【妊娠と脳の関係】女性ホルモンのために脳を休めよう「自律神経のバランスを整える呼吸法」

 【妊娠と脳の関係】女性ホルモンのために脳を休めよう「自律神経のバランスを整える呼吸法」

今日本では結婚したカップルのうち3組に1組が「不妊かな?」と心配し、2019年は14人にひとりの赤ちゃんが体外受精によって産まれました。2022年春から不妊治療が保険適用となることで治療へ踏み込む人が増えると予想される一方で治療ばかりが先行し、心のケアは十分ではないところが課題です。 この連載では、不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ、また妊活ヨガセラピストとして活動するわたなべまさよさんが、妊活・不妊治療中のセルフケアについて連載形式で綴っていきます。

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女性ホルモンのために脳を休めよう

避妊をやめたらすぐに妊娠すると思っていたのになかなか妊娠しない……そこで不妊治療をはじめると、想像以上に妊娠に年齢が関係していることに驚かされる人は少なくありません。

高度不妊治療(体外受精・顕微授精)で出産にいたる確率

30歳で21.8%、35歳で19%、40歳で9.8%、45歳で1.2%となっています。※2021年 日本産科婦人科学会ARTデータより
でも若いからといって不妊治療は万能ではありません。どんなに努力してもお金をかけても、結果が比例しないのがつらいところです。

それまで頑張れば頑張った分結果を出してきた人にとって、これはつらい現実です。もっと頑張らなくては!と自分を追い込んだり責めてしまう傾向があります。張り詰めた気持ちを打ち明ける相手がいないとひとりで抱え込んでしまい、ちょっとした心の動揺を敏感に感じやすくなって更にストレスが増える……というスパイラルに陥ってしまいます。不妊治療は体の負担はもちろんのこと、それ以上に大きいのは心の負担です。

妊娠と脳の関係

そのストレスがかかったときに、まず反応するのは「脳」ですが、実は妊娠までの過程に「脳」はとても重要な役割を担っています。
そもそも妊娠に向かうスタート地点はこの「脳」。排卵を起こすのも、体が妊娠に向けて準備のも、脳が体に指示を出しているのです。そのため、妊娠にとって「脳」はとっても大事なんです!
それでは図を見ていきましょう。

女性ホルモン
女性ホルモンのステップ yumepocke DESIGN カナ

脳の「視床下部」が指令を出して「性線刺激ホルモン放出ホルモン」を分泌
▼ 
「下垂体」
から「卵胞刺激ホルモン(FSH)」「黄体形成ホルモン(LH)」を分泌

「卵巣」の卵胞に働きかけ、「女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)」を分泌

血中の女性ホルモン濃度が上がり過ぎると、脳がホルモン分泌を抑制(フィードバック)し、脳が体とコミュニケーションを図りながら女性ホルモンを調しています。

【ホルモンの働き】
・卵子を育てる
・排卵しやすくする
・排卵後の体温を上げる
・子宮内膜を厚くし、赤ちゃんが着床しやすい状態にする

一方、ストレスを感じたときに反応するのも脳です。脳の中でも自律神経の調節と性周期を調節する場所はとても近く、密接に連動するため、強いストレスは自律神経を乱れさせて女性ホルモンの妨げとなります。
スマホやパソコンでも一度にたくさんのアプリを使おうとするとサクサクいかなくなりますが、似たような状況が脳の中で起こります。

緊張状態の中でも脳を休ませる習慣を無理なく少しずつ取り入れて、女性ホルモンにやさしい脳環境にしていきましょう。

呼吸に意識を向けよう

心地良い呼吸は自律神経のバランスを整え、脳にも良い影響があります。緊張したり焦ったりすると呼吸は速く浅くなることはイメージできるでしょうか。呼吸を逆手に取って、ゆったり心地いい呼吸をして心身をゆるめ、「今この瞬間の呼吸を感じる」ところからはじめてみましょう。自宅でも移動中でも病院の待合室でもかんたんにできます。

ゆっくり吸って新鮮な呼吸を全身に yumepocke DESIGN カナ
吸いながら 新鮮な呼吸を全身に
yumepocke DESIGN カナ

何度か深呼吸したあと普通の呼吸に戻します。
呼吸に慣れてきたらイメージを加えて、ゆっくり吸いながら「新鮮な空気が体に入る」
森の中で森林浴をしているイメージでもいいですね。

吐きながら 不要なものを手放す yumepocke DESIGN カナ
吐きながら 不要なものを手放す
yumepocke DESIGN カナ

ゆっくり吐きながら「不要なものが体から出ていく」

妊娠を妨げているものが体から出ていく、というイメージもいいですね

このイメージの繰り返しをしばらく続けます。

最初はいろいろなことが頭の中でごちゃごちゃ湧き起こってくるかもしれませんが、無理に追い払おうとしないで流れる雲のように眺めたら一旦脇に置いて、また呼吸に集中する。
反れたら戻す、これを繰り返していくと、だんだん他の思考が静かになるので脳がスローダウン(休息モード)するようになっていきます。

妊活をがんばりたいときほど、おすすめしたいイメージを加えた呼吸法でした。

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AUTHOR

わたなべまさよ

わたなべまさよ

不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師・不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。長期の不妊治療で体と心のバランスを崩したときに毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで妊活講座の講師やヨガとカウンセリングを併用したヨガセラピーを行っている。



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