月経は煩わしい?大人の女性のための「月経との付き合い方」|月経を見直し自分に対して優しくなる方法
月経に対して面倒くさいもの、嫌なもの、煩わしいものという意識を持っている方、持っていた方、そろそろ月経を見直してみませんか?月経は私たちの体を守ってくれている大切な機能です。月経は自分の生活や感情も反映される、心身の健康のバロメーターとも言えます。大人の女性のための月経との付き合い方をご紹介します。
月経時の不快感や体調の悪さは、女性ならほとんど誰もが経験したことがあるものです。
運動をして汗をかいたときの嫌な感じ。頭がボーっとして仕事に身が入らない。温泉に行っても、月経中で量が多いと入れない。
どうですか?どれも一度は経験したことがあると思います。
ヨガにおいても、逆転のポーズや深いねじりができないという動きの制限があることに加え、お腹や腰が痛くて、そもそもヨガができないことも。
「気持ちは動きたいのに体が本調子ではない」そんなジレンマで月経を疎ましいものと感じてしまう。できれば月経なんてないものと思って生活したい。
そう思う人も中にはいるのではないでしょうか。
女性のためのヨガを教えている筆者がいつもクラスに掲げるテーマは「アヒムサー」です。
ヨガ哲学の八支則の最初に登場するこの言葉には、自分を大切にするという意味があります。女性はどのように自分を大切にできるのでしょうか。
月経のメカニズム
女性の体は、妊娠できるように準備するサイクルがあります
約28日かけて行われる月経サイクルの中で、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が分泌されて月経が起こりますが、それを指示しているのが脳にある視床下部です。
視床下部は常に子宮や卵巣の状態を把握して女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を分泌するための物質を放出する指示を視床下部の下にある脳下垂体に出しています。
視床下部は自律神経も司っているのでストレスなどで自律神経が乱れると視床下部からの指示系統が混乱し、ホルモン分泌の支持が正しくされなくなり月経周期が乱れます。
そして、視床下部のすぐ上には感情を司る大脳辺縁系があり、視床下部は大脳辺縁系の影響を大きく受けているので、感情の変化も月経に大きく影響するのです。
月経をないものとしたい、疎ましいと思うネガティブな感情が知らず知らずのうちに自分で自分を本来あるべき健康な状態から遠ざけてしまっているのだとしたら、これはとても悲しいことです。
では女性としてアヒムサーに基づいた行動をとるにはどうすればよいのでしょうか
・女性としてのありのままの自分を受け入れる
・女性性を敬うこと
私はこの2つだと考えています。
女性ホルモンは女性の体を守っている
私は、今まで月経があることで私たちの体は守られてきた、と考えています。月経があることで分泌されるエストロゲンは血管、骨、関節の健康な状態を守ります。プロゲステロンは妊娠を維持します。自分の体は月経によってずっと守られてきたという側面があることを自覚しましょう。そして感謝しましょう。それが自分の女性性を敬うことになります。
「ありがとう瞑想」の実践
左手を胸に、右手を子宮と卵巣がある下腹部にあてて目を閉じます。
ゆったりと呼吸をしながら右手の奥の子宮と卵巣の存在を感じましょう。
左手の奥の自分の心や感情を呼吸と共に見つめます。
手のひらがポカポカと温まってきたら、心の中でありがとうを唱えながら右手と左手のつながりを感じましょう。
月経時、もしくは月経前から不調がある場合は積極的なリラクゼーションを意識しましょう。
月経時に行いたいヨガのポーズ2つ
スプタバタコナアーサナ
効果:月経時に滞りやすい足の付け根を開きむくみを解消します
胸を開き呼吸の広がりと解放感を味わうことができリラックスできます
◆ポーズのとり方
座って足の裏を合わせ、膝を左右に開きます。
膝が床の方に倒れすぎるのを防ぐために細長くたたんだブランケットを足首に巻き固定します。
準備したボルスターやクッション(布団などでも代用可)などに仰向けになります。
高さはお好みで、自分にとって快適な高さに調整しましょう。
アパーナアーサナ
効果:仙骨の周りをマッサージする動きをすることでアパーナという下向きのエネルギーを働かせるポーズです。月経直前や月経時に最適です。
◆ポーズのとり方
マットの上に仰向けになり両膝を抱えます
1.抱えたひざを胸に引き寄せたり離したり前後に動かします
2.膝をそろえたまま左右に動かします
3.膝をそろえたままぐるっと一周回し、反対にも回します
4.平泳ぎのように左右対称に回します。逆回しもします
閉経の平均年齢は50歳。それまで残りの月経があることに感謝をして、ありがとうという気持ちで月経を迎えましょう。そうすることで、自分の中にある月経へのネガティブな感情が少しは和らげられるはずです。
すべての体の機能は、私たちを健康な状態に生かすためにいつも一生懸命に働いています。そのことを忘れないで!
女性であるありのままの自分を受け入れ、自分に優しい気持ちを持って過ごしていきませんか。
※生理痛や月経の不快症状には、婦人科系の疾患につながるものもあります。我慢せず、痛みや不快症状が続く場合には婦人科を受診することをおすすめします。
AUTHOR
綾
ヨガインストラクター、食養生コーディネーター。幼少期からクラシックバレエ、ダンスなどの身体活動を経験、2004年よりヨガを練習し始める。ヨガの呼吸とバランスの取れた動きと疲れた心身を回復する絶大な効果に感銘を受け、ヨガをライフワークにするためにインストラクターとなる。2005年~2021年までの間スタジオを中心にヨガインストラクターとして活動。現在はオンラインのグループレッスンとプライベートレッスン、対面の産後ヨガ、シニア向けのヨガを教えている。専門は「女性のためのヨガ」であり、女性の様々なライフステージをヨガでサポートするためのクラスやワークショップを開催。精神の学びにはまず体と心の健康が欠かせないという気づきから、食養生とアーユルヴェーダを学び実践中。真の健康と美しさを探求している。
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