多くの人が誤解している!つま先立ちをしても無駄⁉【ふくらはぎ瘦せの極意】前半
女性の中でも、ふくらはぎや足首周辺の太さを気にされている人は多いのでは? ふくらはぎ痩せのためによく行われるつま先立ちのトレーニングは果たして本当に効果があるのでしょうか? 原因を見極めて、ふくらはぎが見えない冬だからこそ、春に向けてふくらはぎ痩せにチャレンジしましょう。
ふくらはぎが太くなる原因は?
ふくらはぎや足首が太くなってしまう原因は大きく分けると次の4つがあります。
①むくんでいる
②過剰に筋肉がついている
③過剰に脂肪がついている
④骨格のマルアライメント(ゆがみ)がある
1つ目のむくみは原因が様々です。
次のことをやってみても変化がないようなら循環器系や泌尿器系などの病気が潜んでいる可能性があるので、病院での検査を検討してください。
むくみの改善法
栄養の改善
タンパク質やミネラル、ビタミンが不足しているかも知れません。
特にホットヨガなどで大量に汗をかく人はマグネシウムなどが一緒に流れ出してしまいます。海苔などの海藻類には豊富にマグネシウムが含まれています。
また、ダイエットなどでタンパク質が不足している場合は、赤身の肉類や青魚、大豆などを増やしてください。豚肉はビタミンB群が同時に摂取できるのでオススメです。なるべく多くの食材からタンパク質摂取した方が腸内環境が整って痩せやすくなります。
どうしても摂取が難しい時はプロテインなどを補助的に活用してください。
筋ポンプ作用
立ち仕事やデスクワークで体を動かしていないと、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋など)を使う機会が減ります。ふくらはぎの筋肉は第2の心臓と言われるように、収縮と弛緩を繰り返すことで血液などを心臓の方に送り返すポンプ作用があります。
ヨガの「女神のポーズ」や貧乏ゆすり、つま先立ち、ウォーキングなどが効果的です。
二つ目の過剰に筋肉がついているタイプ。 この人達はつま先立ちのようなトレーニングをしてしまうと逆効果です。 繰り返しのトレーニングをしても脚痩せすることはありません。むしろどんどんふくらはぎが太くなります。
太ももに対してふくらはぎだけが太いのは、股関節周辺、特にお尻の筋肉が使えていないことが原因です。お尻がサボっている分をふくらはぎが代わりに頑張ってくれています。
このタイプの人は歩く時に上下動が激しくなります。
「サイドローリングブリッジ」でお尻を機能的に使えるようにしていきましょう。
サイドローリングブリッジ
サイドローリングブリッジは、股関節だけでなく全身を機能的に動かす感覚をつかむために最適なエクササイズです。
股関節を安定して使うには、まず内閉鎖筋や外閉鎖筋などのインナーマッスルが股関節の求心性を高め、その後で大殿筋などの大きなアウターマッスルが働く必要があります。普段お尻を鍛えるために効かせるトレーニングをしている人にとっては難しく感じるかもしれませんが、サイドローリングブリッジを行うと股関節深部のインナーマッスルやお尻のアウターマッスル全てが連動します。
ひとつの筋肉に意識をするのではなく、なるべく小さな力でひとつの動きをするという感覚が大切です。
やり方
①仰向けで寝転がり片膝を曲げます。
親指と人差し指の間からかかとの中心のラインで床を踏むイメージを持ちましょう。
床を踏んでいる足の位置は、繰り返し行っている中で一番楽に力が伝わる場所に移動してもらって大丈夫です。
②膝を曲げた側の腕は胸の前に持ってきます。
③曲げた膝は常に天井の方を向くようにします。
④床を踏む力を借りて反対側に寝返りを打つようにします。
⑤同時に腕も遠くに引き延ばしていきましょう。
どこか1か所に力みを感じないように全身の力を使って寝返りを打つようにします。
お腹は力が抜けやすいので腰を反らない程度に力を入れてください。
うまく踏む感覚が出ない人は頭と尻尾を遠ざけるように背骨を引き伸ばしてみたり、骨盤底筋群を軽く締めるようにしてみてください。また、曲げた膝と腕を遠ざけるようにしてもらうとうまく力が伝わることがあります。
必要以上に力が入っていたり、必要な場所の力が完全に力抜けてしまっているとストレスを感じるはずです。どこかにストレスを感じた時は一度元の位置に戻ってください。
⑥元の位置に戻る時もなるべく力を使わないようにしましょう。
⑦10回動きを繰り返します。
⑧仰向けで少し休んだら反対側も同様に行いましょう。
左右でやりやすさに違いがあることに気がつくかもしれません。
サイドローリングブリッジは脚痩せだけでなく、腸腰筋の緊張を緩めて腰痛を改善してくれたり、歩行などの日常動作改善、ゴルフやテニスなどの回旋動作や、左右へのステップを伴うスポーツのパフォーマンスアップ、傷害予防などにも効果的な一石二鳥どころか三鳥四鳥の万能エクササイズです。
ぜひチャレンジしてみてください。
3番目の過剰に脂肪がついている、4番目の骨格のマルアライメントがあるについては後半でお伝えします。
AUTHOR
杉山匡人
高校時代の度重なるケガをきっかけに、ケガをしない体を作る方法を学ぶため早稲田大学に入学。卒業後、フィットネスクラブインストラクター、接骨院スタッフ、プロ野球選手のパーソナルトレーナーなどを経験する。 より多くの人を体の悩みから解放するために後進を育てることを決意し、専門学校のアスレティックトレーナーコース長として9年間勤務。解剖学、アスレティックリハビリテーション、ボディワークなどの講義を行う傍ら、あらゆる種目のスポーツ現場でアスレティックトレーナーとして活躍する。 現在、のべ2,500名以上のインストラクターを養成している日本最大級のピラティス団体「PHIピラティスジャパン」「YOGA MOVE」の本部スタジオ「EXECUTIVE7」において日本代表プロ野球選手、元スペイン代表Jリーガーなどのトップアスリートから、モデル、高齢者まで動作指導をする一方で、ピラティス・ヨガインストラクター養成講師をつとめ、多数のトレーナー養成専門学校において非常勤講師として活動。 資格:PHIピラティスマスタートレーナー、YOGA MOVEマスタートレーナー、鍼灸師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本赤十字社救急法救急員、栄養コンシェルジュ二つ星 他 講師歴:履正社医療スポーツ専門学校、三幸学園リゾート&スポーツ専門学校、東洋医療専門学校、YMCメディカルトレーナーズスクール 他 メディア:関西電力発行マガジン『withはぴe』「毎日続ける からだメンテナンス」連載 他
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