【連載】プロ専属トレーナーが指導!ゴルフが上達するヨガ・入門編|運動の前にまず改善すべきこと

 【連載】プロ専属トレーナーが指導!ゴルフが上達するヨガ・入門編|運動の前にまず改善すべきこと
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斎藤大介
斎藤大介
2021-11-20

ゴルフをもっと楽しみたい、上達したい。そんな人にヨガをぜひ勧めたいと語るのは、渋野日向子選手専属トレーナーの斎藤大介さん。「ゴルフの上達に欠かせない筋肉をヨガで鍛えたり、スムーズな動きを阻害する硬い筋肉をヨガ で伸ばすことができます」と話します。この連載では、ヨガの指導者資格をも持つ斎藤さんに、ゴルフが上達するためのヨガを教えていただきます。

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初めまして。渋野日向子選手の専属トレーナーをしている斎藤大介です。これまでアメリカ女子ツアーで30名以上の選手のコンディショニング作りに関わってきました。治療家として世界中のジムや治療院100カ所以上回ってきましたが、その中で、その土地にあるヨガスタジオにドロップインで参加するようになりました。ヨガを体験し深める中で、様々な発見があったのですが、その中で最も大きかったのが、ヨガはゴルフ上達に有効なのでは?ということでした。ヨガの本来の目的とは違うけれど、ヨガの動きは、ゴルフ上達に欠かせない要素を満たしていると考えるようになったのです。そのことについて、まずお話しさせてください。

体を構成する3つの面を理解しよう:前額面・矢状面・水平面

人体の動きは単一の筋肉ではなく、複数の筋肉、関節、その他が組み合わさった複雑なラインで機能しています。ゴルフの動きができない、ヨガのポーズができない場合に一番効率的で効果的な方法な何かというと、体全体の構造や機能を考えることです。

体は、前額面・矢状面・水平面の3つの面で成り立っています。前額面とは横の動き、水平面とは回転の動き、矢状面とは前屈・後屈の動きです。

前額面 矢状面 水平面
体を構成する3つの面を理解しよう:前額面・矢状面・水平面
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①対側の機能に注目する

ある動きを行いたい場合、私たちは伸びる筋肉側に注目しがちです。ですが、縮んでいる側の筋肉にも注目する必要があります。

例えば、前屈動作をする場合。体の後ろ側(腰部、ハムストリングス、ふくらはぎ)は伸び、股関節や足関節は屈曲していますが、身体の前側に注目すると股関節を屈曲するための筋肉や腹筋群がきちんと働いて、体を前に倒す力が加わっています。

前屈
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立った状態で行う前屈動作では、重力の方向的に前屈のために必要な力はそこまで必要ありませんが、例えば前屈動作を床に座って行う場合(長座の姿勢)、あるいは逆さまに吊るされた状態で行う場合はどうでしょうか。

ある動きができない場合、私たちは「○○が硬いから」と、伸ばす方の筋肉の柔軟性を話題にすることが多いと思います。もちろん、伸びる側の筋肉が伸びなくてできない場合が多いものですが、縮む側の筋力がなくてできないケースも多いので両方に注目する必要があるのです。

②同じライン状の筋肉や関節に注目する

前屈動作を行う場合、股関節の屈曲のストレッチをしてハムストリングスの伸張性を出す方法もありますが、足底の筋肉をしっかりとほぐしたり、足関節のストレッチをしっかりと行うことで前屈動作が行きやすくなることがあります。

これは身体の後面のラインで足の裏とハムストリングスが機能的につながっていて、足の裏をほぐすことで足首の動きが良くなるから。これにより股関節の動きが良くなって前屈動作が改善するのです。

このように、実際に硬い部位とは離れた部位にアプローチすることで動きが改善することは身体の機能上必要なのです。

ここまでお話ししたことをまとめると…

①動きの中の伸びる側と縮む側の両方に注目してアプローチする。

②身体の機能を全体で見て、硬い部位だけでなく最低上下1関節(膝関節なら股関節と足関節)を見て身体作りを考える必要がある。

「体の動き」における「できない」をできるようにしていくためには、これら2つのことをまず前提として理解しておくことが重要です。

上達に欠かせない「呼吸の改善」

体の動きは、屈曲・伸展・回旋・側屈の4つに分けられます。これらの動きを改善していくことが上達につながりますが、その前に欠かせないのが「呼吸の改善」です。

私たちは、1日に3万回も呼吸していると言われています。呼吸を正しく行えていないと、それだけで体の動きが変わってしまいます。いくらストレッチやトレーニングを行っても身体が張ったり、疲れが取れにくい原因になってしまうのです。よって、まずはじめに行うべきは「正しい呼吸を習得すること」「呼吸の改善」。呼吸のエクササイズ(訓練)を優先して行いましょう。ヨガのクラスでも呼吸法を最初に行うかと思いますが、これはとても理にかなっているのです。

呼吸の重要性を理解した上で、上達を目的にした時どこから改善していくか。優先順位をつけるなら

1位 呼吸

2位 屈曲・伸展

3位 回旋・側屈

になります。体の動きにおける「できない」をできるようにしていくためには、単純な動きから複雑な動きへとシフトしていくことが大事です。

呼吸
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柔軟性以上に大事な「可動性」

先ほど述べた4つの動き(屈曲・伸展・回旋・側屈)を語る上で欠かせないキーワードが柔軟性、そして柔軟性より重要なのが可動性です。

柔軟性とは、どこからどこまで伸びるか、という指標です。これに対し可動性とは、意識して動かせる/自分でコントロールしてどこまで動かせるかという指標です。スムーズな動きに柔軟性は欠かせませんが、体がただ柔らかいだけでは意味がなく、体を意識して動かしたりコントロールして動かすことが大事なのです。この可動性を上げるのに、ヨガは非常に有効だと感じています。ただのストレッチとヨガの違いもここにあると思いますが、ストレッチの場合、単に「伸びて終わり」であるのに対し、ヨガではポーズによっては「自分の力で動かして可動域を広げよう」と意識を持つことができるのです。

ヨガ
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斎藤大介

斎藤大介

フィットネストレーナー、ゴルフトレーナー。渋野日向子選手元専属トレーナーで現在は5名の海外メジャーチャンピオンと契約。ヨガの指導者資格であるRYT200も取得。



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