【摂食心理学の専門家が提案】ダイエットがうまくいかない理由と7つのアイデア

 【摂食心理学の専門家が提案】ダイエットがうまくいかない理由と7つのアイデア

ケーキを食べても良いのです、楽しんで。

広告

今年もまた新年の抱負を掲げる時期がやってきました。多くの人と同様、「より良い食事」をすることがあなたの新年の抱負の一つかもしれません。2021年の抱負に関する調査によると、最も多かったのは「もっと運動する」(46%)、「食生活を改善する」(45%)、「体重を減らす」(44%)というものでした。

実際、毎年4500万人ものアメリカ人がダイエットを始めています。しかし、研究によると、減量ダイエットはうまくいかないことが分かっています。ダイエットは持続不可能で、体重が元に戻る可能性が高いのです。

新年にカロリー制限をする代わりに、食べるものを美味しく感じよう、と決心したらどうでしょうか。

これは、摂食心理学の専門家であり、「Food Story: Rewrite the Way You Eat, Think & Live(フードストーリー:食べ方、考え方、生き方を書き換える)」の著者でもあるエリーゼ・ミュゼルスさんのアドバイスです。ミュゼルスさんは読者にそれぞれの食に関するストーリーについて考えてみるよう勧めています。例えば、食べ物に関してどのように育ったか、食事に関する考え方やルール、食べているときに感じる感情など、ポジティブなものもネガティブなものも含めてです。

何を、なぜ、いつ、どこで食べるのか、健康的な新しいストーリーを作るには、食に関する自分の物語を発見することが重要だ、と彼女は言います。

ダイエットがうまくいかない理由

ミュゼルスさんによると、新年のダイエットの抱負の問題点は、ほとんどの人が一度に大きく抜本的な変化をしようとすることです。そのようなやり方は、継続できないだけでなく、ストレスになります。そして、ストレスは栄養の吸収を妨げると彼女は言います。食事中に動揺したり、不安になったりすると、体の生理機能が変化します。罪悪感や羞恥心は、消化に悪い影響を与えるストレスホルモンを分泌するよう体に信号を送ります。

食事中に "こんなもの食べるべきじゃない"と思うと……体内でストレス反応が起こります。「つまり、コルチゾールが上昇するのです。代謝が悪くなります。すべての栄養素が吸収されないのです。体は攻撃・逃避反応を起こします」。そう、食事をしているにもかかわらず、栄養を取れていないのです。

自分の食のストーリーを知ることで、食のパターンの根本を理解し、どこを変えたいのか、どのように変えたいのかを決めます。

ヨガと同様、このプロセスは決して完璧ではありませんが、実践することで継続的に成長することができます。ここでは、ミュゼルスさんのアイデアをいくつかご紹介します。

①1ヶ月に1回、小さな変化を起こす

年の初めには、大きな変化を起こそうというモチベーションがあります。しかし、小さな調整の方が簡単で、より持続可能です。ダイエットの大改革の代わりに、毎月1つずつ習慣や考え方を変えてみましょう。例えば、1月は野菜をたくさん食べるようにするとか。2月は市販のスナック菓子を自家製に変えてみるとか。すると年末までには、小さな一歩を積み重ね、大きな効果を得ることができるはずです。自分の努力が実を結び、その成果を目にすることができれば、これからも続けていこうという気持ちになるはずです。

②フードノイズを消す

ポテトチップスの袋のパチパチという音のことではありません。ミュゼルスさんの定義によると、「フードノイズ」とは、「何を食べるべきか(あるいは食べてはいけないか)」についてあなたが受け取るすべてのメッセージのことです。

それは、最新のダイエットトレンドに関するニュースや、最新のスーパーフードに関する広告、あるいはパイをもう一切れどうぞと薦める叔母などの形で現れるかもしれません。

ミュゼルスさんによると、日々の食のノイズは大音量の合唱となり、あなたを混乱させ、無力化させるそうです。栄養を感じるために自分には何が必要か、という体のメッセージに耳を傾けることから遠ざかってしまうのです。フードノイズを避けることは難しいですが、意識することはできます。彼女は、一日のうちどこにノイズが入り込んでいるかを記録しておくことを勧めています。そして、そのノイズを見たときにどう感じるか、常に意識するようにしましょう。

③食事の前にストレスに対処する

ケールやキヌアなど、栄養価の高い食材をお皿に盛っても、食べるときに不安になっていたら、その食事から得られる栄養をすべて体に取り入れることはできません。このような考えが浮かんだら、評価しようとせずに注意することです。

呼吸で体を落ち着かせます。ミュゼルスさんは、食事の前に一旦ポーズを取り、3回深呼吸をするように述べています。または、心を落ち着かせるマントラやアファメーションを繰り返します。例えば、次のようなものです:「私はいま自分に栄養を与えている」とか「私はこの瞬間を味わっている」とか「ゆっくり食事をすると気持ちが良い」とか。こうすることで、体内の休息と消化の反応が始まり、食事から栄養の恩恵を十分に受けることができるようになります。そして言うまでもなく、食べる喜びも!

④食事中のマルチタスクを避ける

私たちは気が散漫で食事をすることが習慣的になっています。忙しく動き回りながら食事をするのが当たり前となっています。しかし、食事中に気が散っていると、体の要求に耳を傾けることができず、十分な量を食べたかどうか、食事が自分に合っているかどうかにも気付けません。デスクでランチを食べたり、ニュースを見ながら夕食を食べたりすれば、より生産的になれると思うかもしれませんが、それは迷信です。ミュゼルスさんによると、脳が簡単にタスクを切り替えられないため、実際には時間をロスしてしまうのだそうです。ミスをしたり、情報を逃したりする可能性が高くなるのです。だから、食事のときはデバイスの電源を切って、集中するようにしましょう。

⑤キッチンに立つ

料理は、食とつながる最も早く簡単な方法の一つです。自分で調理すれば、自分が何を食べているのかがよくわかり、食べ物に対する感謝の気持ちも深まります。ストレスを最小限にするために、シンプルな料理を心がけましょう。スムージーを作ったり、サラダを和えたり、サンドイッチをトーストしてみたり。ミュゼルスさんは、家族や友人と一緒に料理をすることで、食事の準備をコミュニティ形成のための活動として行うことを提案しています。音楽をかけ、調理器具を手に持ち、みんなで役割分担してみましょう!

⑥自分の気持ちを確認する

食べる前に、自分に問いかけてみてください。自分はどう感じたいのか?エネルギーが必要なのか、それとも安らぎが必要なのか?温かいものを欲しているのか、それとも冷たいものが欲しいのか?退屈やストレスから食べ物に頼っていないか?食べ物が答えになることもあれば、他のものを欲していることもあります。このような質問をすることで、習慣や日課として食べるのではなく、身体とつながり、身体が欲しているものを与えることができるのです。自分が本当に必要としているものを知ることで、どのように栄養補給したら良いかを決定する力が湧いてくるはずです。

⑦自分を人間らしくする

食のストーリーを書き換えるにあたり、食の選択に関する完璧さの概念を捨てましょう。自分に厳しくしすぎる必要はありません。お祝いの日には、ケーキを食べ、それを楽しんでください。自分が気持ち良いと感じるものに同調することが、より現実的で持続可能な食事方法であるとミュゼルスさんは言います。自分を大切にすること、そして食と健康的なライフスタイルを作ることを心に決めましょう。ただし、罪悪感は捨てて下さいね!

教えてくれたのは…ダヴィダ・ライトさん
ダヴィダ・ライトさんはフリーランスのライター、ラジオアナウンサー&トラフィックレポーター、フィットネス&ヨガティーチャーとして活動している。www.withDavida.com

ヨガジャーナルアメリカ版/「I’m an Eating Psychology Expert. Here’s Why Diets Don’t Work

広告

By DAVIDA WRIGHT
Translated by Hanae Yamaguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



RELATED関連記事