体が妊娠モードにスイッチする「黄体期」の過ごし方|不妊で悩む女性のためのヨガとセルフケア#5
今日本では結婚したカップルのうち3組に1組が「不妊かな?」と心配し、2019年は14人にひとりの赤ちゃんが体外受精によって産まれました。2022年春から不妊治療が保険適用となることで治療へ踏み込む人が増えると予想される一方で治療ばかりが先行し、心のケアは十分ではないところが課題です。 この連載では、不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ、また妊活ヨガセラピストとして活動するわたなべまさよさんが、妊活・不妊治療中のセルフケアについて連載形式で綴っていきます。
別記事で活力がピークに向かってゆく「卵胞期」の過ごし方 について触れましたが、今回は妊娠へ備える体に変化する「黄体期」の過ごし方についてご紹介します。
排卵が終わると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、高温期に入ります。卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量も変動しますので、ホルモンの振り幅が大きくなることで身体に負担がかかり、体調にも影響が出やすくなります。
身体は妊娠モードにスイッチし、栄養だけでなく水分や老廃物もためこみやすくなって吹き出物が出たりします。
メンタル面では、ナーバスになったり、攻撃的になりますが、これは赤ちゃんを守るための本能なのかもしれませんね。
赤ちゃんを望む人、不妊治療をしている人にとっては、期待と不安で最も揺れやすい時期とも言えます。気持ちが揺さぶられるのはホルモンからの影響もあることを理解して、自分に優しく心身の負担のないように過ごしましょう。
【黄体期の心身への影響】
- ・女性ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加
- ・体温が上昇
- ・むくみやすく便秘がちになりやすい
- ・子宮内膜が厚くなり着床しやすい環境へ
- ・疲れやすい、すぐ眠くなる
- ・気持ちが不安定(イライラ・不安・神経質になる)
【黄体期おすすめの過ごし方】排卵後から妊娠に向けて(または次の月経)
- ・質の良い睡眠を心掛ける ※ホルモン分泌に直結します
- ・30分以内のお昼寝など休息を取る ※15時以降は夜の睡眠を妨げるので注意しましょう
- ・ゆったりお風呂に浸かる ※おやすみする1時間半前位に入ると睡眠導入になります
- ・頭皮や耳のマッサージをする
- ・バランスのよい食事 ※ストイックになり過ぎない健康な食生活がおすすめです
- ・老廃物がたまりやすいため、軽めな運動でデトックス
- ・神経を沈静化するためにもPCやスマホで目を酷使しない
【黄体期におすすめのヨガ】
- ・リストラティブ(休息・回復のため)ヨガ
- ・ヨガニードラ(脳を休める瞑想法の種類のひとつ)
- ・心地よい呼吸の練習(自律神経を整える片鼻相互呼吸など)
- ・前屈・うつぶせのように心臓が下向きになるポーズは気持ちを落ち着かせてくれます
- ・骨盤底筋をひきしめるポーズは子宮への血流量を高めます ※ツイストのポーズは念のためやめておきましょう
自分と生殖器官を癒し回復する【足を高く上げるポーズ】
自分の身体、受精卵を信じて過ごしましょう。
AUTHOR
わたなべまさよ
不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師・不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。長期の不妊治療で体と心のバランスを崩したときに毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで妊活講座の講師やヨガとカウンセリングを併用したヨガセラピーを行っている。
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