモンなどの酸味のあるものはお通じを促す作用があるため、一般的に便秘がちな人におすすめとされていますが、レモンの「酸」は腸を刺激し、胃が荒れる原因にもなります。

「身体に良いもの=胃腸に優しいもの」ではなく、「胃腸にやさしいもの=消化しやすいもの・刺激の少ないもの」を心がけ、消化しやすいものを意識すると同時に、消化しにくいものを控えましょう。※食事後にお腹を下したり、吐いたりする場合は胃腸に悪いものは控えるのではなく一次的に断つことをお勧めします。

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



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