自己肯定感が低いと「食べ過ぎる」?”食生活の変化”で気づける自己肯定感低下のサインとは
自己肯定感が低下しているサインは、普段の食生活にも表れてくるそう。心理カウンセラーの中島輝さんは、食生活に少し気をつけるだけで自己肯定感がアップすると語ります。日々、高くなったり、低くなったりと揺らぎやすい自己肯定感。その揺らぎを少なくして、毎日をハッピーに過ごすための秘訣とともに、自己肯定感と食生活の関係性を中島さんにお聞きしました。
――自己肯定感が低くなっているとき、食生活にはどんな変化が現れるのでしょうか。
中島さん:食べても食べても満足がいかない、普段ならお腹が空かないタイミングで空腹感を覚える。こういった変化が出てくるのかなと思います。なぜかというと、自己肯定感が低いときは何か満たされない気持ちになるときが多いんです。自己肯定感を作る“6つの感”のどれかが満たされないと、食べるということで中枢神経を満たそうとする。食欲に変わっていくんですね。ですので、いつもと違う症状が出たときに「あれ?」と思ってもらえたら。
もうひとつは、体の疲れが出る。いつもとは違ったルーティンになったと思うときも、自己肯定感が低下しているサインです。糖分や水分を過剰に摂りたくなる。カフェインが欲しくなるなどですね。自分で自分の状態を客観視すると、自分のことをマネージメントしやすくなるのではないでしょうか。
――いつもと違うことをしてしまうときは、何か自分に起きている。自己肯定感が低くなっていると思うべきということですね。
中島さん:そうですね。「今日はやたらブラックコーヒーが飲みたくなるな」と感じたら、何かあったかなと振り返ってみる。僕は集中力をたくさん使ったときはカフェインが欲しくなるタイプなので、「そうか、集中したから飲みたいのか」と思って「そんなに集中したのか、頑張った。えらいな、自分」と褒めてあげています。自己肯定感が高いと、その変化した部分を褒めることができるんです。
いつもと違う、変わった行動をしてしまったとき「自己肯定感が低いのか」と思うだけでなく、そのなかでポジティブな側面を見つけてあげると、自己肯定感をアップさせることができる。まずは変わったことに気付くことが大事ですよね。低下していることにも気づかず、そのままだと流されるままになってしまいますから。
――自己肯定感を高めるための食生活についてもお伺いしたいのですが、食べ方など気をつけるべきポイントはありますか。
中島さん:すごくシンプルなことですが、体にいいことを考えれば、それだけで十分。難しいことではなくて、常温で水を飲む、バランスのいい食事をする。でも、そこに完璧を求めちゃダメ。自分のなかでバランスが取れている食生活を心がけるといいのかなと思います。
1週間くらいのスパンで、「昨日はお肉をたくさん食べたから、今日は野菜を多めにしよう」「3日くらい健康的な食事にしたから、1日くらいファストフードでもいいよね」とか。5大栄養素など基本的なことは知識としてちゃんと持ったうえで、自分のなかで許可を出してバランスを取っていければ、自己肯定感が低下することが少なくなります。
1日3つのいいこと探しで自己肯定感をアップ
――基本は押さえつつ、自分のペースで無理のないように過ごすことが自己肯定感を下げないコツでもありますね。食生活以外の部分で、日々、心がけていたほうがいいこと、工夫できることがあれば教えてください。
中島さん:自己肯定感が常に低い人はネガティブ思考が癖になっている、習慣化して自動思考になってしまっている人が多い。そうならないために、おすすめなのが『スリー・グッド・シングス』、1日3つ、いいことを探すという方法です。本当にシンプルなこと、大げさに考えなくていいんです。「朝、起きられた自分が素晴らしい」「ランチのデザートが美味しかった」とか、そういった小さなよかったことを3つ探して、毎日書いたり、呟いたりする。考えるだけじゃなくて、何かに書くといいですよね。より認知できるので。
もうひとつは、『if-thenプランニング』。これは、もうちょっと長いスパンですが、未来の楽しいことを考えるというもの。「今週、嫌な案件が続くから金曜にはお寿司を食べにいこう」といったように、ご褒美を決めておくんです。嫌なことばかり考えて続けていると自己肯定感が下がってしまいますから。嫌なことの先のいいことをを考える、未来に楽しいことを作るということも、自己肯定感を高めるコツですね。
――推しがいたり、何か趣味があったりすると次のコンサートまで、次のイベントまでといった感じで頑張ることができるという方も多いですが、それも自己肯定感をアップさせている要素なんですね。
中島さん:そうですね。趣味を見つけることも自己肯定感アップに繋がりますね。例えば、コロナ禍でなかなか楽しいことが見つからない人も少なくないと思うんですが、それを逆手にとって、今しかできない、今だからこそできることを探してみるだけでも違うと思います。
僕は35歳までパニック障害で外出が出来ず、引きこもっていたんですけど、そのときにヨガに救われたんです。DVDを買って部屋でひとり、ヨガをやり続けたんですが、呼吸を整えることはもちろん、体が柔らかくなると心も柔らかくなって。あとから考えるとそれが自己肯定感アップにつながっていた。当時は健康のためにと思って始めただけだったんですけどね。
ヨガだけでなく、今はオンラインで手軽に出来ることも多いですから。自分のなかの視野を広げるためにも、何かを始めてみる。何かに興味を持ってみる。それも自己肯定感が高まる要素なのかなと思います。
プロフィール:中島 輝さん
自己肯定感の第一人者の心理カウンセラー/自己肯定感アカデミー代表/資格発行団体 "torie" 代表
5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、9歳ごろからパニック障害などに苦しむ。10年間、実家に引きこもるという困難な精神状況のなか、独学で学んだセラピー・カウンセリング・コーチングを実践し続け、35歳で克服。現在は、Jリーガー、上場企業の経営者など 15,000名を超えるクライアントにカウンセリングを行っている。著書は『自己肯定感を味方にするレッスン』(PHP研究所)『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』『自己肯定感diary』(以上、SBクリエイティブ)、『1分自己肯定感』(マガジンハウス)など多数。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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