赤ちゃんが受け継ぐ「腸内環境」の整え方|不妊で悩む女性のためのヨガとセルフケア#7
今日本では結婚したカップルのうち3組に1組が「不妊かな?」と心配し、2019年は14人にひとりの赤ちゃんが体外受精によって産まれました。2022年春から不妊治療が保険適用となることで治療へ踏み込む人が増えると予想される一方で治療ばかりが先行し、心のケアは十分ではないところが課題です。 この連載では、不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ、また妊活ヨガセラピストとして活動するわたなべまさよさんが、妊活・不妊治療中のセルフケアについて連載形式で綴っていきます。
今回お伝えするテーマは「腸」についてです。生まれてくる赤ちゃんはお母さんの産道にある腸内細菌に触れ、初めて細菌を受け継ぎます。食生活や生活環境によって異なりますが、お母さんの腸内環境からの影響は大きく、細菌パターンは一生同じだと言われています。
腸内の細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」と、大きく分けて3グループで構成されています。腸を顕微鏡で見たときにお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれていますが、腸内細菌も多様性を高めることで環境がよくなります。
妊活はいろいろな種類の食品と摂りましょうと目にしたり、病院などから指導されたりすると思いますが、栄養面に加えて腸内環境にも目を向けてみてくださいね。
腸内の細菌バランスを整える食事
善玉菌を含む食品を摂る
もともといない菌は定住しないため、取り続けることがポイントです
- ・ヨーグルト・乳酸菌飲料(同じ商品がおすすめです)
- ・納豆・漬物・味噌汁などの発酵食品
善玉菌がよろこぶ食品を摂る
もともといる善玉菌の数を増やします
- ・野菜・果物・イモ類・豆類
腸内環境を整えるといいこと
- ・便秘など消化機能の改善
- ・栄養や免疫の働きを高める
- ・不安やイライラの改善
- ・アレルギーや肥満の改善
腸内環境を整えて赤ちゃんへ細菌のバトンを渡しましょう
腸ってすごい!脳とのネットワーク
腸は免疫細胞のうちの7割が存在し、さらに脳とも連携を取り、お互いに影響し合っています。
ストレスを感じるとお腹が痛くなるのは、脳が自律神経を経由して腸にストレスを伝えるからです。反対に腸に病原菌が感染したときは脳が不安を感じます。こうして脳と腸が連携しながら健康維持のためにバランスを図っています。前回妊娠と脳とホルモンの関係について触れましたが、さらに腸ともつながる話で、人間の体のネットワークはすごいですね。
食事以外で改善できること
- ・マッサージ
お腹を両手を重ね、温もりを伝えながらやさしくおへその周りに円を描いたり、みぞおちから下腹部にかけて上から下へゆっくりさすります。
- ・運動習慣
運動には腸のぜん動運動を促し便通をよくします。便秘は悪玉菌が優勢になり、腸内環境の悪化につながります。筋肉に刺激を与えることでお腹周りの血行がよくし、胃・腸の働きをよくします。
呼吸に意識を向けながら行うとさらに内臓にマッサージ効果があがります。きつい運動ではなく少しの時間でも続けることがポイントです。
腸の動きをよくするためのおすすめのヨガ・呼吸法
- ・腹式呼吸
横隔膜が上下することで、その膜を貫通する食堂が動かされて消化機能が活性化します。
- ・体側を伸ばすポーズ
お腹周りの血行を促し、胃・腸の働きをよくします。
体側を伸ばすポーズ
やり方
①姿勢よく立ち、足の裏に重心を置きます。深呼吸を数回、身体と呼吸を安定させます。(吸いながら)右手を肩の高さまで上げます。(吐きながら)手のひらを上に返します。腕の伸びを感じます。
②(吸いながら)右手を上げます。(吐きながら)腰から左に上半身を倒します。5回ほど深呼吸します。(吸いながら)上半身を起こして右手を上へ上げます。(吐きながら)右手をおろします。
※反対も同様に行います
妊活に腸内環境の改善はとても大切ですね。無理なく取り入れてみてくださいね。
AUTHOR
わたなべまさよ
不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師・不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。長期の不妊治療で体と心のバランスを崩したときに毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで妊活講座の講師やヨガとカウンセリングを併用したヨガセラピーを行っている。
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