なぜトイレットペーパーだったのか|性教育を広めるZ世代・鶴田七瀬さんが思う「日本の性教育の課題」
トイレは日常生活のなかで一番のプライベート空間
――そういった経験を経て、性教育を広める活動をするソウレッジをちょうど2年前に立ち上げた鶴田さん。性についての知識がプリントされた「性教育トイレットペーパー」を、最初のプロダクトに選んだ理由を教えてください。
性教育の最初の一歩を届ける、ということをやりたいなと思ったのがきっかけです。相談できる環境を作るうえで重要なのは、日常に性の話が自然と存在していること。それに加えて、日常生活のなかで一番のプライベート空間なのはトイレだなと。性のことを読んでいてもバレないという部分でトイレットペーパーにたどり着きました。
日本は性の話をするのにタブー感を持っている方も多いですし、そこを無視して日常に性の話題を持ち込むのは難しい。みんなの前で「恥ずかしい」と感じる人もいるでしょうし。トイレットペーパーという身近にあるもので、日常に少しずつ性教育を溶け込ませていければという思いもあります。
――「性教育トイレットペーパー」への反響はいかがですか。
思っていた以上に皆さん、共感してくださっているなと感じています。トイレットペーパーにプリントするというのは、もともとあった技術なので革命的なものではないのですが、性教育とトイレットペーパーという組み合わせ的に相性がよかったのかなと。
さまざまな反応をいただきましたが、驚いたのは「これまで興味があったけど、SNSをフォローできなかった」と言う方が結構たくさんいらっしゃったこと。私のSNSのアカウント名に「性教育」という言葉が入っていたので「フォローするのが恥ずかしかった」と言われて、そういうこともあるんだなと。ここ数年の間に、性の問題が社会的なムーブメントになったのはすごく大きなことだなと思っています。
プロフィール:鶴田七瀬さん
一般社団法人ソウレッジ(Sowledge)代表。北欧の教育機関、医療機関、公共施設など30箇所以上を訪問し、若者を取り囲む環境が彼らの行動にどのように影響しているのか取材。帰国後の2018年に一般社団法人ソウレッジを起業。「日常に性教育を」をスローガンに、2019年から性教育トイレットペーパーの販売をスタート、「人生の中で出会う性の課題」を知るボードゲーム「ブレイクすごろく」などの教材も制作・販売。twitterやnoteなどで性にまつわる発信を行っている。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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