【管理栄養士が解説】なかなか落ちない…ぽっこりお腹の原因は?お腹まわりがするする痩せる3習慣
ご飯を食べたあとにお腹が出てしまう、スカートやズボンがキツくなるなどの悩みをお持ちではありませんか?実はそれ、普段の食事や生活習慣の見直しで改善できるかもしれませんよ。
ダイエットをしていても、お腹周りだけなかなか痩せない…。ご飯を食べたあとに鏡を見ると、お腹がぽっこりと出てしまう…。ズボンやスカートの締め付けで、よく腹痛を起こしてしまう…。
そんなお悩みをお持ちではありませんか? ぽっこりお腹に悩む人は多く、そのために食事の量を減らしたり、欠食したりなどのまちがえた方法で対処する人もいます。また、よく『胃下垂』とまちがえられやすいのですが、胃下垂でない場合もこの食後ぽっこりお腹になってしまう可能性があります。そこで、ぽっこりお腹の原因と対処方法についてお話します。
ぽっこりお腹の原因
①腹筋が弱い
女性は男性と比べて筋力が低く、腹筋が弱いと言われています。そのため、女性のぽっこりお腹の原因は腹筋がないことに起因する可能性があります。
腹筋が弱いと姿勢が悪くなりやすく、前のめりになりお腹の脂肪が気になる、なんてことも考えられます。座った状態で綺麗に背筋を伸ばした状態をキープするためにも、腹筋は重要です。
②食物繊維の摂りすぎ
食物繊維は、野菜や果物、未精製の穀類に多く含まれ、腸内細菌のエサや腸の働きを促進する作用がある栄養素です。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維の目標量は成人男性:21g/日、成人女性:18g/日とされています。
そんな食物繊維ですが、食べすぎると腸内で腸内細菌による食べ物の発酵がどんどん進みます。この時、発生するガスがお腹の中に溜まる、あるいは腸の動きが活発になりすぎることによる空気の移動が、腹部膨満感の原因となります。
③腸内での細菌の異常増殖
腸内の細菌が異常に増殖してしまうことを「小腸内細菌増殖症(SIBO)」と言います。これは、何らかの原因で小腸内である特定の細菌が異常に増殖してしまい、ガスを発生させて腸内に蓄積してしまう症状です。
明確な原因が未だに明らかにされていませんが、小腸の筋肉の動きが悪くなる(ゼンドウ運動)ことで食べ物や細菌が通常通り小腸から排泄されないことが理由として考えられます。また、高食物繊維食や発酵食品などの多数の微生物を豊富に含む食材の食べ過ぎも、SIBOを招く原因になりかねません。このように小腸で細菌が異常に増殖してしまうことで、細菌の呼吸によってガスが腸内に充満し、ぽっこりお腹の原因となる場合があります。
④偏食
三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく摂ることは、代謝の良い体づくりに欠かすことはできません。その一方で、現代の食生活では特定の栄養素を過剰に摂りすぎてしまうことが問題視されています。例えば、外食ばかりが続くと炭水化物(糖質)と脂質の摂りすぎにつながります。
糖質や脂質の摂りすぎが必ず腹部の体脂肪の蓄積につながるとは限りませんが、代謝が低下することで体脂肪が増え、お腹周りのぽっこりが気になるということが考えられます。
⑤アルコールの飲み過ぎ
「ビール腹」という言葉があるように、アルコールの飲み過ぎがぽっこりお腹を招いている可能性もあります。これはアルコール自体にエネルギーがあるということ、お酒にもかなりの糖質が含まれていること、そしてアルコールによって食欲が増進し、おつまみなどを食べすぎてしまうことが原因です。
また、お酒に合うおつまみなどの食事は基本的に塩分濃度が高く、全身を浮腫みやすくしてしまいます。その結果、お腹周りにも水分を溜め込み、ぽっこりお腹の原因になってしまうのです。
お腹ぽっこりを防ぐためにできること
食事内容の改善
三大栄養素のどれか一つでも過度に削ってしまうと、全身の代謝バランスが崩れてしまいます。したがって、三大栄養素のバランスが取れた食事を食べることが好ましいです。目安として、タンパク質:2〜3、脂質:2〜3、炭水化物:5〜6付近になるようにしましょう。
また、ただ三大栄養素だけを意識するのではなく、ビタミンやミネラルも栄養素の代謝に必須です。新鮮な野菜や果物も積極的に食べましょう。さらに、お酒を飲む頻度を減らすことも重要です。
厚生労働省によると、1週間でのアルコール摂取量は140g程度が好ましいとされています。これは、ビール缶一本(350cc)にして8.2本分、つまり一日あたりビール一本程度に相当します。飲みすぎてしまった…という日があれば、1週間のうちで休肝日を複数日設けて調節するようにしましょう。
おうちで筋トレ(腹筋)
本格的にジムに通うことはもちろん良いことですが、なかなかそんな時間が取れない…という人は、家で軽く腹筋をするだけでも効果的です。ヨガマットの上で腹筋をするだけでも、毎日続ければ効果が出てくるはずです。
参考:【腹筋運動ができない理由】筋力不足だけじゃない?3つの原因&苦手を克服!2つの簡単腹筋エクサ
食物繊維を控えめにする
なんとなくお腹にガスが溜まっている感じがする、という方は、食物繊維やオリゴ糖などの糖質を控えめにしましょう。腸の動きが活発になりすぎないように心がけ、しばらく様子を見てみます。
※もし食物繊維やオリゴ糖などを控えめにしてみても症状が改善されない場合、先に述べたSIBOなど別の原因が考えられるのでお医者さんに診てもらってください。
まとめ
ダイエットによって手足はスッキリしても、お腹周りはなかなか痩せないという人は多いのではないでしょうか。なんとなく気になるぽっこりお腹の原因は、実は身近な食生活習慣が理由の場合がほとんどです。
今回紹介したものは、三大栄養素バランスの良い食事や、軽いおうちでのトレーニングなど、今すぐ取り入れることのできる方法ですので、ぜひ試してみてください。
AUTHOR
河原あい
フリーランスライター。福岡出身。管理栄養士免許取得後、環境系大学院博士課程にて乳酸菌の研究中。プラントベース・ヴィーガンな栄養学、インナーケアに関する記事の執筆と、腸内環境を整えることの大切さをSNSにて発信している。
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