親の方がまいってしまいがちな子供のイヤイヤ期、どう対処すべき?臨床心理士が考える6つのポイント

 親の方がまいってしまいがちな子供のイヤイヤ期、どう対処すべき?臨床心理士が考える6つのポイント
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石上友梨
石上友梨
2021-09-20
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子供が泣くことを恐れない

「子供を泣かせちゃいけない」「早く泣き止ませなきゃ」と気負いすぎないことが大切です。適度に泣いてスッキリさせた方が自然に泣き止むものです。大人も、悲しい映画を観てわーっと泣いてスッキリするように、泣いて発散することも必要な時があります。もちろん、周囲に危険なものがないか、安全な場所なのか確認した上で見守り、癇癪がある程度落ち着いたところで共感的な声掛けをしましょう。癇癪を起こすことは親の対応がいけないわけではありません。発達の自然な流れであり、親が癇癪を起こしても大丈夫な相手だと感じているからなのです。

親側の「考えの癖」に気づく

私たちには、ついつい同じパターンで考えてしまう「考えの癖」があります。もしかしたら、子供が泣いている状態に対して色々と考えてしまい、泣いてることに耐えられなくなっていませんか。例えば、泣いていると「責められている感じがする」「否定されているような感じがする」「他人から子育てがちゃんとできていないと思われるのではないか」などです。親の考えの癖によって、子供に泣かれると「イライラする」「怖い」「不安」など不快な気持ちが強くなると、子供に共感的に対応するような余裕がなくなり、なんとか泣かせるのをやめようとしてしまいます。自分の「考えの癖」が働いていないか意識してみましょう。

子供の気持ちを切り替える

2〜3歳児は自分の気持ちを自分でコントロールできません。親がタイミングを見て、抱き上げたり、ヨシヨシをしたり、優しい言葉をかけてあげる必要があります。子供は親から気持ちを調整してもらった経験を積み重ねることで、自分で自分の気持ちを調整できるように成長していきます。この時期にしっかりと対応することが大切です。

親自身の気持ちをコントロールする

イヤイヤ期を乗り越える際には、親自身が自分の気持ちをコントロールする必要があるかもしれません。あまりにつらく長いように感じるイヤイヤ期も必ず終わりを迎えます。その間、親自身が上手にストレス解消をしながら気長に付き合っていけるといいでしょう。そして、今までの関わりで失敗したと感じても、過去は悔やまず、これからできることに目を向けましょう。大人の対応を変えると子供は驚くほど変化をするものです。もちろんやり方を変えた直後は、一時的に、幼い感じになったり、イヤイヤが強くなることがあるでしょう。それに対してきちんと向き合って辛抱強く関わることで落ち着いていくことができるでしょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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