【人間関係】距離を置いた方がいいのはどんな人?臨床心理士が考える4つのポイント
苦しさを感じながら人付き合いを続けていませんか?
距離を取りたいと感じてもいても、人を嫌いになれないとズルズル関係を続けていませんか?身体を壊してまで対人関係を続ける必要はあるのでしょうか。今回は「距離を置いた方がいい人」についてご紹介します。
合う人、合わない人がいるのは当然。だけど…
あなたが人を嫌いになれないのは何故でしょうか?「みんなと仲良くすべき」「人を嫌うのは悪いこと」という想いが強いと、「この人のことを好きになれないな」「この人と合わないな」と感じても、「いやいや、いいところもあるし」など否定してしまうかもしれませんね。しかし、私たちはみんな相性があり、合う人と合わない人がいるのは当然のことです。そんな生理的に好きになれない、嫌だなと感じる純粋な想いを否定する必要はありません。生理的な反応を否定することは強いストレスになります。身体が発する「この人から離れたい」という想いを我慢し続けると、身体にストレス反応が出てしまうかもしれませんね。
少しわかりやすく、例を挙げてみます。
身体に反応が出たAさんの話
Aさんはマッチングアプリで出会った男性とデートに行きました。相手の実家は裕福で、自分が興味ある分野の仕事をしている魅力的な相手でした。しかし、実際に会ってみると話は盛り上がらず、相手の話に関心がないような一方的な物言いをされ、居心地悪く感じました。「会うのをやめたい」と思う一方で、「魅力的な相手だから逃したらもったいない」「慣れてくれば楽しく過ごせるはず」と考えて、心で感じた違和感を無視していました。3回目のデートに向かったAさん。相手の発言に気持ちがザワザワする中、あと数時間と我慢していると、手の甲に違和感を感じました。じんましんのような湿疹が出てかゆみを感じたのです。Aさんは、合わない相手といるストレスを我慢した結果、身体に反応が出てしまったと気づき、ここまで我慢させた自分に「ごめんね」と声をかけて、適当な理由をつけてデートを切り上げました。
このような相手とは距離を取ろう
我慢しながら対人関係を続け、身体に反応が出てしまう前に、早めに気づき、早めに距離を取れるようにしましょう。しかし、どのような相手と合うのか、合わないのかは個人差が大きいものです。違和感や不快感のサインに気づけるように、自分の身体や気持ちにしっかりと目を向けましょう。そして、一般的に以下のような人には注意が必要です。違和感に気づくための参考にしてください。
1.あなたの考えや気持ちを否定したり変えようとしたりする人
どのようなことを考え、どのような気持ちになるかは個人の自由であり、お互いに尊重すべきものです。お互いに意見を言い合い、すり合わせることはあっても、他者が否定したり、変えられるようなものではありません。そんな自分と他人の境界線を踏み込んで、あなたの考えや気持ちをコントロールしようとする人がいたら注意が必要です。
2.他者の話を聞かない人
相手の話を最後まで聞かずに結論を出そうしたり、独りよがりな視点から物事を判断しようとする人は注意が必要です。自分なりの正義感や正しさを押し付けてくる場合は、一緒に過ごすことで苦しくなってしまうかもしれませんね。物事を客観的に見られず、自分の価値観から判断して、何かあった時は自分のことを棚にあげて他者を責めてしまうことがあるでしょう。
3.依存傾向が強い人
自他の境界線が明確な上で、お互いに支え合い成長していけるような関係性は素敵なものです。しかし、一体感が強く2人で1人になることを望むような相手は注意が必要です。ひとりになることの孤独感や不安が強い人は、束縛が強くなり、あなたの自由な時間が奪われてしまうかもしれませんね。あなたが変わってしまうこと、離れていくことが不安なあまりに、あなたの成長の機会が奪われてしまうこともあるでしょう。
4.遠回しにあなたを批判してくる人
悪意がないように見えて攻撃したり批判したりしてくる相手は注意が必要です。一緒にいるうちにストレスを感じ、あなたが傷ついてしまいます。表面的にはあなたのことを思ってという優しさや善意だと、一見悪意がないように見える分、「自分の考えすぎかな」「自分が悪いのかな」と感じ、相手に嫌な印象を抱いてしまうことに罪悪感を感じるかもしれませんね。一緒にいることで恥や罪悪感を感じるような相手は注意しましょう。
上述したような人が必ずしもあなたにストレスを与えるわけではありません。また、人間は誰しもがこのような行動を取ってしまうことがあります。しかし、このような行動ばかり取り、あなたがストレスを感じたり、違和感を抱き始めているのなら、距離を取ることを検討してみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く