「自己肯定感は高めようとしなくて良い」心理カウンセラーが伝えたい、本当の自己肯定感のあり方
近年「自己肯定感ブーム」といわれるほど、世間ではメンタルヘルスやパーソナリティへの関心が高まっています。今回は『「自己肯定感低めの人」のための本』の著者であり心理カウンセラーの山根洋士さんに、本当の自己肯定感の意味やラクに生きていくための心のあり方についてお話を伺いました。
最近よく耳にする「自己肯定感」とは一体何のことなのか
近年、メンタルヘルスや精神疾患への関心が高まりを見せています。なかには、自己肯定感を高めるための本、ポジティブ思考を勧める本も数多く出回っており、実際に読んだことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、これに対し「本を読んでも自己肯定感が高くならない」「何事もネガティブに考えてしまう自分はダメだ」など、ポジティブこそ正義という風潮に追い詰められている人も少なくありません。
――そもそも、自己肯定感の本当の意味や定義はどういったものなのでしょうか?また自己肯定感が「低い人」と「高い人」の決定的な違いがあれば教えてください。
山根先生:自己肯定感というのは「感覚」です。本を読んで得た知識や認知するものではありません。根拠もなにもないけれど、「自分はありのままでいい」「自分は生きているだけで価値がある」と思える感覚が、自己肯定感の定義なのです。
本来であれば、この感覚をベースにして、思考や行動というものにつながっていきます。
ですが、いわゆる自己肯定感の低いタイプの方は、自分の価値と自分の行動や考えを紐付けて考えてしまいます。反対に、自己肯定感が高いタイプの方は、自分の価値とは切り離して物事を全くの別物として捉えることができます。
――たとえば、なにかミスをしてしまった場合など「失敗をした=自分が悪い」という考え方になりやすいのが、自己肯定感の低い人ということでしょうか?自分の価値と行動や考えとの紐付けについて詳しくお聞かせください。
山根先生:自己肯定感が高い人は、たとえミスをしても「自分が悪い」という考えにはなりにくいものです。もちろん、ミスや自分のしてしまったことに対して、反省や改善はするでしょうが、自分を責める思考にはなりません。
一方で自己肯定感が低い人は、会議などで人に反論されたり、自分の考えを指摘されたりすると「自分がダメだから指摘された」と考えてしまうタイプの人です。
指摘した人は、あなたの出したアイデアや意見を悪いといっただけで、あなた自身をダメな人間とはいっていないはず。ですが、そうは考えずに自分の存在自体を責めてしまう。
自己肯定感が低い人は、「生きている価値がない」「自分はなにをやってもダメ」という負のスパイラルに入り込みやすくなります。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く