「傷ついた自分を愛することから始めた」抜毛症のボディポジティブモデルGenaさんインタビュー後編

 「傷ついた自分を愛することから始めた」抜毛症のボディポジティブモデルGenaさんインタビュー後編
Gena
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――皆さん、どういった反応でしたか。

Genaさん:「全然知らなかったよ」という子もいれば、「自分も髪の毛抜いていたことがあるよ」と伝えてくれる子もいて。びっくりしました。ほかのことをカミングアウトしてくれた子もいましたし。それを聞いて、どれだけみんな自分を押し殺して生きているんだろうと。最初に打ち明ける側になったことで、見えてきたものもありますね。救われたこともすごく多かったです。

Genna
「髪の写真も撮っていいですよ」とGenaさん。自身が抜毛症であることを伝えていく中で、周りの人たちにもみな、打ち明けられない思いを抱えていたことを知ったと言う。

タトゥーは相反するものが同居している自分の象徴

――友人以外、SNSなどを通じて抜毛症やボディポジティブについて発信することに怖さや不安はありませんでしたか。

Genaさん:最初は恐る恐るでしたね。頭皮の写真なんて誰も見たくないよなと思いながらも、自撮りして公開していって。インプレッション数はあるんです。でも、「いいね」には繋がらないし、フォロワーもなかなか増えない。でも、記録的な意味もあるから続けていこうって。

正直にお話すると、やっぱり自分の髪は“映える”とは対極のところ。なので、そこに関してはタトゥーが一役買っているなとは思っています。

――Genaさんは背中にトライバルのタトゥーを入れていらっしゃって、その写真もUPされていますね。

Genaさん:背中のタトゥーは、髪の毛という自分のなかでの弱点とのバランスが取れているのかなとも思うんです。自分の傷ついた部分とタトゥーを入れる痛みにも耐えられる強い部分。私は繊細で、私は大胆。相反するものがひとつに入っているのが自分の身体なんだ。それをメッセージとして打ち出したいなと。

そのためにタトゥーを入れたわけじゃないんですけど、客観的に見てみたら、その二つが同居していることが効果的というか、自分らしいのかなって思うようになったという感じですね。

Gena
Genaさんの背中にあるトライバルタトゥー。「傷ついた部分と、タトゥーの痛みにも耐えられるという強い部分」これらの相反するものが自分の中にあることを伝えている。

――タトゥーを入れた時期は、抜毛症と診断されたタイミングでしょうか。

Genaさん:タトゥーを入れる前から自撮りはあげていましたけど、抜毛症と診断されて、仕事を休んでいた時期にタトゥーを入れようと決めました。数年前にインドネシアでトライバルタトゥーの彫師さんから、現地ではトライバルの柄ひとつひとつに意味があると聞いたことが興味を持ったきっかけです。成人や結婚、初めて一人前になったとき……。そこに物語があることに、強いパワーを感じたんですよね。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

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ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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