活力がピークに向かってゆく「卵胞期」の過ごし方|不妊で悩む女性のためのヨガとセルフケア#4
今日本では結婚したカップルのうち3組に1組が「不妊かな?」と心配し、2019年は14人にひとりの赤ちゃんが体外受精によって産まれました。2022年春から不妊治療が保険適用となることで治療へ踏み込む人が増えると予想される一方で治療ばかりが先行し、心のケアは十分ではないところが課題です。 この連載では、不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ、また妊活ヨガセラピストとして活動するわたなべまさよさんが、妊活・不妊治療中のセルフケアについて連載形式で綴っていきます。
体と心が活発に、月経の終わりから排卵にかけての過ごし方
妊活スタートしたての頃は希望で満ち溢れていたのに、時間が経つにつれてなんだか時が止まったように感じる……。もう不妊治療以外には妊娠できないんじゃないか……。そんな声を聞くことがあります。
不妊治療は、妊娠しない原因はどこにあるのか検査や治療をしながら探ってゆきます。そのため、医師からの言葉や検査結果を見ると、よくないものと捉え過ぎてしまい、だんだん自分自身まで否定してしまうようになっていく人を見てきました。私もそのうちのひとりでした。
もしも今、そんな状態になっていたら、不妊治療中の多くの女性が同じような思いをしていますので、自分だけではない、ひとりで抱え込まないでほしいなと思います。
前回、心身をリカバリーする「月経期」の過ごし方 について触れましたが、今回は月経期から体と心が活発になってゆく月経(経血が落ち着いて来る頃)から排卵にかけての過ごし方についてご紹介します。
月経サイクルのうち、この時期は最もエネルギッシュな時期。体が軽くなり、代謝が高まります。妊娠するためのホルモン(エストロゲン)は卵子が育つよう、「排卵」のピークに向けて高まっていくためです。
ダイエットをするには最適な時期と聞いたことがあるかもしれません。筋肉の弾力もホルモンから影響しますので、お肌のハリにも注目してみてくださいね。
【卵胞期の心身への影響】
・女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加
・卵子が成長し、排卵時にピークを迎える
・代謝が高まり体が軽くなる
・体温・免疫力・消化力・血流が上がる
・子宮内膜が厚くなっていく
・気分が落ち着き安定し、ポジティブになる
【卵胞期おすすめの過ごし方】経血が落ち着く頃から排卵まで
・じんわり汗をかく位の運動量で体も心もリフレッシュ
・気分の落ち込みがひどいときは無理しないで軽めなウオーキングなど
早朝の公園などで木々から自然を感じるのもいいかもしれません
・頭がごちゃごちゃいているなと感じたら体を動かす
・動いた後はリラックス。メリハリが自律神経を整えホルモンにも好影響
・月経後から排卵まで2日に1回、または3日に1回タイミングを計る
・もう十分がんばっているので、がんばりすぎず自分を労わる
<卵胞期におすすめのヨガのポーズ>
- 下半身を強化し血流を上げるスクワット系のポーズ
- 体幹トレーニングになる後屈のポーズ
- 内臓マッサージ、血流を上げ、体幹トレーニングになるツイストのするポーズ
※月経期間中は腰が下向きになるポーズ(ダウンドッグなど)はNG!
※動いたあとは大の字になってリラックスしましょう
姿勢の矯正・冷えの改善・筋肉量アップ・体幹トレーニング・ダイエット(やせ過ぎは禁物です)
妊娠するため!ではなくて、健康体になることが妊娠への近道です。
呼吸に合わせた戦士のポーズ1番
じんわり汗をかく程度の運動量で体も心もリフレッシュ。生殖器官と密接に関わる腰のケアを重点的に行い、普段の姿勢から意識して体のバランスを整えましょう。
AUTHOR
わたなべまさよ
不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師・不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。長期の不妊治療で体と心のバランスを崩したときに毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで妊活講座の講師やヨガとカウンセリングを併用したヨガセラピーを行っている。
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