あなたは正しく呼吸できてる?チェックポイントと呼吸が上達する方法【連載・ゴルフが上達するヨガ】
私たちは1日で3万回、呼吸をしていると言われています。呼吸が正しくできていないと、ヨガの動きはもちろん、疲れやすかったり、イライラしたりと日常生活のパフォーマンス自体が落ちてしまいます。日常から正しい呼吸ができるよう、呼吸法のトレーニングをしていきましょう。 この連載では、渋野日向子さん専属トレーナーである斎藤大介さんに、ヨガやゴルフを上達する上で欠かせない「呼吸法」や「体の動き」についての解説していただきます。今回は、動きの基礎となる「呼吸」について。前編・後編に分けてお届けします。
普段、呼吸をしていて、自分の呼吸がどのような状態か気にしている人はそう多くはないでしょう。ヨガをしていると、「今日は浅い・早い」「今日は深く呼吸ができているので調子がいい!」など目安になりますが、普段の生活に戻ってみると、意外とちゃんと呼吸ができていないかもしれません。まずは自分の呼吸の状態を知り、正しい呼吸トレーニングを行ってみましょう。呼吸が正しくできるようになると、疲れが溜まりにくくなったり、集中力が高まるなど、日常の動きも以前よりスムーズになるかもしれません。
正しい呼吸のカギは横隔膜の動きや肋骨の角度!
私たちが呼吸をする時、体はどのような状態がベストなのでしょうか?
まず呼吸の基本として知るべきなのは、横隔膜と肋骨の動きです。息を吸ったり吐いたりする時、胸郭の一番下にある呼吸筋の一つである横隔膜が上下運動を行います。同時に、吸うときは肺がふくらみ、吐くときは肺が縮むことにより、肺を覆っている肋骨が閉じたり、開いたりします。
つまり正しい呼吸ができている時は、肋骨の開閉がきちんと行われている。そして横隔膜が上下にしっかりと動いていることが条件となります。
自分がきちんと正しく呼吸ができているかチェックするには、この横隔膜や肋骨の動きが見立てとなります。
例えば、床に仰向けになった時に肋骨の高さをチェックします。左右の高さがズレていたり、片方だけ出っ張っている、手をあげた時に肋骨が一緒についてくる人は、呼吸が正しくできていない可能性があります。
また通常であれば、人は肋骨の角度は35-45度程度ですが、呼吸が浅かったり外腹斜筋が弱くなっている人はこの角度が開いて50度以上になってしまうことがあります。言い換えれば、呼吸を吸ったまま肋骨が開きっぱなしのような状態。うまく吐き切ることができず、横隔膜も上がった状態になっています。常に胸式呼吸をしているので、いわば肩で呼吸をしてしまっているようなもの。浅くて早い呼吸をしているときは、無意識であっても、疲れやすかったり、イライラしやすかったりと、体への影響はよくありません。
正しい呼吸法はできているかチェックしてみよう!
正しい呼吸ができているかチェックする目安が下記になるので、さっそく試してみましょう。
STEP1:呼吸量のチェック
息を吐き切った状態から鼻をつまんで、息を止める。
「吸いたいという欲求」が来るまでの時間を測る。この欲求が10秒未満の人は、普段から呼吸量が少ないので赤信号。一方、20秒以上、我慢できる人は呼吸量が深いと言える。
STEP2:呼吸の浅さのチェック
息を最大限に吸ってから、鼻をつまんで呼吸がどこまで止められるかチャレンジ。
この時、40秒以内で限界が来る人は呼吸が浅いと言えます。
STEP1、2の呼吸チェックを行ってみると、意外と自分の呼吸が浅く、一回で吐ける呼吸量が少ないと感じる人も多いのではないでしょうか。
また、理想的な呼吸の目安として、以下の3つをチェックすることもできます。
①隣に人がいても自分の呼吸が相手に聞こえてない、落ち着いている状態。
次に、
②自分で自分の呼吸音が聞こえないくらい静かな深い呼吸。
ゴールとして目指したいのが、
③正しい呼吸が、無意識の状態でできていること。隣の人にも自分にも聞こえない静かで穏やかな深い呼吸。
ヨガをしていても、③の状態に到達するにはトレーニングが必要です。コツは、横隔膜をしっかり使えるようになること、腹圧を高めてお腹に呼吸を送った時に360度の方向に体に呼吸を入れること。
後編では、これらのメソッドを用いて、呼吸のパフォーマンスをあげる練習法をご紹介します。
モデル/三品茜さん
15歳でローザンヌ国際バレエコンクール出場。 オランダcodarts Rotterdamに入学。 帰国後バレエから離れリフレッシュのためにヨガをはじめる。 現在都内ヨガスタジオ等にてヨガ、バレトンを指導。 アーユルヴェーダの知識を使った心身の健康も伝えている。インスタグラム@akaneyoga_538
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