【意外と知らない】発熱インナー「化学繊維系・天然繊維系」メリットとデメリット、着用時の注意点は?


2.化学繊維系【吸湿発熱インナー】が、山登りに不向きと言われる理由

山は標高が高く夏でも寒い場所があるために比較的厚着をしますが、身体を動かすので薄くて身体にフィットて動きやすい軽量インナーとして初心者の方は化学繊維の吸湿発熱繊維インナーを選びがちです。
「山登りに化学繊維の吸湿発熱繊維インナーを着ると身体が冷える」という話を耳にしたことはありませんか。
化学繊維のメリットデメリットからもわかるように、化学繊維の素材は保温には優れていますが、吸湿・吸水性が天然素材よりも劣ります。つまり、化学繊維のインナーを着て汗をかいた場合、その汗はインナーに吸湿・吸水されずに肌の表面上に残ります。
肌が湿った状態が続くと、身体が冷えてきます。また身体の冷えから低体温症になるリスクが高くなります。
それに加え、気化熱(注1)により汗をかいた身体はより冷えやすくなります。
(注1)ここでは、液体を気体に変化させるために身体から熱が奪われ、身体が冷えること。
3.吸湿発熱インナーが、自身の体温調節機能を鈍らせると言われる理由
自己免疫とは生物が自身の健康な細胞、組織、およびその他の体の正常な構成要素に対して免疫応答を起こすシステムである。
ーWikipediaより
私たちの身体が冷え寒いと感じると、身体の熱が逃げないように人体の活動を活発にしようと交感神経を優位にし、血管を縮め血流を少なくして放熱を抑える体温調節機能が備わっています。
怪我をしたら細胞を修正する、身体の中に菌が入ったら粘膜免疫で防御し全身免疫で攻撃する、このような自己免疫が私たちの身体には備わっています。
吸湿発熱繊維は、身体の水分をインナーが吸収、その水分を気体に変化させることで熱が発生する作用を利用し、吸湿発熱繊維を着用していると暖かく感じ熱を保温できるように作られています。自然に近い素材を着用した場合は、繊維の自然なコントロールにより保温の助けをしてくれますが、身体の水分を吸収・発熱するように作られた人工的な繊維を着用した場合は、そのコントロールが乱れがちです。
デイリーインナーとして化学繊維のインナーを着用している方は、自身の体温調節機能が鈍りがちになります。これは、常に冷暖房の中にいる方やカイロを常に身体に貼っている場合も同じようなことが言えるでしょう。
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